ピクセルアーティストBAN8KUがミヤシタパーク全58面で「SYMBIOSIS〜共生〜」の世界を表現

ピクセルアーティストBAN8KU、ミヤシタパーク全58面で「SYMBIOSIS〜共生〜」を展開

デビュー13周年を迎えたピクセルアーティストBAN8KU氏が、MIYASHITA PARKの全58面LEDビジョンを舞台に、最新作「SYMBIOSIS(シンビオシス)〜共生〜」を発表しました。これは、株式会社thePIXELとMIYASHITA PARKが連携して行う文化プロジェクト「PIXEL LAYERED」の第二弾として開催されます。

ミヤシタパークのデジタルサイネージに映し出されたBAN8KU氏の作品

本展「SYMBIOSIS〜共生〜」に込められた世界観

BAN8KU氏は、幾重にも積み重なるレイヤーの中に多様なキャラクターが共存するパノラマ的な世界観をピクセル単位で描く、日本を代表するピクセルアーティストです。作品には、猫や熊、鳥、草花といった生命的な要素と、ロボットや幾何学模様、都市の記号といった人工的な要素が、一枚の画面に隙間なく敷き詰められています。この、生命的なものと人工的なものが分け隔てなく同居する世界は、屋上公園と商業施設が立体的に重なり合うミヤシタパークの世界観と深く共鳴しています。

「SYMBIOSIS(シンビオシス)=共生」というタイトルは、BAN8KU作品の根幹にある「誰もが共存できる世界」というコンセプトに通じ、5年、10年、20年と“経年優化”していくミヤシタパークの思想と強く結びついています。

BAN8KU氏のピクセルアート作品「SYMBIOSIS」

BAN8KU氏は本展について、次のように語っています。

ミヤシタパークは、遊ぶ、買う、食べる、泊まる、くつろぐといった、多様な目的を持つ人々がシームレスに行き交う場所である。
本展において、解像度の最小単位である「ピクセル」を、この場所に集まる人々やカルチャーを表す固有のシンボル(キャラクター / アイコン)へと置き換えた。
それらを整列させ、結びつけていくことで、近くで見れば個々の物語が息づき、遠くから見ればそれらが集まったひとつの社会が現れる。
それは、ピクセルアートの点の集合をより多層的に捉えたものであり、同時に、多様な要素が混ざり合うミヤシタパークという構造体そのものの表現でもある。
館内に広がる58面のデジタルサイネージにはそれぞれ個別の作品が展開され、それらが共鳴するように連動していく。
ミヤシタパークと、BAN8KUの描く世界との境界線はあいまいになり、空間全体がひとつの巨大な作品となる。
タイトルである「SYMBIOSIS(シンビオシス)」には、異なる種類の生物が互いに影響しあい一緒に生活する「共生」の意味合いがある。人、文化、あらゆる機能が交差するこの場所で、個々の物語は生き生きと広がり、結びつきながら、また新しい景色に繋がっていく。

会期中、BAN8KU氏の作品は毎時5分の比較的長い映像作品として放映され、ミヤシタパークにある58面のシンクロ放映により、圧倒的な没入空間を体験できます。

BAN8KU(バンパク)氏について

BAN8KU氏のロゴとキャラクター

2013年に発足したBAN8KU氏は、パノラミックでポップな作品を制作し、自主作品のみならず企業やイベントとのプロジェクトも積極的に手掛けています。ドット絵の新しい表現を探求するため、見本市のような展示も行っています。

主な実績には、大阪・関西万博 シャインハット ビジュアル映像(2025年)、東急 まちびらき「HELLO neo SHIBUYA」ビジュアルサイネージ、mixi Office Entrance LED Signageなどがあります。また、SHIBUYA PIXEL ART CONTEST 2020で優秀賞を受賞し、2023年には「映像作家100人+NEWCOMER100」に選出されています。

オリジナルキャラクター「こねこ」と歩んだ十余年 ― BAN8KU氏の「集積」

BAN8KU氏の作品世界は、長い時間をかけて積み重ねられてきた「歴史の集積」によって形づくられています。その象徴的な存在が、オリジナルキャラクターの「こねこ」です。「こねこ」は、一つの作品の中だけで役割を終えるのではなく、時を経て別の作品にも姿を現し、作品から作品へと生き続けています。

これは「こねこ」に限った話ではなく、BAN8KU氏が生み出したさまざまなキャラクターやモチーフにも通じ、自主制作の作品やクライアントワークの垣根を越え、繰り返し登場します。一度きりで使い捨てられることなく、新たな舞台に現れるたびに物語や記憶を重ね、BAN8KU氏の世界を少しずつ広げています。

そこには、BAN8KU氏のキャラクターに対する深い愛情が表れています。キャラクターは単なる画面上の装飾ではなく、作品の中で時間を生き、異なる風景をつなぐ存在になっています。

BAN8KU氏自身も、「僕の作品を紐づけて見てみるのも面白い」と語っています。過去の作品と現在の作品を見比べ、同じキャラクターやモチーフを探すことで、一つひとつの作品が独立しているのではなく、長い時間の中でゆるやかにつながっていることに気づかされます。

BAN8KU氏の作品における「集積」とは、単に多くの要素を描き込むことではなく、キャラクターの記憶、作品の歴史、そして十余年にわたる創作の時間が積み重なり、一つの大きな世界へと育っていくことなのです。

「こねこ」の歴史を辿る

  • 2013年:90年代のビデオゲームへの偏愛を、「ピクセル」という手法へ変換しはじめる。

  • 2013年〜2019年:Tokyo Otaku ModeによるTOKYO GAME SHOW公式グッズを手がける。

  • 2016年:21年ぶりの新作ファミコンカセット「8BIT MUSIC POWER」にドット絵で参加。この頃、のちに代名詞となる子猫「こねこ」(登場は遅くとも2014年)を描き始める。

  • 2017年:SHIBUYA PIXEL ARTのキービジュアルを手がける。

  • 2020年:SHIBUYA PIXEL ART CONTESTで優秀賞(「レガシーセーブデータ」)。翌年にはフェスのロゴ/フォントそのものを手がける。同年、こねこだけの個展「こねこ展」が雑誌・テレビで紹介され、こねこが作品世界の主役になる。

  • 2023年:「30日間旅するkoneko」で渋谷にある100箇所のサイネージにこねこが登場する。同年「映像作家100人+NEWCOMER100」に選出され、デビュー10年の節目を迎える。

  • 2026年:ミヤシタパーク全58面でBAN8KU氏の最新作「SYMBIOSIS〜共生〜」を開催。かつてLINEスタンプの中にいた一匹のこねこは、都市そのものを舞台にするこねこに育つ。

展示概要

MIYASHITA PARKの入り口と階段

  • 場所:MIYASHITA PARK 全域58面のLEDビジョン

  • 住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10

  • 放映時間:施設営業時間内 毎時00:00より5分間上映

  • 演出:58面シンクロ放映による空間没入

  • 会期:2026年8月5日(水)から9月4日(金)

thePIXELとミヤシタパークの歩み

株式会社thePIXELは、母体であるSHIBUYA PIXEL ARTを通じて、2021年にadidas Brand Center / MIYASHITA PARKでピクセルアート界のレジェンドeBoy氏とのコラボ企画を開催して以来、国内外のピクセルアート表現者にとって特別な場としてミヤシタパークを育んできました。2025年にはsequence MIYASHITA PARKでeBoy氏の個展「e-People展」も開催しています。

「PIXEL LAYERED」はこの文脈を引き継ぎ、施設全域へとスケールを拡張する新章です。儚く、流動的なピクセル=質量を持たない“光の粒”を“光の庭”へと解き放ち、多様な人々やカルチャー、都市の営みと幾重にも重ね合わせていくことで、その価値を社会へと浸透させていきます。

  • PIXEL = 光の最小単位、ART = 芸術

  • RAY = 光、YARD = 庭

三井不動産株式会社・RAYARD MIYASHITA PARK担当者の伊藤茜氏は、「MIYASHITA PARKは開業以来、多様な人々や鳥をはじめとした生きものが集い、それぞれが思い思いの時間を過ごせる、心地よい都市空間を目指してきました。今回のアート作品は、多様なものが共生する世界観を表現しており、MIYASHITA PARKが持つ開放感や居心地の良さ、元々のコンセプトとも高い親和性があると感じています。」とコメントしています。

また、株式会社thePIXEL代表の坂口元邦氏は、「BAN8KUは、私がピクセルアートの沼にハマるきっかけとなったアーティストです。彼の作品には、『ピクセルの集積』が生み出す幾重ものレイヤーと、『時間の集積』が息づいています。今回、MIYASHITA PARKが掲げる『PIXEL LAYERED』というコンセプトとも深く共鳴するBAN8KUと、このプロジェクトをご一緒できることを心から嬉しく思います。」と語っています。

プロジェクションマッピングが映し出された建物