Future Fair 2026について
Future Fairは、ニューヨークのチェルシー地区で開催される注目の現代アートフェアです。若手から中堅ギャラリーを中心に、国内外のギャラリーが一堂に会するプラットフォームとして知られています。第6回目となる2026年は、Chelsea Industrialを会場に68のギャラリーが参加し、ニューヨークの春のアートウィーク期間中に開催されます。世界中のコレクター、キュレーター、アート関係者が集まるこの機会は、新たな才能や多様な視点に触れる貴重な場となるでしょう。
キュレーション展示「Mapping Autonomy: Roots and Routes」の見どころ
本展示では、篠原乃り子、Natsu、曽川あいという3名の日本人女性アーティストに焦点を当てます。絶え間なく変化し、激しい競争が繰り広げられるニューヨークのアートワールドにおいて、それぞれがいかにして自己の表現と主体性、すなわち「Autonomy(自律)」を獲得してきたかを「Roots(ルーツ)」と「Routes(歩み)」という視点からマッピングする試みです。
篠原乃り子
1972年に渡米し、ニューヨークを拠点に活動する現代アーティストです。代表作「Cutie and Bullie」シリーズでは、コミック的な表現を用いながら、家庭・パートナーシップ・創作の間で生じる葛藤をユーモアと主体性をもって描き出し、自身の自律を鋭く問い続けてきました。その実践は近年再評価が進み、現代における女性の生き方を象徴する存在として注目を集めています。

Natsu
「Path to the Sun」シリーズにおいて、木漏れ日をトレースすることで太陽への距離を可視化する独自の“地図”を描きます。墨や膠、胡粉といった日本の伝統素材を用いながら、色彩と幾何学を融合させ、都市の喧騒とは対照的な静謐な視点から、自然や宇宙との対話による内的な自律を表現しています。

曽川あい
2005年に渡米し、顔料の流動性と緻密な制御を組み合わせた抽象表現を展開しています。日米を往復する生活の中で再考された「ホーム」や「アイデンティティ」の概念を、「Inside in」や「Current」などの作品群に昇華させています。偶然性と構造の狭間で生まれる彼女の表現は、外部に規定されない自己領域の確立を示しています。

本展は単なるグループ展示に留まらず、異なる時代にニューヨークへ渡った日本人女性アーティストたちが、異文化の中で自らの居場所を切り拓き、持続的な自律性を築いてきたプロセスを示す“地図”として提示されます。それぞれの作品は、文化的背景に根差しながらも独自のルートを辿ることで形成されたものであり、現代アートにおける新たな主体性のあり方を浮かび上がらせます。
出展概要
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タイトル :「Mapping Autonomy: Roots and Routes」
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期間 : 2026年5月14日(木)~5月16日(土)
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会場 :Chelsea Industrial
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住所 :535 West 28th Street New York, NY 10001
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公式サイト:Future Fair 公式サイト
アーティストプロフィール
篠原乃り子(Noriko Shinohara)
1972年に渡米し、ニューヨークを拠点に活動する現代アーティスト。ペインティングや版画を中心に、個人の経験や物語性、ユーモアを織り交ぜた独自の表現で知られています。2006年に開始した代表作「Cutie and Bullie」シリーズでは、自身とパートナーであるアーティスト篠原有司男をモデルとしたキャラクターを用い、夫婦関係や創作における葛藤、自身の自律性を率直に描き出しています。近年は身近な風景や夢、個人的な記憶をテーマにした油彩作品も展開。Japan Society Galleryでの展覧会への参加や、ウェルズリー大学デイビス美術館への収蔵など、国際的な評価を確立しています。また、その人生と創作活動は、アカデミー賞ノミネートおよびエミー賞受賞のドキュメンタリー『キューティー&ボクサー』でも広く知られています。
Natsu
自然や宇宙との関係性を主題に、独自の視覚的マッピングを行うアーティストです。「Path to the Sun」シリーズでは、木々の間から差し込む光をスケッチでトレースすることで、太陽への距離や関係性を可視化する試みを行っています。作品は、墨や膠、胡粉といった日本の伝統素材を用い、雲肌麻紙に描かれる繊細な色彩と幾何学的構成によって構築されます。ニューヨークのセントラルパークやフィフス・アベニューといった都市環境から自然風景までを着想源とし、「Garden – Cosmic Atlas」「Fluctuation – Vibration of Particles」「Music – Movement of Particles」などのシリーズを展開。光や粒子、音といった要素を視覚化し、静謐で瞑想的な空間を提示しています。
曽川あい(Ai Sogawa)
2005年に渡米し、アメリカを拠点に活動する現代アーティストです。顔料をキャンバス上に流し込むことで生まれる偶然性と、マスキングやコラージュによる精緻な構成を組み合わせた抽象表現を特徴とします。代表作には「Inside in(2019-2022)」「In Between(2020-2022)」などがあり、近年は壁画プロジェクトにも取り組んでいます。日米を往復する生活の中で再考された「空間」や「内面」の関係性をテーマに、流動性と制御の間にある表現を探求。自身の記憶やアイデンティティを織り込みながら、静かでありながら力強い自己表現を展開しています。
GOCA by Gardeについて
GARDEが手掛けるアートギャラリーであるGOCA by Gardeは、ニューヨーク・チェルシー地区に位置する日本およびアジアの現代アートに特化したギャラリーです。絵画、彫刻、陶芸を通じて新進気鋭から著名なアーティストを紹介し、文化交流と対話を促進する場としての活用を目指しています。
チェルシー地区は、世界有数のアートとカルチャーの中心地として知られ、現在では約200のギャラリーが集まり、著名アーティストの展示から若手による実験的な作品まで、幅広いアートが展開されています。このようなチェルシーという舞台において、GARDEはこれまで築き上げてきた空間デザインのノウハウと、アーティストとのネットワークを最大限に活かし、アートを愛する人々が集い、交流する場を創出します。そして、GOCA by Gardeが生み出す新たなインスピレーションと可能性が、アートを通じて社会にポジティブな影響をもたらすことを期待しています。
公式サイト:GOCA by Garde 公式サイト
GARDE(ギャルド)について
1985年創業のデザイン・コンサルティングファームであるGARDEは、世界のラグジュアリーショップ、ホテル、高級レジデンス、大型SC・百貨店、フードコートを含む飲食店、グローバル企業のオフィス、スポーツ・エンターテインメント複合施設など、多岐にわたる空間デザインを手がけています。事業の中核となる建築・環境デザインを担う「デザイン事業」に加え、不動産売買・仲介や新規事業企画開発、海外事業進出支援などを行う「コンサルティング事業」、さらに不動産コーディネーション、アート支援・販売、メタバースなどのデジタルソリューション開発、地方創生サービスを含む「コーディネーション事業」の3事業を柱に展開しています。近年では、ニューヨークおよび南青山にアートギャラリーを開業・運営。アートを起点とした価値創造や国際的な文化発信にも取り組み、空間デザインの枠を超えた事業領域を拡張しています。「情緒的経営価値」の提供を掲げ、顧客企業の歴史や哲学、技術やビジョンを深く理解した上で、それらを統合し、卓越したデザインと機能性を兼ね備えた空間・体験へと昇華させています。東京本社のほか、ミラノ、パリ、香港、上海、シンガポール、クアラルンプール、ジャカルタ、ドバイ、ニューヨーク、ロサンゼルスなど世界各地に拠点を展開しています。
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