森夕香の新作個展「ほどけるギフト」がGallery 舞台裏にて開催、日本画で探る身体と環境の境界線

身体と環境が「ほどける」世界観

本展のタイトル「ほどけるギフト」には、あるものが分解されて別のものに変化し、他者との関係性の中で贈り物が循環していく、という森夕香氏の深い考察が込められています。森氏は幼少期から豊かな自然に囲まれて育ち、大学で学んだ日本画の技法を用いて、身の回りの植物や人々を描いてきました。身体を「内と外を隔てる境界」として捉えるのではなく、自己と他者、人間と自然が混ざり合い、一体となるイメージを表現しています。

特に、今回の個展ではキッチンスペースを備えた「Gallery 舞台裏」という空間に注目し、「食べる」という行為や身体に対する考察を散りばめた新作が展示されます。食べることによって外部のものが体内に取り込まれ、また排出されるという一連の循環は、まさに「ほどける」という言葉に呼応します。作品を通じて、生命が持つ有機的なエネルギーと、静かで生き生きとした体温が伝わってくることでしょう。

抽象的な二人の人物が抱き合う絵画

アーティストが語る「食べること」と「境界」

森夕香氏は、自身の制作において「身体と環境の境界」を探ることを主軸としてきました。閉所恐怖症から自身の身体を「牢屋」のように感じた経験から、身体をより曖昧で柔軟なものとして捉えるようになったといいます。

「食べるという行為はウチとソトを曖昧にする」と語る森氏。外にあったものが体内に入り、一部は身体の一部となり、一部はまた外に排出される。この一連のプロセスは、どこからが「ウチ」で、どこからが「ソト」なのか、その境界が曖昧であることを示しています。食べ物が海、土、微生物、植物、光、人間といった多くの要素によって時間をかけて織り成される超大作であると捉え、それが私たちの体を通過し、形を変えながら新たな旅を始めるという壮大な循環が、作品の根底に流れています。

線で描かれた昆虫とハートのイラスト

森夕香氏について

森夕香氏は1991年滋賀県出身、現在は京都を拠点に活動しています。日本画の顔料と支持体を基盤に、人と植物という二つの大きな主題を描き、人と人、人と植物、あるいは植物同士が繋がり融合するような、臓器的な感覚を帯びた連続体のイメージを可視化しています。近年は「生命体としての建物」という視点から、窓を介した内と外の循環を描く試みや、植物の写生、そして網の目のような有機的で混沌とした植物の形態を主題とする「メッシュ」シリーズも手掛けています。

森夕香氏のポートレート

主な受賞歴として「Pommery Prize Kyoto 2024」最優秀賞があります。

森夕香氏の活動は、以下のInstagramアカウントでもご覧いただけます。
Instagram(@mori1227)

展覧会概要

森夕香個展「ほどけるギフト」

  • 会期: 2026年6月5日(金)〜7月5日(日)

  • レセプション: 2026年6月5日(金)18:00〜20:00(参加無料、要予約

  • アーティスト: 森夕香

  • 営業時間: 11:00〜18:00

  • 定休日: 月曜日(月が祝日の場合は翌日が定休日となります)

  • 観覧料: 無料

  • 会場: Gallery 舞台裏

  • 住所: 〒105-0001 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1F
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  • アクセス:

    • 東京メトロ日比谷線神谷町駅5番出口より、駅直結 徒歩1分

    • エレベーターあり、バリアフリー

    • 車椅子、ベビーカーの入場可能

  • 主催: ArtSticker(運営:株式会社The Chain Museum)

  • 協力: Yutaka Kikutake Gallery

  • 展覧会詳細: こちら

本展の出展作品はArtSticker限定で販売されます。会期前にプライスリストをご希望の方は、こちらまでお問い合わせください。

Gallery 舞台裏の内装

「Gallery 舞台裏」は、アートプラットフォームArtStickerを運営する株式会社The Chain Museumがプロデュースするアートギャラリーです。作品鑑賞に留まらず、人々が交流し、親密に語り合える空間として設計されています。グローバルに活躍するベテランから新進気鋭の若手アーティストまで、多様な企画が展開され、食体験やパフォーマンスの要素も取り入れられることがあります。

スチールパイプのフレームと仮設的な展示壁で構成されたユニークな空間は、床の高低差や照明の使い分けにより、異なる雰囲気を生み出しています。オモテとウラをシームレスに味わえる場を目指し、あらゆる隙間から視線や気配が入り混じる相互干渉を、新しい鑑賞体験として提案しています。

Gallery 舞台裏の最新情報は、以下のInstagramアカウントでご確認いただけます。
Instagramアカウント

ArtStickerについて

ArtStickerアプリの画面

ArtStickerは、株式会社The Chain Museumが運営するアートプラットフォームです。アートに出会う機会と対話を楽しむ場所を提供し、アート鑑賞の「一連の体験をつなぐ」ことを目指しています。著名アーティストから注目の若手アーティストまで、インスタレーション、絵画、パフォーミングアーツなど多岐にわたる作品が幅広く収録されています。デジタル上だけでなく、リアルな場との出会いを通じて、アートやアーティストが世界と直接つながることを希求しています。

株式会社The Chain Museumについて

株式会社The Chain Museumは、代表取締役 遠山正道氏が率いる企業です。アートと社会をつなぐ様々な取り組みを展開しています。

森夕香氏が描く、身体と環境の境界が溶け合うような幻想的な世界を、ぜひ会場でご体験ください。生命の循環と繋がりを感じられる、心温まるひとときとなることでしょう。