井田幸昌 個展『ポイエシスの彼方』開催決定:天王洲の新アートスペース「Gallery 地動説」こけら落とし展

井田幸昌氏の新作シリーズ「ヌード」国内初披露

「Gallery 地動説」のこけら落としとなる本展では、国内外で高い評価を得る現代美術家・井田幸昌氏が新たな挑戦として取り組む、ヌードをテーマにした最新作シリーズが国内で初めて展示されます。

このヌードシリーズは、井田氏の創作における新たな転機を示す作品群です。これまで「Portrait」シリーズを通じて「人間の実存」と向き合ってきた井田氏は、近年、絵画の「抽象化」と「再構築」を繰り返す中で、表現の根源を問い直してきました。

戦争や身近な人の死、そして海外での差別的経験といった現実と向き合い、国籍や民族、文化的な背景といったあらゆる属性を取り払い、「人間そのもの」を見つめ直す視点にたどり着いたと伝えられています。写実から再出発するヌードというモチーフを通して、自身の絵画表現の原点を見つめ直した本シリーズは、井田幸昌氏の新たな創作の方向性を示す重要な試みです。

展覧会タイトルの「ポイエシス」は、古代ギリシャ語で「無から有を生み出す行為」を意味します。本展では、イメージの脱構築と再創造を繰り返してきた井田氏の新たな挑戦が紹介されます。

井田幸昌氏によるヌード作品

井田幸昌氏と南條史生氏のメッセージ

井田幸昌氏は、ロンドンでの制作活動や様々な国を巡る中で、芸術との向き合い方や作品との距離感が大きく変化したと述べています。その上で「私は、見たものしか描けない」という根源的な感覚を改めて強く感じたとのことです。

現代において誰もがポートレートを生み出せる時代が訪れたからこそ、身体を克明に写し取る行為へと立ち返り、目の前に存在する一人の人間と向き合い、その時間や呼吸、偶然の出会いを描き留めたいという思いが語られています。母国である日本で、この広大な世界で奇跡的に出会うことのできた人々を描いた作品群の一部を発表できることを心から喜んでいるとコメントしています。

井田幸昌氏のポートレート

また、南條史生氏は、井田氏の制作が「絵画とは何か、彫刻とは何か」という問いに対する回答の連鎖であり、それが「実存」の証であると評しています。人間の存在の記憶を結晶化させる井田氏の営為は、生きていることの意味を問い直すきっかけとなるでしょう。

「地動説」という名称は、世界の見方を根底から覆した思想に由来します。Gallery 地動説は、その精神を受け継ぎ、既存の価値観や美術史の常識にとらわれず、世界の見方を変える新しい視点と出会う場として始動します。

こけら落としとなる井田幸昌展では、「人間は何を残すことができるのか」という井田氏の一貫した問いに焦点を当てています。歴史上の人物、都市、風景、そして名もなき人々の肖像を描き続ける作品群は、単なる絵画に留まらず、時間や記憶、存在そのものを刻み込む行為として提示されます。一筆一筆に刻まれた絵具の痕跡は、過去と現在をつなぎ、鑑賞者の記憶や感情を呼び起こし、私たちが信じる世界の姿を揺さぶり、新たな視点へと導くと考えられています。

Gallery 地動説は、本展を出発点として、現代美術を「鑑賞する対象」としてだけでなく、「世界の見方を更新する体験」として提案していくことを目指しています。

井田幸昌トークイベント

会期中、井田幸昌氏によるトークイベントが開催される予定です。

  • 日程:2026年9月9日(水)

    • 詳細は決定次第、ウェブサイト等で告知されます。

開催概要

  • 展覧会名: 井田幸昌『ポイエシスの彼方』

  • 会期: 2026年8月4日(火)− 9月26日(土) 12:00-17:00

  • 休廊日: 日曜・月曜・祝日・8月9日(日)-17日(月)(夏季休廊)

  • 会場: Gallery 地動説(東京都品川区東品川2-6-4 G1ビル101)

  • アクセス:

  • 主催: エヌ・アンド・エー株式会社

  • 協力: ソニー・ミュージックエンタテインメント

  • ウェブサイト: 井田幸昌『ポイエシスの彼方』特設ページ

内覧会

8月4日(火)17:30-19:30に内覧会が開催され、作家在廊が予定されています。(12:00より開廊)

アーティストプロフィール

井田幸昌 | Yukimasa Ida

1990年鳥取県生まれの画家・現代美術家。2019年に東京藝術大学大学院油画を修了しました。2018年にはForbes JAPAN主催「30 UNDER 30 JAPAN」に選出され、2021年にはDiorによるアートプロジェクト「Lady Dior Art」#6に参加するなど、国際的な活躍を見せています。2022年には鳥取県文化奨励賞を受賞。同年、スペイン・マラガのピカソ生誕地ミュージアムにて、アジア人アーティストとして初めて招聘され個展を開催しました。2023年には米子市美術館および京都市京セラ美術館にて個展を開催するなど、国内外で継続的に作品を発表し続けています。