プロジェクト始動の背景:人口を上回る猫と離島特有の課題
愛媛県上島町魚島地区では、人口約60人に対して約80頭もの猫が確認されており、住民からは野良猫に関する苦情や相談が繰り返し寄せられていました。西日本アニマルアシストが実施した現地調査と住民アンケートでは、猫の繁殖による頭数増加や生活環境への影響が甚大である実態が明らかになりました。

魚島地区には動物病院がなく、また車両を島へ搬入できないため、不妊去勢手術などの繁殖対策を継続的に実施することが極めて困難な状況でした。この課題を解決するため、島民で構成された魚島地区地域猫活動の会が事業申請主体となり、魚島役場職員が事務局として地域との調整を担いながら、西日本アニマルアシストと連携して本プロジェクトを進めています。

「おの猫号」が離島へ:画期的な車両搬入と医療提供
本プロジェクトの大きな特徴は、移動手術車「おの猫号」を離島へ搬入する点にあります。魚島役場の協力を得て、住民の生活ごみを運搬するチャーター便を活用することで、通常は車両搬入が困難な離島での医療提供が可能となりました。これは国内でも初の試みとなる見込みです。

7月22日には資機材の搬入が始まり、7月25日・26日に猫の捕獲、7月27日・28日に3名の獣医師と愛玩動物看護師等で構成された獣医療チームによる不妊去勢手術が実施される予定です。この工程は、地域住民、魚島地区地域猫活動の会、魚島役場、西日本アニマルアシストがそれぞれの役割を担いながら進められます。

魚島から全国へ:離島の野良猫問題解決モデルの確立を目指して
西日本アニマルアシストは、この魚島地区での取り組みを、全国の動物病院がない多くの離島が抱える野良猫問題解決のための実証モデルとして位置付けています。不妊去勢手術に留まらず、手術後も継続して猫の生息数や地域への影響を調査・検証し、「離島で野良猫問題は解決できるのか」という社会実験としてその成果を発信していく方針です。
また、新たな猫の遺棄を防ぐため、魚島地区地域猫活動の会、魚島役場、漁業協同組合、島民、西日本アニマルアシストが連携し、旅客船や自家用船舶による猫の遺棄防止に向けた見守りや啓発活動にも取り組んでいきます。
特定非営利活動法人 西日本アニマルアシストについて
特定非営利活動法人 西日本アニマルアシストは、2013年9月2日に設立された団体です。野良猫不妊去勢手術、高齢者支援、地域支援、地域猫対策、移動手術車運営など、多岐にわたる事業を通じて、動物と人間が共生できる社会の実現を目指しています。
公式サイト:
https://n-animal-assist.net
