国の「ダブルスタンダード」に対する疑問
環境省は過去に、狩猟鳥獣から「ノネコ」を削除する検討の際、「野外の猫を飼い猫や地域猫と判別することは困難である」と認めていました。しかし、今回の「イエネコ」を防除推進外来種に指定する方針では、飼い猫も野良猫もすべて「イエネコ」という一つの種名で捉え、全国規模での防除を推進しようとしています。
どうぶつ基金は、同じ「区別できない」という事実から、一方では「だから狩猟対象から外す」とし、他方では「だから種名でまとめて防除する」という正反対の結論を導く国の姿勢を、明確な「ダブルスタンダード」であると指摘しています。
この矛盾が現実世界でどのような事態を招くかは、既に示されています。2023年には、広島県呉市で大学院生が猫を殺害・解体し、動画を公開する事件が発生しました。この学生は「ノネコだと思った」と供述しましたが、犠牲になったのは地域の人々が愛情を込めて見守り、世話をしていた地域猫でした。「ノネコ」という言葉が、命を奪う口実になりかねない事例です。
もし「イエネコ」が防除推進外来種に指定されれば、「自分は国の進める猫の防除に協力しただけだ」という新たな口実が生まれ、地域で世話されている猫たちが危険に晒されることにつながるかもしれません。猫の数の問題は、単に「防除」(取り除くこと)という考え方だけでは解決できないと、どうぶつ基金は訴えます。
人道的な解決策「TNR」と適正飼養の徹底を
どうぶつ基金は、動物愛護管理法に基づく適正飼養の徹底と、TNR(不妊去勢手術を行い、元の場所へ戻す活動)こそが、人にも猫にも優しい科学的な手法であり、猫の数を着実に減らすことができると確信しています。
環境省への要望
公益財団法人どうぶつ基金は、環境省に対し、「イエネコ」を防除推進外来種として扱う方針の撤回と見直しを強く求めています。また、猫の取り扱いに関する判断は、動物愛護の専門的知見と当事者を交えた場で、証拠に基づいて改めて議論されるべきだと訴えています。

署名と拡散への協力のお願い
どうぶつ基金は、引き続き署名を募集しています。一人ひとりの署名が、一頭でも多くの猫の命を守る力になると呼びかけ、SNSでの拡散への協力を求めています。
- 署名はこちらから:イエネコを「防除推進外来種」にしないよう、環境大臣に求めます
公益財団法人どうぶつ基金について

公益財団法人どうぶつ基金は、1988年の創設以来、猫をはじめとする動物の福祉と適正管理に一貫して取り組んできました。全国598の自治体と協働し、「さくらねこ無料不妊手術事業(TNR)」を実施。これまでに累計44万頭を超える野良猫や多頭飼育崩壊の猫に無料で不妊手術を行っています。同基金は環境省とも動物愛護管理の分野で連携し、35を超える自治体から表彰状や感謝状を受けています。
