IMAGICA GROUP オリジナル映画製作プロジェクト第2弾、関友太郎監督の『OUR SON』に決定!カンヌ国際映画祭で世界発表

カンヌ記者発表会レポート

2026年5月18日(月)にカンヌ ジャパンパビリオンにて記者発表会が開催され、続くガーデンパーティーはThe SCREEN Gardenで行われました。

記者発表会には、IMAGICA GROUP 代表取締役社長 社長執行役員 グループCEOの長瀬俊二郎氏、第2弾作品『OUR SON』の監督・脚本を務める関友太郎氏(株式会社ピクス)、プロデューサーのハンサングン氏(株式会社ピクス)が登壇しました。また、審査員として映画監督の石川慶氏、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの市山尚三氏、公益財団法人川喜多記念映画文化財団 常務理事の坂野ゆか氏も参加しました。

カンヌ記者発表会での登壇者たち

長瀬氏は、プロジェクト第1弾への大きな反響と、第2弾で石川慶監督を審査員に迎えられた喜びを語り、「引き続き、良い作品を世に送り出せるよう全力を尽くしてまいります」と意気込みを述べました。

石川慶監督は、本プロジェクトへの参加を光栄に感じているとし、関友太郎監督の作品について「映像の“形(フォーム)”の新しさに加え、強力なストーリーとキャラクターの魅力が備わっている」と高く評価しました。さらに「良い作品に仕上がれば、すぐにでも国際映画祭へ飛び立っていくポテンシャルを持った企画だと感じています」と期待を寄せました。

市山尚三氏は、今年の応募作品のレベルが大幅に向上し、国際映画祭への展開が期待できる企画が増えたことに言及。選考には時間を要したものの、最終的に関監督の企画が選出された経緯を説明しました。また、選ばれなかった企画の中にも「ぜひ実現させるべきだ」と思えるものが多数あり、日本のインディペンデント映画界の豊かな才能に触れる機会となったと語りました。

坂野ゆか氏も、関監督の過去の活動に触れつつ、今回選出された『OUR SON』の脚本や企画内容について「序盤から引き込まれ、不穏でスリリングな世界が展開されていた」と述べました。社会や倫理観の危うさを関監督ならではの視点で描いている点が高く評価され、「国際映画祭への出品および受賞」に対する高いポテンシャルを審査員一同が確信したと語りました。

第2弾作品『OUR SON』について

『OUR SON』は、関友太郎監督・脚本、ハンサングンプロデューサー(ともに株式会社ピクス)による作品です。

関友太郎監督のポートレート

関監督は、本作のアイデアがスマートフォンで偶然目にしたニュース記事から生まれたと明かしました。「精子提供で子供を産んだ女性が、その子に愛情を注げなかった」という記事から、「ざらっとした手触り」や「得体の知れないもの、恐怖を感じさせる表現」に惹かれ、企画を書き進めたと語っています。

プロデューサーのハンサングン氏は、関監督の「フィクションと現実のリアルな事象の融合」というテーマへの独自の着眼点に魅力を感じ、共に映画という形で表現したいと思ったと制作のきっかけを説明しました。「必ず素敵なストーリーを映像化してお届けしますので、ぜひ完成を楽しみにしていてください」とメッセージを送りました。

作品内容

水質研究者の妻・葉子と歯科医の夫・岳は、子宝に恵まれないという深い悩みを抱えていました。岳の実家からの無言の圧力と、男性不妊検査を拒む夫の態度に、葉子はAID(非配偶者間人工授精)で妊娠を目指すことを決意します。

葉子は医療機関を通さず、SNSで個人間の精子提供者を探し始めます。高学歴で夫に似た条件の室橋と出会い、ついに子を授かります。しかし、その後室橋の経歴がすべて嘘で、妻子ある外国籍の男だったという衝撃の事実が発覚します。

望んだはずの我が子を「冷たい泥」のような異物と感じるようになった葉子の精神は破綻し始めます。夫の岳が愛情を注いで育児をする中で、葉子は一線を越えた行動に出てしまいます。ある過ちを犯した後、葉子は岳のあまりに深い「父性」の正体を問い直します。「なぜ、自分を憎まないのか」という妻の問いに対し、岳が答えた言葉とは一体何でしょうか。

本作は、結婚相手ではない精子提供者を選ぶこと、そしてその結果生まれてきた子どもの運命、新たな生殖技術と人間が初めて対峙する際に生じる未経験の感情に迫る物語です。

ガーデンパーティー

記者会見後にはガーデンパーティーが開催され、登壇者たちはリラックスした雰囲気の中でそれぞれの思いを語り合いました。

カンヌでのガーデンパーティーの様子

長瀬氏は、IMAGICA GROUPの映画ビジネスのルーツにまつわる曾祖父のエピソードを披露。1910年にフランス・リヨンへ渡った曾祖父がフランス映画に魅了されたことが、日本の映画ビジネス参入の原点になったと語り、南仏という土地との深い縁を振り返りました。

石川慶監督は、日本映画界における「オリジナル作品」支援の重要性を熱弁し、「自分がデビューする時にあってほしかったと羨ましく思うほど、映画作家にとって極めて重要で不可欠なプロジェクトだ」と本プロジェクトの意義を称賛しました。関監督とハンサングンプロデューサーも、受賞作『OUR SON』の着想のきっかけや、世界へ挑む映画製作への熱い思いをそれぞれ語り、盛況のうちに幕を閉じました。

パーティーの様子はSCREEN internationalの18ページに掲載されています。
https://edition.pagesuite-professional.co.uk/html5/reader/production/default.aspx?pubname=&edid=7d45952f-7ff1-4ba7-b98c-78b6cf24da1e

登壇者プロフィール

関友太郎 (Yutaro Seki)

1987年神奈川県生まれ。東京芸術大学大学院映像研究科を卒業後、NHKドラマ番組部を経て、監督集団「5月」の映画・ドラマ作品の監督を務めました。2026年よりP.I.C.S.所属。
2014年には共同監督作『八芳園』がカンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に選出され、2018年『どちらを』も同部門で正式招待されました。2022年、初の長編映画『宮松と山下』がサンセバスチャン国際映画祭New Directors部門に正式招待。2025年、連続ドラマW『災』で民放連盟賞優秀賞を受賞し、長編2作目となる『災 劇場版』はサンセバスチャン国際映画祭コンペティション部門、釜山国際映画祭に正式招待されました。

ハンサングン (Sangkeun Han)

ハンサングン氏のポートレート
2011年P.I.C.S.入社後、アートディレクター/プランナーの経験を生かしTVCMやコンテンツ開発を中心に企画・プロデュースを手掛けています。2014年、Short Film『B級文化遺産』でFlorida Film Festival 最優秀短編外国語映画観客賞を受賞。2020年から続くNHK特集ドラマ『岸辺露伴は動かない』シリーズではギャラクシー賞テレビ部門2021年1月度月間賞を受賞。2023年公開の映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は第55回照明技術賞を受賞しました。2025年には映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が公開され、2026年公開の映画『ソニックビート』は「ファンタジア国際映画祭」の「Fragments d’Asie 2025」部門に正式出品されました。

長瀬俊二郎 (Shunjiro Nagase)

長瀬俊二郎氏のポートレート
株式会社IMAGICA GROUP 代表取締役社長 社長執行役員 グループCEO。上智大学経済学部卒業後、ITコンサルティング会社勤務等を経て、2012年に株式会社イマジカ・ロボットホールディングス(現:株式会社IMAGICA GROUP)に入社。2015年にMIT Sloan School(マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院)へ留学し、2017年から米国拠点グループ会社の経営に参画。2022年4月に株式会社ロボット代表取締役社長に就任後、2024年4月より株式会社IMAGICA GROUP代表取締役社長に就任しました(現職)。

石川慶氏 (Kei Ishikawa)

映画監督。ポーランド国立映画大学で演出を学び、2017年、『愚行録』で長編映画監督デビューし、同作はベネチア国際映画祭オリゾンティ部門に選出されました。以降、『蜜蜂と遠雷』『Arc アーク』『ある男』などを監督。『ある男』はベネチア国際映画祭オリゾンティ部門、釜山国際映画祭クロージング作品に選出され、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。最新作『遠い山なみの光』は2025年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に選出されました。

市山尚三氏 (Shozo Ichiyama)

市山尚三氏のポートレート
東京国際映画祭プログラミング・ディレクター。1963年生まれ。松竹、オフィス北野をベースに主に海外の映画作家の作品をプロデュース。主な作品にホウ・シャオシェン監督の『フラワーズ・オブ・シャンハイ』、ジャ・ジャンクー監督の『罪の手ざわり』などがあります。1992年から1999年まで東京国際映画祭の作品選定を担当し、2000年には映画祭「東京フィルメックス」を立ち上げディレクターを務めました。2019年、川喜多賞受賞。2021年、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターに就任。2024年より東京藝術大学大学院映像研究科教授。

坂野ゆか氏 (Yuka Sakano)

坂野ゆか氏のポートレート
公益財団法人川喜多記念映画文化財団 常務理事。慶応義塾大学文学部卒業。1998年、財団法人川喜多記念映画文化財団へ入職し、国際部門担当として日本映画の海外映画祭出品を後押しするべく活動。ハワイ国際映画祭、シンガポール国際映画祭など多くの国際映画祭審査員や、国内映画祭の審査員・アドバイザーを務めています。2020年6月より公益財団法人川喜多記念映画文化財団常務理事に就任しました。

会社概要

株式会社ピクス

P.I.C.S.のロゴ
P.I.C.S.は、2000年に音楽専門チャンネル「MTV」のクリエイティブ部門からスピンアウトして創業しました。音楽ビデオ、ライブ映像、CM、映画、ドラマ、アニメなど、ジャンルを問わずさまざまな映像・グラフィックの制作を手掛けています。また、ディレクターや脚本家、アニメーション作家など、多彩なクリエイターをマネジメント。商業施設や展示会でのインタラクティブコンテンツや空間演出、体験設計にも取り組み、独自のIP開発など新しい領域にも挑戦しています。
https://www.pics.tokyo/

株式会社IMAGICA GROUP

IMAGICA GROUPのロゴ
会社名:株式会社IMAGICA GROUP
本社:〒105-0022 東京都港区海岸1-14-2
代表者:代表取締役社長 社長執行役員グループCEO 長瀬俊二郎
設立:1974年6月10日(創業:1935年2月18日)
事業内容:映像コンテンツ事業、映像制作技術サービス事業、映像システム事業等を営むグループ会社の事業の統括。

IMAGICA GROUPは、映像の企画から制作、映像編集、配信・流通向けサービスに至るまでを、グローバルにワンストップで提供し、エンタテインメントに限らず、産業や医療、さらには学術研究などの幅広い分野へも、映像技術を活用した高品質な製品・サービスを提供しています。
https://www.imagicagroup.co.jp/