対馬から世界へ、海洋プラスチックごみをアートで価値ある資源へ転換する「対馬WAVEプロジェクト」始動

なぜ、対馬が舞台なのか

対馬は「日本一海ごみが流れ着く島」として知られています。対馬市の報告によれば、年間約4万㎥(25mプール約100杯分)もの海洋ごみが海岸に漂着しています。年間約2.8億円の予算と国の補助金が投じられても、回収・処理できるのは全体の約3割に留まり、構造的な課題を抱えています。

漂着ごみの約7割は、海を越えて流れ着いた海外由来の「越境ごみ」です。ペットボトル調査では、約6割が海外からのものでした。対馬を訪れる観光客の多くが韓国をはじめとする海外からの来訪者であることから、訪れた人々が「自国にもつながる海の課題」と出会う、世界的にも稀有な島であると言えます。

海岸のゴミ

ゴミで覆われた岩場

男性がゴミを調べている

人物がブイを持つゴミの山

海洋プラスチックごみがパブリックアートに

本プロジェクトでは、対馬産100%の海洋プラスチックごみを用いて、国際水準のパブリックアートを制作し、対馬の港に設置する予定です。アート制作の監修は、国内外で注目されるアーティスト、中村人形 四代目・中村弘峰氏が務めます。中村氏は曾祖母が対馬出身という縁があり、対馬の海と素材に深く向き合うことを決意し、プロジェクトに参画しています。

中村氏と作品

この取り組みは、海洋ごみを単なる「回収・処分」の対象としてではなく、「対馬発の素材」として捉え直し、廃棄物をより価値の高いプロダクトへと生まれ変わらせる「アップサイクル」の発想に基づいています。素材化の技術支援とプロセス設計には、プラスチックのアップサイクルに取り組むムツミ工業とPrecious Plastic唐津が協力しています。これにより、ごみは新たな価値を獲得し、環境保全と地域活性化に繋がる唯一無二の循環型社会を目指します。

動物フィギュア

リサイクルプラスチックボード

関係者のコメント

対馬市長の比田勝 尚喜氏は、「対馬が抱える海の課題を、島を訪れる方々や都市の生活者とともに考える『創造の回路』へと変えていく挑戦です」とコメントしています。

株式会社博多大丸 代表取締役社長の村本 光児氏は、「深刻な海洋ゴミを中村弘峰先生の手でアートに作り替えていただくことで、全国の皆さんに海の現状と、これからどういう行動をしないといけないのかを考えていただく一助になればと思います」と期待を寄せています。

中村人形 四代目の中村 弘峰氏は、「対馬の海洋プラスチックごみは、世界中の海が抱える汚染の『氷山の一角』でもあります。私の曽祖母は対馬の人でした。この島のためにできることを、少しでも形にできたならと願い、このプロジェクトに参加させていただきます」と、故郷への深い思いを語っています。

みんなで起こす、新しい波「WAVE」

現在、世界中の海には、私たちの暮らしから生まれた膨大な量のごみが漂流し、深刻な環境課題となっています。対馬WAVEプロジェクトは、この現実を「誰かの問題」としてではなく、すべての人が自分事として共に考え、共に動き出すきっかけにしたいという想いから生まれました。

プロジェクト名「WAVE」には、海の「波」だけでなく、人と人がつながる「輪」、そして小さな行動が大きなうねりとなって広がっていくことへの願いが込められています。海をきれいにするだけでなく、学び、伝え、関わる人を増やし、次の世代へつないでいくことを目指しています。「一人ひとりの小さな一歩が、やがて大きな波になる」というメッセージと共に、対馬から未来へ向けた新しい波を起こしていきます。

本プロジェクトの円滑な運営と関係者間の連携強化のため、「対馬WAVEプロジェクト事務局」が設置されています。事務局では、プロジェクトの進行管理や情報発信などを行い、対馬の魅力発信および地域活性化に向けた取り組みを推進してまいります。

このプロジェクトにご賛同いただき、お力添えいただける企業・個人・組織の輪が、さらに広がっていくことを心から願っております。

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