「書のまち福山」を彩るかな書の世界:夏の所蔵品展1「備後ゆかりの書家たち―かな」開催

「書のまち福山」を彩るかな書の世界:夏の所蔵品展1「備後ゆかりの書家たち―かな」開催

広島県福山市は、「書のまち」として全国に知られる文化豊かな地域です。この度、ふくやま書道美術館にて、備後地方ゆかりのかな書家たちの功績と作品に焦点を当てた「夏の所蔵品展1 備後ゆかりの書家たち―かな」が開催されます。

夏の所蔵品展 I 備後ゆかりの書家たち ―かな

展覧会概要

本展は、以下の日程と場所で開催されます。書の愛好家の方々はもちろん、日本の伝統文化に関心のある方々にも、ぜひ足をお運びいただきたい展覧会です。

  • 展覧会名: 夏の所蔵品展1「備後ゆかりの書家たち―かな」

  • 会期: 2026年5月12日(火曜日)~ 6月13日(土曜日)

  • 開館時間: 午前9時30分~午後5時

  • 休館日: 月曜日

  • 会場: ふくやま書道美術館 常設展示室と展示室

  • 観覧料: 一般150円(120円)、高校生以下無料

    • ※( )内は有料20名以上の団体料金

福山における書道の歴史とかな書家たちの功績

福山市は、漢字・かな・前衛書家が活躍する、書道が大変盛んな地域です。この地の書道文化の礎を築いたのは、福山市名誉市民でもあるかな書家、桑田笹舟(くわた ささふね)氏です。戦後まもなくから書の普及に尽力し、現在の「書のまちふくやま」の発展に大きく貢献しました。

笹舟氏の教えを受けた浮乗水郷(うきしろ すいごう)氏、吹抜溪風(ふきぬき けいふう)氏(誠之館高校)、高尾泉石(たかお せんせき)氏(府中高校)といった子弟たちも、若手の書家や書道教育者の育成に力を注ぎました。彼らは当時、日本の中央書壇で活躍していた村上三島(むらかみ さんとう)氏(漢字書家)、宮本竹逕(みやもと ちっけい)氏(かな書家)、宇野雪村(うの せっそん)氏(前衛書家)といった40代の書家を講師として招き、書の講習会や錬成会を積極的に開催しました。

これらの取り組みを契機として、当時20代だった桑田三舟(くわた さんしゅう)氏(かな)、栗原蘆水(くりはら ろすい)氏(漢字)、大楽華雪(だいらく かせつ)氏(前衛)といった新たな才能が育っていきました。これらの作家たちは、中央書壇での活躍と並行して、地元備後地方でも書家や教育者の育成に尽力しました。

その結果、中室水穂(なかむろ すいほ)氏(かな)や石永甲峰(いしなが こうほう)氏(漢字)をはじめとする、数多くの漢字、かな、前衛の書家がこの地から輩出されることとなりました。

展示作品の一部

本展では、備後福山にゆかりのあるかな書家たちの作品が展示されます。繊細で優美なかな書の世界を間近でご覧いただけます。

和歌の書道作品
金箔地の書道作品
枕草子の一節
「風」の文字と流麗な筆致

なお、この展覧会は2期に分けて開催されており、春の所蔵品展では漢字書家が、そして今回の夏の所蔵品展1ではかな書家が紹介されます。それぞれの展覧会を通じて、備後福山の豊かな書道文化を深く感じ取ることができるでしょう。

福山市について

福山市は、瀬戸内海沿岸のほぼ中央、広島県の東南部に位置する、人口約45万人の拠点都市です。高速道路網へのアクセスが良く、新幹線「のぞみ」も停車するなど、交通の便に恵まれています。

このまちには、四季折々の美しい自然、温暖な気候、そして海・山・川からの豊かな恵みがあります。100万本のばらが咲き誇る「ばらのまち」としても知られ、2025年には世界バラ会議福山大会が開催されました。

また、潮待ちの港として栄え、日本遺産にも認定された景勝地「鞆の浦」や、JR福山駅の新幹線ホームからも見える「福山城」(2022年に築城400年を迎えました)、二つの国宝を有する寺院「明王院」など、多くの名所があります。

産業面では、鉄鋼業や繊維産業といった多様な製造業が集積し、「ものづくりのまち」として発展してきました。特にデニム生地は、その高い品質が世界のハイブランドにも活用され、国際的にも評価されています。