北九州市が「地域コミュニティ創成元年」を始動!持続可能な共助社会の実現へ

「課題先進都市」北九州市が挑む背景

北九州市は、かつて公害克服や安全・安心なまちづくりに地域、企業、行政が一丸となって取り組んできた歴史を持っています。この過程で、自助・共助の力が根付いた「住民自治の土台」が築かれ、「人情大都市」へと発展してきました。また、都会と自然の多様な地域特性を併せ持ち、日本の人口の約100分の1の規模であることから、「日本の100分の1モデル」とも言える都市です。

課題先進都市・北九州市が挑む

地域コミュニティをめぐる課題は全国共通であり、北九州市での実践は、その解決に向けた先進的なモデルとなる可能性を秘めています。この挑戦は、人口減少社会における新たな価値観を先取りし、北九州市の魅力を形づくる基盤となると考えられています。

ビジョン策定にあたっては、地域・企業・大学・NPO・若者など多様な主体による検討会議(5回)、地域団体等へのヒアリング・意見交換(延べ140回以上)、子育て世代を中心としたアンケート(約6,000人回答)を通じて、幅広い意見が丁寧に集約されました。

目指す将来像:「共助が働きやすいまち(Mutual City)」

これらの意見を踏まえ、北九州市が目指す地域コミュニティの将来像は、「共助が働きやすいまち(Mutual city)――人と想いが交わり、利他が息づく、サステナブルな地域コミュニティ――」です。

地域の多様な課題に対応するためには、自助・共助・公助が適切なバランスで連携し、時には重なり合いながら役割を果たすことが不可欠です。この共助の基盤となるのが地域コミュニティであり、皆が参加し、皆で担うことで、柔軟で力強いコミュニティを育み、「共助が働きやすいまち」を実現していきます。

地域コミュニティの「リ・デザイン」3つの視点

将来像の実現に向けて、地域コミュニティのあり方を時代に合わせて見直す「リ・デザイン」を以下の3つの視点から進めます。

  • 「楽しさ」「興味」「やりがい」の重視: 地域活動を義務ではなく、「楽しそう」「関わりたい」という気持ちを入口とし、自分の関わりが誰かの役に立っている実感を得ることで、継続的な参加とやりがいにつなげていきます。

  • 多様な主体との協働の促進: 企業、大学、NPO、学校、若者など多様な主体が関わり、それぞれの強みを活かして協働することで、地域課題への対応力と地域コミュニティそのものの魅力を高めます。

  • より一層自律的・能動的な運営へ: 人と人とのつながりや地域の安全・安心といった重要な役割を維持しながらも、今後、地域で何が必要か、何を継続するのかを、自主的・自律的に見直し、必要な資源が安定的に確保できる環境を整えます。

令和8年度の取り組み(3ステップ)

令和8年度は、以下の3段階で施策を展開します。

Step1:推進体制の構築

庁内に「ビジョン推進本部(仮称)」を設置し、地域コミュニティの様々な課題を部局横断的に検討します。また、京都大学名誉教授の広井良典氏と北九州市立大学教授の松永裕己氏をアドバイザーに迎え、専門的な助言を得ながら推進します。

ビジョン実現に向けた推進体制

Step2:地域の現状・課題の可視化

「地域カルテプロジェクト」では、データ収集やヒアリングを通じて、地域の現状、課題、住民の想いを見える化します。さらに、「次の10年地域づくり先行モデルプロジェクト」を通じて、現状把握から課題解決までをつなげる新たなモデルを模索します。

地域の現状・課題の整理

Step3:地域での実践プロジェクト

具体的な実践プロジェクトとして、以下の3つが展開されます。

  • ケイケン・タカラプロジェクト: シニア世代の豊かな経験を次世代へとつなぐ「登録制度」を創設し、地域活動等でその経験を発揮できる場を提供します。

  • まちの縁側・リビングプロジェクト: 誰もが気軽に立ち寄れる「居場所(サードプレイス)」を創出します。

  • 地域のチカラつなぐプロジェクト: デジタル技術を活用した助け合いの仕組みや、地域情報のスムーズな伝達・共有に関する調査研究を進めます。

ケイケン・タカラ・プロジェクト

今後の展望

北九州市は、地域コミュニティの課題を「価値」に転換し、全国に先駆けたモデルを創出する「フロントランナー」を目指しています。令和8年度を地域コミュニティの再生と改革に向けたスタート地点と位置づけ、「共助が働きやすいまち(Mutual City)」の実現に向けた取り組みを進めていくことでしょう。

なお、「地域コミュニティビジョン(素案)」について、広く市民意見を反映するため、パブリックコメントが令和8年4月28日から開始されます。詳細は北九州市ホームページをご覧ください。