最新情報を提供します

作家・阿部和重氏の32年間の思考を凝縮した『阿部和重覚書 1990年代-2020年代』が3月27日に発売

孤高の作家が歩んだ32年間の軌跡

阿部和重氏は1994年のデビュー作「アメリカの夜」以来、『シンセミア』や『グランド・フィナーレ』、『ピストルズ』など、数々の文学賞を受賞し、現代日本文学史において重要な作品を発表してきました。現実社会と物語の間に生じる歪みを深く見つめ、その危うさの中に生きる人間の純粋さを描き出す姿勢は、多くの読者を魅了しています。

本書は、阿部氏がデビューから現在に至るまで、新聞、週刊誌、文芸誌、ファッション誌、映画雑誌、パンフレット、文庫解説、ウェブマガジンなど、多岐にわたる媒体で執筆した全157篇の文章を集成したものです。原稿用紙にして1,300枚にもおよぶ膨大なテキストは、氏の思考の深さと広がりを物語っています。

多彩なテーマが織りなす思考の世界

『阿部和重覚書 1990年代-2020年代』では、映画、文学、漫画、音楽、アイドル、アメリカ、そして社会で起きた様々な事件報道まで、幅広いテーマが扱われています。特に注目されるのは、「物語はどのように現実を形づくるのか」「現実はどのように物語化されるのか」という問いが繰り返し提示されている点です。

本書の目次からは、以下のような多様な視点からの考察が垣間見えます。

  • 創作について: 自身の作品に対する深い洞察や、創作の過程における思考が綴られています。

  • 現代映画と疑似ドキュメンタリー問題: 映画における「リアリティー」の追求や、ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ、ヴィム・ヴェンダース、ゴダール、黒沢清、青山真治といった国内外の監督作品への言及があります。

  • 漫画覚書: あだち充作品や『頭文字(イニシャル)D』、『監獄学園(プリズンスクール)』など、漫画文化に対する独自の視点が展開されます。

  • 文学者への追悼と考察: 大江健三郎、蓮實重彥、中上健次、大西巨人、後藤明生、谷崎潤一郎といった文学界の巨匠たちへの敬意と、その作品への綿密な分析が収められています。

  • アイドルとアディクション: 現代社会における現象や、個人の内面に深く切り込むテーマも含まれています。

  • DIARYと災禍、COVID-19: 日記形式で綴られた同時代への記録や、社会的な出来事に対する阿部氏の思索が読めます。

これらの多角的な視点から展開される思索は、私たちが生きる「いま」を理解するための貴重な知見を与えてくれるでしょう。情報が氾濫し、分断が進む現代において、確かな思考の記録として、本書は切実な意味を持つと言えるでしょう。

装丁は、デビュー当時からの盟友であるグラフィックデザイナーの常盤響氏が手掛けています。

書誌情報

  • 書名:阿部和重覚書 1990年代-2020年代

  • 著者:阿部和重

  • 仕様:46判変形/上装/736ページ

  • 発売⽇:2026年3⽉27日

  • 税込定価:4,950円(本体4,500 円)

  • ISBN:978-4-309-03255-9

  • 装丁:常盤響

詳細については、河出書房新社のウェブサイトをご覧ください。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309032559/

関連記事

  1. 「ことのは文庫 ねこの日 肉球フェア」開催!猫が登場する小説で癒しのひとときを

  2. 実績・コネ・学歴不問!『書く人生のはじめかた』が示す、“書き続ける”ための心構え

  3. 【全文公開】「老後」という概念を解体する。游藝舎、新刊『生涯現役』が本日発売。リスキリングの先にある「死ぬまで挑戦し続ける」不屈の挑戦哲学。著者・五頭岳夫が投じる一石。

  4. 伝説的シリーズ「攻殻機動隊」を大特集! 表紙の草薙素子が目印の「芸術新潮」2026年2月号は、26年1月23日発売

  5. 『東海ウォーカー2026春』が発売!無料&格安ドライブや最新パン、いちごスイーツなど春の魅力が満載

  6. 猫好き必見!本から飛び出す〈猫しおり〉がもらえる「猫の日おすすめ文庫フェア」全国書店で順次開催

  7. 蜜猫文庫12周年記念フェア開催!書き下ろしSS付きポストカードをプレゼント

  8. 小説投稿サイト「カクヨム」で大人気の猫エッセイ『猫と私』、待望の書籍化が決定!

  9. 謎を解くと失恋する新感覚ミステリ!阿津川辰海さんの最新作『犯人はキミが好きなひと』2月4日発売

  10. 眠る前に開きたくなる一冊。『夜が明けるとき猫がそばにいれば』が書籍化

  11. AI搭載小説投稿サイトCaitaとしまうまプリントが「しまうま出版賞」を開催、受賞者には賞金と作品の製本を進呈

  12. 自己肯定感の第一人者・中島輝氏の著書『愛をつくる技術』が紀伊國屋書店新宿本店で週間ランキング5位にランクイン、発売1ヶ月で異例の再加速

  13. 創刊69周年記念『家庭画報 3月号』が1月30日に発売

  14. 徳間文庫2月新刊が話題作揃い!篠綾子新シリーズ、大藪賞候補作、京都エッセイなど

  15. 著書累計140万部超の井上裕之氏による新刊『一流の継続力』が発売

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気記事トップ10

カテゴリー
最近の投稿