現代中国の怪物作家・閻連科氏の『聊斎本紀』が第十二回日本翻訳大賞を受賞し待望の重版!

『聊斎本紀』とは

『聊斎本紀』は、中国古典として名高い怪異短篇集『聊斎志異』を大胆に再構築した幻想文学です。皇帝と天下一の絵師の物語を軸に、人間の心臓を食べる妖怪、孔子の末裔と蘭の香りに包まれた三姉妹、富をもたらす酒の虫、人間と狐の愛欲の日々といった、異界と現実が混淆し逆転する壮大な物語が描かれています。現代中国社会の矛盾を鋭く描き続ける閻連科氏の、新たな境地を開いた作品として注目を集めています。

翻訳を手がけた谷川毅氏は、長年にわたり閻連科作品を日本に紹介してきた翻訳家であり、その精緻な訳文によって、本作の濃密な世界観を鮮やかに伝えています。

受賞と反響

ノーベル文学賞の有力候補としても知られる閻連科氏は、中国社会の不条理を鋭く描き続け、たび重なる発禁処分を受けながらも世界での評価を確立してきました。本作は2025年4月の刊行時から、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞、雑誌ダ・ヴィンチなど、多数のメディアで書評が掲載され、大きな話題となりました。読者からは「新境地の大傑作!」「中国文学の新たな到達点」といった声が寄せられています。

受賞記念エッセイを期間限定公開

今回の受賞を記念し、本書の初版限定特典として封入されていた著者エッセイ「情趣と妄想と芥川龍之介 ――日本の読者の皆様へ」が、1か月の期間限定でウェブ河出にて公開されています。閻連科氏の創作の源である「妄想」について語られた貴重なエッセイを、この機会にぜひお楽しみください。

公開エッセイはこちらからご覧いただけます。
https://web.kawade.co.jp/column/233618/

日本翻訳大賞について

日本翻訳大賞は、「読者と翻訳者のために、もっと開かれた翻訳の賞をつくりたい」という思いから、2014年に翻訳家・西崎憲氏とゲームクリエイター・米光一成氏の賛同によって設立されました。選考委員は翻訳家の岸本佐知子氏、斎藤真理子氏、柴田元幸氏、西崎憲氏、松永美穂氏が務め、今回はゲスト選考委員として木原善彦氏も参加しています。

翻訳家だけでなく、その愛読者や関係者たちの祭典として12年間愛され続け、世界有数とされる日本の翻訳文化の発展に貢献しています。

第十二回日本翻訳大賞の詳細は、公式サイトでご確認いただけます。
https://besttranslationaward.wordpress.com/

著者・訳者プロフィール

著者:閻連科(えん・れんか)

閻連科氏

1958年中国河南省の貧しい農村に生まれ、80年代末から小説を発表。中国で「狂想現実主義」と称される独自の作風で知られ、『愉楽』で老舎文学賞を受賞しました。しかし、軍人の欲望やエイズ村、大飢饉の内幕を描いた作品は、たびたび発禁処分や販売中止処分を受けています。近年はノーベル文学賞の候補としても名前が挙がる、現代中国文学を代表する作家です。

訳者:谷川 毅(たにかわ・つよし)

1959年生まれ。名古屋経済大学名誉教授。閻連科氏の作品を多数翻訳しており、『愉楽』『黒い豚の毛、白い豚の毛』『丁庄の夢』『硬きこと水のごとし』『年月日』『人民に奉仕する』『太陽が死んだ日』などがあります。

書誌情報

聊斎本紀 書籍カバー

  • 書名:聊斎本紀(りょうさいほんぎ)

  • 著者:閻連科

  • 訳者:谷川毅

  • 仕様:四六変型判/並製/456ページ

  • 発売日:2025年5月27日

  • 重版出来日:2026年6月8日

  • 税込定価:5,280円(本体4,800円)

  • ISBN:978-4-309-20925-8

  • URLhttps://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309209258/

電子書籍も2026年6月中に発売予定です。詳細は各電子書籍サイトでご確認ください。