世界が注目する監督と原作
本作の監督は、第46回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む最多8部門を受賞した『ある男』を手がけた石川慶氏です。原作は、「わたしを離さないで」で知られるカズオ・イシグロ氏の同名小説。その映像化は、昨年の第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品されたほか、カナダのトロント国際映画祭(TIFF)、BFIロンドン映画祭、上海国際映画祭など、数多くの海外映画祭でプレミア公開され、高い評価を得ています。特に、「記憶の曖昧さ」という原作テーマを映像、演出、音楽、撮影といった技術面で見事に表現している点が注目されました。

広瀬すずが記憶の秘密を演じる
主演は、数々の国内映画賞を席巻中の広瀬すずさんです。彼女は、1950年代の復興期、世の中の価値観が大きく変わる激動の時代に、夫・二郎との間に新しい命を宿しながらも、一人の女性として葛藤する長崎時代の主人公・悦子を熱演しました。この演技により、第17回TAMA映画賞で最優秀女優賞、第47回ヨコハマ映画祭で主演女優賞、第38回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で主演女優賞、第49回日本アカデミー賞で優秀主演女優賞を受賞しています。

悦子が長崎で出会う謎多き女性・佐知子役には二階堂ふみさん、1980年代のイギリス編の悦子役には吉田羊さんが出演。その他にも、松下洸平さん、柴田理恵さん、渡辺大知さん、三浦友和さんといった実力派俳優陣が名を連ねています。

物語のあらすじ
日本人の母とイギリス人の父を持つニキは、大学を中退して作家を目指しています。彼女は、戦後長崎から渡英してきた母・悦子の半生を作品にしたいと考えます。娘に乞われ、口を閉ざしてきた過去の記憶を語り始める悦子。それは、戦後復興期の活気あふれる長崎で出会った、佐知子という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出でした。初めて聞く母の話に心揺さぶられるニキでしたが、何かがおかしいと感じ始めます。彼女は悦子の語る物語に秘められた<嘘>に気づき始め、やがて思いがけない真実にたどり着くことになります。

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