全国でわずか2.5%の高級老人ホーム
調査によると、「みんなの介護」に掲載されている全国59,529件の介護施設のうち、高級老人ホームに該当するのはわずか1,494件で、全体の2.5%に過ぎません。この数字は、高級老人ホームが特定のニーズに応える限られた選択肢であることを示しています。
都道府県別で際立つ東京都の存在
高級老人ホームの該当率を都道府県別に見ると、地域による大きな偏りがあることが分かります。

最も高い該当率を示したのは東京都で12.2%(404件)となり、2位の神奈川県5.6%(172件)を2倍以上も引き離しています。上位10県は、首都圏や近畿圏を中心とした大都市部が占める結果となりました。
高級老人ホームの該当率が高い都道府県ランキング(上位10県)
- 東京都:12.2%(404件)
- 神奈川県:5.6%(172件)
- 兵庫県:3.6%(76件)
- 大阪府:3.1%(126件)
- 埼玉県:2.8%(69件)
- 千葉県:2.7%(62件)
- 京都府:2.7%(24件)
- 奈良県:2.7%(16件)
- 群馬県:2.3%(32件)
- 愛知県:2.3%(66件)
一方、最も該当率が低かったのは福井県、青森県、長崎県、高知県の4県で、いずれも0.5%にとどまりました。東京都との差は11.7ポイントにも上り、地域間の大きな格差が浮き彫りになっています。
該当率が低い都道府県(下位5県)
- 岩手県:0.7%(6件)
- 福井県:0.5%(2件)
- 青森県:0.5%(5件)
- 長崎県:0.5%(5件)
- 高知県:0.5%(2件)
この地域差は、施設の所在地の地価や所得水準を反映した価格戦略の違いによるものと考えられています。入居後のケアの質を直接示すものではないことに留意が必要です。
施設種別に見る高級路線の集中
施設種別ごとに高級老人ホームの該当率を見ると、特定の施設種別に集中していることが分かります。

介護付き有料老人ホームが21.6%(990件)と突出して高く、サービス付き高齢者向け住宅(2.4%)や住宅型有料老人ホーム(2.2%)を大きく上回ります。公的な介護保険施設である特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、該当率がほぼ0%でした。
これは、介護付き有料老人ホームが月額費用の設定に施設側の裁量が大きい民間運営施設である一方、特別養護老人ホームや介護老人保健施設が公的な運営基準の下にある介護保険施設であるという、制度上の違いを反映していると分析されています。
調査結果から見えてくること
今回の調査結果は、高級老人ホームが介護サービス市場においてどのような位置づけにあるのか、またどのような構造的背景があるのかを理解する上で貴重な情報を提供しています。
「みんなの介護研究所」の研究員は、高級老人ホームが民間運営の介護付き有料老人ホームに集中する背景には、価格設定の自由度という制度上の構造があると指摘しています。また、東京都での突出した集中は、高所得層の入居需要が大都市圏に集まっていることが一因であると推測されています。ただし、「高級」の基準は施設ごとの月額費用や設備水準によって幅があるため、この調査の指標だけでサービスの品質を判断することはできないと注意を促しています。
入居を検討する際には、「高級」という言葉の基準が施設ごとに異なることを理解し、費用の内訳(月額費用、入居時費用、その他諸費用)とサービス内容を具体的に確認することが大切です。
調査概要
-
調査実施日: 2026年8月10日
-
調査対象サイト: 「みんなの介護」
-
掲載施設数(2026年8月10日時点・公開値): 59,529件
-
調査対象: 上記掲載施設数59,529件の介護施設
-
調査機関: みんなの介護研究所(株式会社クーリエ)
-
調査手法: 自社掲載データベースの全件集計
-
算出方法: 全国に所在する高級老人ホームの数を都道府県別・施設種別別に集計(高級老人ホーム件数/掲載施設数で該当率を算出。「高級」は施設ページに掲載された価格帯区分に基づく施設側の申告情報)
