熊の出没増加に対応する新しいAIデバイス
近年、全国各地で熊の出没が増え、人身被害や農林業への影響が深刻な社会課題となっています。これまでの野生動物監視にはトレイルカメラやクラウドカメラが用いられてきましたが、検知距離の限界、高い電力消費、そして長時間の映像確認といった運用上の課題がありました。
こうした状況に対し、FutuRocket株式会社は、エッジAIを搭載した「熊検知AIデバイス」を開発しました。このシステムは、熊をはじめとする大型野生動物の検知精度を高め、運用負担を軽減することを目指しています。
奥多摩で始まる実証実験
2026年7月14日より、東京都奥多摩地域の森林で、この熊検知AIデバイスの実証実験が始まりました。日建リース工業株式会社からの委託を受け、FutuRocket株式会社が開発と実証を担当しています。
当初1台から始まった設置は、7月29日には3台に増設されました。この実証では、以下の点が重点的に検証されます。
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大型野生動物の検知性能
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山林環境におけるAIの動作性能
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ソーラー電源による長期間運用
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クラウド連携による遠隔監視の有効性
システムの主な特長
この熊検知AIデバイスには、野生動物監視をより効率的かつ効果的にするためのいくつかの特長があります。
1. エッジAIによるリアルタイム画像認識
本システムは、カメラ映像をエッジAIがリアルタイムで解析し、熊や鹿などの大型野生動物を常時検知します。従来の赤外線センサーによる動体検知では難しかった遠距離からの撮影も可能になり、事前検証では約20m離れた位置の熊を検知できることが確認されています。検知された画像は1分ごとにクラウドへ自動で保存・整理されるため、遠隔地からでも現場の状況を詳細に把握できます。
2. 現場画像の即時確認と自動整理
AIが動物を検知すると、利用者は通知を受け取るだけでなく、実際に撮影された静止画像をすぐに遠隔で確認できます。これにより、現場に足を運ぶことなく、熊が何頭いるのか、どちらへ移動したのかといった具体的な状況を画像で確認することが可能です。画像は動物種別や日付ごとに自動整理され、Google DriveやAWSなどの各種クラウドサービスへの保存にも対応しています。
3. 動画確認作業の大幅な削減
従来の監視方法では、膨大な量の動画や画像を人間が確認する必要があり、多くの時間と労力がかかっていました。このシステムでは、AIが解析し、熊などを検知した画像のみを自動で整理するため、必要な情報だけを効率的に確認できるようになります。これにより、野生動物監視業務における運用負荷が大きく軽減されることが期待されます。
4. ソーラー電源による長期間運用
山間部では商用電源の確保が難しい場所が多くあります。このデバイスはソーラーパネルと蓄電池を組み合わせることで、電源工事なしでの運用を実現しています。梅雨時期の初期検証では、約2週間稼働した後もバッテリー残量に十分な余裕があったとのことです。今後の実証では、数か月から通年での無給電運用が可能かどうかも検証される予定です。

今後の展望
FutuRocket株式会社は、今回の実証を通じて、熊の検知精度や長期間運用性能をさらに高めていく方針です。そして、林業関係者、研究機関、自治体、森林管理者など、幅広い分野での活用可能性を探ります。
将来的には、熊や鹿の検知機能の高度化に加え、イノシシなど他の大型野生動物への対応、さらには警告灯やサイレンとの連携といった機能拡充も進められることでしょう。AIによる検知、遠隔からのクラウド連携、そしてソーラー電源による長期間運用を組み合わせることで、山間部における野生動物監視がより効率的で優しいものになることが期待されます。
FutuRocket株式会社の活動については、以下のウェブサイトで詳細を確認できます。
https://futurocket.co
