写真家・瀧本幹也氏の軌跡
瀧本幹也氏は16歳で写真の世界に入り、広告写真、コマーシャルフィルム、映画など多岐にわたる分野で第一線での活躍を続けている写真家です。作家としても精力的に作品制作を行い、モンゴルの遊牧民を捉えた『MONGOLIAN TRIBE』(1997年)や、多様な海面の表情を写し出した『GRAIN OF LIGHT』(2014年)など、世界各地を舞台に独自の視点から作品を発表してきました。


代表作の一つである『LAND SPACE』(2011年)では、ケネディ宇宙センターのスペースシャトルと太古から続く地球の静謐な営みを対比させる壮大な構成が、多くの人々の話題を呼びました。また、コロナ禍をきっかけに、足元の草花や静寂に満ちた寺院に焦点を当てた『LUMIÈRE』『PRIÈRE』(2020年–2024年)にも取り組み、身近な存在へと視点を移すことで、これまでとは異なるスケール感を際立たせています。


本展の見どころ
国内の美術館では初となる、瀧本幹也氏の大規模個展となる本展では、海辺の街にある茅ヶ崎市美術館の特性を活かした展示が展開されます。特に注目されるのは新作『LUNATION 朔望』です。新月と満月がもたらす朔望を軸に、海の表情と天体の運動、水面に注ぐ微光から人類の生命へと思いを馳せる作品が披露されます。


また、本展のために茅ヶ崎で新たに撮影された、満月の光が水面に映し出す生命を彷彿とさせる写真や映像作品も発表されます。作品世界を深く味わえる図録も用意されており、フランス国立図書館 現代写真チーフ・キュレーターのエロイーズ・コネサ氏、東京都写真美術館 学芸員の伊藤貴弘氏による寄稿文とともに、瀧本作品の魅力が詰まった一冊をお届けします。
タイトル「朔望」に込められた意味
展覧会タイトルの「朔望(さくぼう)」とは、月が太陽と同じ方向にあり姿を消す「朔(新月)」と、太陽の反対側に位置して輝く「望(満月)」、その満ち欠けの周期を指します。月と太陽の引力が重なり、潮汐が織りなすリズムは、海辺の街に位置する茅ヶ崎市美術館において、ひときわ深い意味を持つことでしょう。瀧本氏が捉えた光景は、私たちの日々の営みのすぐ傍らに、厳然とした宇宙の法則が存在していることを思い出させてくれるはずです。
作家プロフィール

瀧本幹也 MIKIYA TAKIMOTO
1974年生まれ、愛知県出身の写真家。1998年に瀧本幹也写真事務所を設立し、広告写真、エディトリアル、作品制作、コマーシャルフィルム、映画など幅広い分野の撮影を手がけています。映画撮影では、是枝裕和監督作品『そして父になる』(2013年)でカンヌ国際映画祭コンペティション審査員賞、『海街diary』(2015年)で日本アカデミー賞最優秀撮影賞、『三度目の殺人』(2017年)でヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門を受賞するなど、国内外で多数の受賞歴があります。作品はメトロポリタン美術館(ニューヨーク)、フランス国立図書館BnF(パリ)、東京都写真美術館(東京)などに収蔵されています。
関連イベント
本展では、瀧本幹也氏の作品世界をより深く楽しむための様々な関連イベントが開催されます。
-
アーティストトーク
-
出演:瀧本幹也(写真家)
-
日時:2026年9月19日(土)、11月1日(日) 各日15:00-15:45
-
会場:茅ヶ崎市美術館展示室
-
料金:無料(要観覧券/事前申込不要)
-
-
写真ワークショップ「ポスターカレンダー作り」
-
講師:小林真梨子(写真家)
-
日時:2026年9月26日(土) ①10:30-12:30、② 14:30-16:30
-
会場:茅ヶ崎市美術館周辺と2階アトリエ
-
対象:①小学生(小学3年生以下は保護者同伴)、②中学生/高校生
-
定員:各回10名(事前申込制/先着順)
-
料金:500円
-
申込方法:9月2日(水)10:00より電話(0467-88-1177)または美術館受付にて開館時間内にお申込みください。
-
-
ゲストトーク「撮ること、見ること」
-
出演:伊藤貴弘(東京都写真美術館 学芸員)×瀧本幹也 (写真家)
-
日時:2026年10月12日(月祝) 14:00-15:30
-
会場:茅ヶ崎市美術館エントランスホール
-
定員:50名
-
料金:無料(申込不要/当日先着順)
-
-
ギャラリートーク
-
担当:藤川悠(茅ヶ崎市美術館学芸員)
-
日時:2026年9月27日(日)、 10月25日(日) 各日14:00-14:45
-
会場:茅ヶ崎市美術館展示室
-
料金:無料(要観覧券/事前申込不要)
-
開催概要
-
会期:2026年9月2日(水)-11月8日(日)
-
時間:10時-17時(入館は16時30分まで)
-
休館日:月曜日(9月21日、10月12日は開館)、9月24日(木)、10月13日(火)
-
会場:茅ヶ崎市美術館(〒253-0053 神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45)
-
観覧料:一般1,200円(1,100円)、大学生1,000円(900円)、市内在住65歳以上600円(500円)
-
高校生以下、障がい者およびその介護者は無料
-
( )内は前売り券および20名以上の団体料金、前売り券は9月1日(火)まで販売(休館日除く)
-
-
主催:茅ヶ崎市美術館(指定管理者:公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団)
-
助成:公益財団法人 花王芸術・科学財団、公益財団法人 朝日新聞文化財団
-
協賛:ギークピクチュアズ、blender、Headlight、AOI Pro.、サッポロビール、Sigma、TUGBOAT、大和ハウス工業、東北新社、NTT東日本、キヤノンマーケティングジャパン、サントリーホールディングス、スプーン、博報堂プロダクツ、LIGHT PUBLICITY
-
協力:アワガミファクトリー、開化堂、京菓匠 七條甘春堂、写真弘社、SUGA ART、トキ・コーポレーション、トップアート鎌倉、日東装備、フォトグラファーズ・ラボラトリー、富士フイルムイメージングシステムズ、ラスカ茅ヶ崎
-
会場構成:村山 圭/グラフィックデザイン:中島雄太(YUTA Design Studio)/ワークショップ:小林真梨子
展覧会の詳細は、以下のページでご確認ください。
