「ARTS&PEACE」に込められた想い
本プロジェクトのメインテーマは「ARTS&PEACE」です。世界中の人々が互いの文化芸術を尊重し合い、共に平和への道を歩んでいくという理想が込められています。
松本市は、北アルプスの山々に囲まれた山岳都市であり、国宝・松本城を中心に、音楽、工芸、演劇、食文化など、多様な芸術文化が日常に息づく「三ガク都」として知られています。
今回の開幕は、行政主導のイベントにとどまらず、市民、学生、アーティスト、商店街、文化団体、観光事業者など、まち全体が一体となって創り上げる「参加型プロジェクト」の出発点となります。
「文化による地方創生」が全国的なテーマとなる中、松本市は、日常的な暮らしの中で文化芸術に触れ親しむ機会が生まれるまちづくりを目指しています。観光誘客だけでなく、地域アイデンティティの再発見、次世代育成、国際交流を視野に入れた総合文化戦略として展開される予定です。
開幕イベントで賑わった松本のまち
2026年5月17日に開催された開幕イベントでは、松本城周辺や中心市街地が舞台となり、多彩な文化プログラムが繰り広げられました。
中心市街地では「East Asia Street(イーストアジアストリート)」が開催され、和文化を象徴する太鼓の演奏や、日中韓の伝統文化パフォーマンスが披露されました。東アジアの文化を感じながら、伝統と現代、地域と世界、日常と芸術が交差する異文化交流の空間が広がりました。
また、開幕を記念して「祭り舞台」の展示も行われました。舞台保存会や町会の協力のもと、一般公募で選ばれた市民キャストと共に舞台が曳行され、8つの舞台が市街地を華やかに彩りました。
開幕にあたり、松本市ブランド大使の松重豊さんがトークセッションや開幕記念パレードに参加しました。パレードでは、松重さんのほか、2024年パリ五輪柔道金メダリストで松本市と縁の深い出口クリスタさんも旗手を務め、「ARTS&PEACE」のフラッグを開幕式典会場まで運びました。
この日は「市民和装デー」として、日本の伝統文化を再認識する機会となるよう、和装での来場が推奨されました。

イベントのハイライトは夕方からの式典です。18時より松本城本丸庭園で「開幕式典」が行われ、松重豊さんによる開幕宣言や、長野出身の『天々高々』による記念ライブが開催されました。歴史的な瞬間を多くの人々が共に迎えました。
当日は「イーストアジアストリート」に延べ2万人、「開幕式典」には約1千人の来場者があり、会場運営や案内、パフォーマンス参加など、幅広い世代が関わりました。その市民参加の熱量は、「行政イベント」ではなく「市民が育てる文化都市」であることを象徴する開幕となりました。

2026年を彩る多彩な文化事業の展開
「東アジア文化都市2026松本」では、松本市内各所で多彩な関連事業が展開される予定です。
演劇・舞踊・音楽
渡辺弘ディレクター指揮のもと、以下のような企画が進行中です。
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人形劇フェスタ(仮)(2026年8月11日):日中韓の演者による舞台芸術を通じた交流と深い対話を促す企画です。
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「身体と音楽」(2026年10月3日):まつもと市民芸術館の舞踊部門監督である倉田翠さんが手掛け、中韓の音楽やダンサーを取り入れて実施されます。質の高いプログラムが期待されます。
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「3つの国のあわいで考えるディープレクチャー」秋の回(2026年10月~11月):過去に開催されたレクチャーの秋の回として、2回開催が予定されています。
美術
小川稔ディレクター指揮のもと、以下のような企画が進行中です。
- 「民藝百年記念事業」(2026年8月~10月):松本のアイデンティティである民藝を100年という節目に深く掘り下げ、「松本でつむぐ、ひと・もの・こころの未来」をテーマに、民藝の精神を次世代へつなぐ事業です。
伝統文化
おおうちおさむディレクター指揮のもと、以下のような企画が進行中です。
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食文化講座「おいしいねっアジア」(2026年7月31日~10月23日):食を通じて東アジア地域の文化の違いを学ぶ講座です。地酒や発酵文化などの地域食文化と、中国・韓国を含む東アジア食文化とのコラボレーション企画や、学校給食に着目した企画が進められています。
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「マツモト建築芸術祭2026 ADVANCE」第二弾(2026年10月30日~12月13日):盛況だった前回の企画に続く第二弾が、開催に向けて準備されています。
まちなかアート
野村政之ディレクター指揮のもと、以下のような企画が進行中です。
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市民や民間団体が行う東アジア文化都市2026松本の趣旨に沿った文化事業に対し、助成や認証を行い、事業の認知度向上と事業者の文化芸術活動をサポートします。
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「まつもと城下町舞台2026市民交流プロジェクト」(2026年7月4日、24~25日、10月上旬):歴史ある「祭り舞台」を市民自らの手で動かし、街を彩る、伝統文化資源の再評価を目指す象徴的な市民参加型プロジェクトです。
その他民間事業者との共催事業
- 「りんご音楽祭」(2026年9月26日~27日):民間ならではのエネルギーを持つこの音楽祭と連携し、若い世代や全国のアートファン、そして松本市民への認知度を高め、松本ならではの音楽イベントを通じて東アジア文化都市のメッセージを発信していきます。
交流事業
- 韓国安東市との学生国際交流事業(2026年7月31日~8月3日、8月7日~10日(予定)):未来世代への文化継承と国際交流をテーマに、中高生による企画参加、アートワークショップ、安東市との交流事業などが実施されます。若者が「受け手」ではなく「創り手」として主体的に関われる点が、東アジア文化都市事業の大きな特徴の一つです。
「地方都市だからできる文化発信」を全国へ、そして世界へと広げていく「東アジア文化都市2026松本」の挑戦に、きっと多くの期待が寄せられることでしょう。
