『428』のDNAを継ぐ群像劇――AI時代の行く末に問いを投げかける、近未来SFミステリー・ノベルゲーム『三位一体の単一点』

ゲームの概要とテーマ

『三位一体の単一点』は、3人の主人公を切り替えて進める群像劇タイプのノベルゲームです。AIが人類と同等の知性を持つようになった近未来で発生する連続自殺事案の謎を中心に、3つの物語が複雑に絡み合い、最終的に一つの大きな物語へと収束します。このゲームのテーマは「人間は、これからAIと一緒にどう生きていくのか」という問いであり、3人の主人公がそれぞれの立場や異なる価値観からこの問いに直面します。

『428 〜封鎖された渋谷で〜』からの影響と新たな挑戦

本作の制作にあたっては、名作ノベルゲーム『428 〜封鎖された渋谷で〜』から大きな影響を受けています。『428』は、顔も名前も知らない者同士が同じ日の渋谷で異なる課題に取り組む中で、互いの行動がバタフライエフェクトのように連鎖し、やがて一つの物語に収束していく群像劇です。そんちょー氏は、この「行動の連鎖」がプレイヤーに「この物語は一人だけの物語ではない」という気づきを与える『428』の本質であると語っています。

『三位一体の単一点』では、『428』が描いた「行動の連鎖」をさらに発展させ、「アイデアの連鎖」に挑戦しています。プレイヤーはゲームを進める中で、3人の主人公の価値観、アイデア、視点を収集します。そして、ある主人公が持つアイデアを別の主人公に「伝える」役割を担うことで、異なる価値観が混ざり合い、一人ではたどり着けなかった新たな選択肢が生まれるという、本作の中核となる「エングラムシステム」を体験できます。プレイヤー自身の試行錯誤が物語を動かす鍵となります。

ゲームというメディアにしかできない表現

ノベルゲームという形式が選ばれたのは、『428』がゲームシステムと物語のメッセージが一致している点で際立っているという分析に基づいています。プレイヤーは物語を進めたいという動機から様々な行動を試す中で、物語から直接教えられるのではなく、自分自身の試行錯誤を通じて「発見する」体験を得ることができます。この「誰か一人では行き詰まるが、誰かの行動や視点の変化によって道が切り開ける」という構造を、ゲームというメディアだからこそプレイヤー自身に発見してもらいたいという思いが込められています。

ターゲット層と今後の展望

本作は、骨太なノベルゲームを好む方々、特に『428』や『Ever17』のような作品が好きな方々に楽しんでいただきたいと考えています。また、AIと人類の未来に関心があるものの、専門書を読むのは難しいと感じている方々にも、ゲームを通じて気軽に「考えるきっかけ」を提供したいという願いがあります。

現在、20万文字超のメインシナリオとゲームシステムは完成しており、ベータ版の準備、イラスト、音楽の最終調整が進められています。2026年~2027年のSteamでのリリースを目指しており、その後はNintendo Switch、PlayStation、モバイルでの展開も予定されています。

『三位一体の単一点』のSteamストアページが公開されており、興味を持たれた方は「ウィッシュリスト」への登録で開発を応援できます。

開発チーム

主要な制作メンバーは以下の通りです。

  • そんちょー: インディーゲーム開発者、元システムエンジニア。AI時代の人間と社会というテーマをゲームで表現することを目指し、本作の開発を開始。

  • 神馬譲(劇伴・音楽制作): 映画『温泉シャーク』音楽、GACKT WORLD TOUR 2016劇伴音楽アレンジなどを手がける。

  • 白木原怜次(シナリオライター・シナリオプランナー): 『Memories Off -Innocent Fille-』などのシナリオを一部担当。『星影のミラージュ』では原案・全シナリオを手がける。

  • 厳男子(アートディレクター): 漫画家。代表作『ムラサキ』は「次にくるマンガ大賞 2018」Webマンガ部門でTOP20入り。

  • 鮭まゆ(キャラクターデザイン): バンドリ! Ave Mujica MVイラストなどを手がけるイラストレーター。

  • godzy(テックリード): 「サンダーフォースシリーズ」などの開発に携わってきた業界歴20年以上のエンジニア。

作品概要

項目 詳細
タイトル 三位一体の単一点
ジャンル 群像劇ノベルゲーム(SF)
開発 チームサンイチ
ボリューム メインシナリオ約20万文字超
リリース予定 2026年~2027年
対応プラットフォーム PC (Steam)。追ってNintendo Switch、PlayStation、モバイルでも展開予定
公式 website https://trinity-nexus.howel.jp/
公式 X https://x.com/trinity_nexus_

VTuber導師真ショウ氏によるロングインタビュー

本記事は、VTuber導師真ショウ氏が2026年5月19日に実施した開発者インタビューをもとに構成されています。本記事に収まりきらなかった開発の裏側、テーマの背景、ノベルゲームというメディアへの思いがnoteにて公開されています。