岡山大学が久米南町と連携し、発酵と微生物の魅力を探究する「“自然ビール酵母”研究会 サテライト版」を開催

はじめに:久米南町で探究する発酵と微生物の魅力

国立大学法人岡山大学は、2026年2月27日、岡山県久米郡久米南町の古民家「里方屋」において、「“自然ビール酵母”研究会 サテライト版―久米南町フィールドワーク・古民家『里方屋』で体験する発酵と微生物―」を開催しました。

この研究会は、岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域の小野千由貴助教(特任)が主催する「“自然ビール酵母”研究会」の一環として実施されました。内閣府の「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」および文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」とも連動し、久米南町に関わる多様な関係者や岡山県内の大学と連携しながら、地域活性化および関係人口の創出を図ることを目的としています。

近年、地域由来の自然酵母(Natural Yeast)を活用した日本酒、ワイン、ビールなどのオリジナル製品が各地で醸造・製品化されており、その利用に関する議論が活発に行われています。このような背景を受け、小野助教(特任)は、特にビール醸造に焦点を当てた自然酵母利用の理解を深め、その有用性を高めること、そして自然酵母が持つ興味深い特性の研究を通じて基礎研究の発展にもつなげることを目指し、本研究会を企画・主催しています。

岡山大学が久米南町と連携し、発酵と微生物の魅力を探る「自然ビール酵母」研究会サテライト版を開催したことを告知する画像です。イベントの様子も写っており、地域連携による研究活動を示しています。

多角的な視点から深まる発酵と地域の可能性

研究会当日は、研究会と懇親会の二部構成で実施されました。研究会では、様々な分野の専門家が講演を行いました。

岡山大学研究・イノベーション共創機構産学官連携本部の船倉隆央副本部長は「キャンパスを飛び出し、久米南町で挑む。学生たちの『やりたい』が地域を動かす」と題し、大学と地域が協働して進める実践的な取り組みを紹介しました。

続いて、里方屋代表の岡田充泰氏と岡山理科大学工学部建築学科の納村信之教授が「里方屋プロジェクトの取り組み」をテーマに発表し、地域に根差した活動の広がりや今後の展望について共有しました。

さらに、小野助教(特任)が「“自然ビール酵母研究会”の目的と取り組み」を紹介し、野生酵母をはじめとする地域由来の微生物資源に着目した研究の意義を説明しました。

岡山県立大学保健福祉学部栄養学科の田中晃一教授は「晴れの国に眠る、見えない宝物~野生酵母が紡ぐ“岡山ブランド商品”誕生物語~」と題して講演し、地域資源を活用した商品開発の可能性について語りました。

大阪大学大学院工学研究科の楠本憲一教授からは「野外から分離した麹菌類の特徴と多様性」と題した講演があり、野外環境に存在する麹菌類の特性や多様性について専門的見地から紹介が行われました。

「自然ビール(仮称)の研究会」と題されたプレゼンテーションが行われている室内のイベント風景。登壇者がマイクを使い、参加者に向けて説明している。ルンタが飾られた独特の空間で、多くの人が熱心に耳を傾けている。

講演後には、酵母・麹菌・納豆菌の観察を行うワークショップに加え、里方屋周辺の花や土壌を採取するフィールドワークが実施されました。参加者は、地域に息づく微生物資源を実際に観察・採取しながら、発酵と微生物の世界を身近に体験し、地域資源を科学的視点で捉える学びを深めることができました。

古民家風の屋内で、多くの人々が集まって歓談している様子。中央のテーブルには様々な料理や飲み物が並べられており、カジュアルな交流会やパーティーが開催されているようだ。

地域ブランド創出への期待と今後の展望

本研究会を通じて、大学の研究シーズと地域資源を結び付ける実践的な連携の可能性があらためて共有されました。地域由来の微生物資源は、新たな地域ブランド商品の創出に繋がる「見えない宝物」として、今後ますます注目されることでしょう。

木製のカウンターに、クラフトビール「ハレトケ」のボトル3種類、赤ワイン、そして小瓶のリキュールが整然と並べられています。和風の店内で、様々な種類の酒が展示されている様子がうかがえます。

岡山県とその周辺地域の詳細な地図です。岡山、倉敷、新見、高梁、久米南町などの市町村名、国道や県道、高速道路の番号、鉄道路線が示されています。瀬戸内海の島々も描かれており、地理情報が豊富です。著作権はゼンリンです。

岡山大学は今後も、学生・研究者とともに地域と協働し、地域価値の向上と持続的な発展に寄与していく方針です。開かれた地域中核・特色ある研究大学としての岡山大学の取り組みに、引き続きご期待ください。

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