創造性と想像力の融合
ロールス・ロイス・モーター・カーズのデザイン・ディレクターであるドマゴイ・デュケク氏は、「創造性と想像力こそがロールス・ロイスを形作る原動力であり、オーナー一人ひとりの個性を反映した特別な車を生み出しています」と語っています。また、シリル・コンゴ氏は、ブラック・バッジ・カリナンを初めて見た際に「コンゴバース」という自身の世界観で表現したい衝動に駆られたと述べています。この「コンゴバース」は、ファンタジー、数式、シンボル、ピラミッド、原子、そして想像上の惑星が交錯する場所として描かれています。

本プロジェクトは、ニューヨーク、ソウル、そしてロールス・ロイスの本拠地であるグッドウッドのプライベート・オフィスを通じてキュレーションされました。ブラック・バッジ・カリナンは、コンゴ氏の作品にとって力強いキャンバスとなり、そのダークで反骨精神あふれる側面が、コンゴ氏の芸術作品が放つ強烈な存在感と見事に共鳴しています。

前例のない共同制作のプロセス
今回のコラボレーションが特別なものとなったのは、コンゴ氏とロールス・ロイスの世界の間で絶え間ない対話が交わされたことにあります。コンゴ氏は、プロジェクトの初期段階からロールス・ロイスの本拠地に常駐し、デザイナー、エンジニア、職人からなるビスポーク・コレクティブの一員として作業を進めました。構想からデザイン、最終的な製作に至るまで、すべての工程に関わり、専用スペースで各パーツに一つひとつ手描きで仕上げていきました。

ロールス・ロイスのヘッド・オブ・ビスポーク・デザインであるフィル・ファーブル・ド・ラ・グランジュ氏は、この共同作業について「生産開始の6ヶ月前には彼をグッドウッドの本拠地に招き、私たちの世界観を体験してもらいました」と語り、コンゴ氏が自由に表現できる環境を提供したことを強調しています。
鮮やかなインテリアとスターライト・ヘッドライナー
車内は、共通のインテリアカラーであるブラックを基調に、鮮やかな色彩がアクセントとして取り入れられています。運転席には「フェニックス・レッド」、助手席には「ターキーズ」、後部座席には「フォージ・イエロー」と「マンダリン」が用いられ、ステッチ、パイピング、シート・インサート、ヘッドレストの「RR」モノグラム、ラムウールのカーペットに至るまで、このカラーパレットが表現されています。コンゴ氏は、これらをベースに5台それぞれに異なるインテリア・アートワークを手描きで制作し、真に唯一無二のコレクターズ・ピースへと昇華させました。

特に注目すべきは、手描きで施されたスターライト・ヘッドライナーです。1,344個の光ファイバー製の「星」が車内に夜空のような印象を与えるこのルーフライニングには、コンゴ氏の想像上の惑星や星座に加え、彼が関心を寄せる量子物理学へのモチーフも織り交ぜられています。インテリア・サーフェス・センターの職人たちは70色以上の塗料を用意し、スポンジ、エアブラシ、筆を組み合わせて描かれました。

ヘッドライナーの塗装が完了した後も、コンゴ氏はビスポークのエンジニアと密接に連携し、すべての「星」の正確な配置と色を決定しました。各スターライト・ヘッドライナーには、様々な色のイルミネーションと8つのシューティングスターが採用され、ロールス・ロイスとして初の試みとなる天井全体を横断する1本の流れ星も含まれています。また、コンゴ氏のシグネチャーである「タグ」モチーフがサンバイザーの内側やラゲッジ・コンパートメントの蓋の内側にペイントされ、ドアのレザー部分には精緻な刺繍として再現されています。

ビスポーク・エクステリアとプライベート・オフィス
エクステリアは、深みのあるブルー・クリスタル・オーバー・ブラック仕上げが施され、太陽光の下できらめくブルーの粒子が特徴です。ロールス・ロイス初となるグラデーション・コーチラインも採用され、左側はフェニックス・レッドからフォージ・イエローへ、右側はマンダリンからターキーズへと色が移ろい、それぞれにコンゴ氏の「タグ」モチーフがデザインされています。さらに、23インチのパート・ポリッシュド・ブラック・バッジ・アルミホイールの裏側には、コーチラインやインテリアのアクセントカラーに合わせた異なる色のブレーキ・キャリパーが配置されています。

本プロジェクトは、ソウル、ニューヨーク、およびグッドウッドのプライベート・オフィスによってキュレーションされました。プライベート・オフィスは、招待制の創造的拠点として、ビスポーク・モーター・カーのオーダー体験を高める役割を担っています。今回制作された5台の「ブラック・バッジ・カリナン・バイ・シリル・コンゴ」は、全て世界各地のお客様に提供されました。

シリル・コンゴ氏の背景とブラック・バッジ10周年
1969年にトゥールーズで生まれたシリル・コンゴ氏は、パリでグラフィティ・アーティストとしてのキャリアをスタートさせ、現在はそのドラマチックな構図と鮮やかな色彩使いで国際的に高い評価を得ています。彼の作品は、オート・オルロジュリーから航空機まで、様々な分野でコラボレーションを依頼されており、現代ストリートアートが現代美術や投資の分野へと広がりつつあることを示しています。

「ブラック・バッジ・カリナン・バイ・シリル・コンゴ」は、ブラック・バッジの誕生10周年を祝う2026年に発表されたプロジェクトの一つです。2016年に「ブラック・バッジ・ゴースト」と共に登場したブラック・バッジは、大胆で妥協を許さない精神を求めるお客様のために生み出されました。現在、「ゴースト」、「カリナン」、「スペクター」にブラック・バッジが用意されており、力強いパワートレイン、洗練された走行特性、そして独自のビスポーク要素によって特徴づけられています。
ロールス・ロイス・モーター・カーズについて
ロールス・ロイス・モーター・カーズは、英国ウエスト・サセックス州グッドウッドにあるホーム・オブ・ロールス・ロイスを拠点に、真のラグジュアリー自動車を製造しています。グローバル本社のほか、センター・オブ・ラグジュアリー・マニュファクチャリング・エクセレンスが設置され、ロールス・ロイスの自動車のデザイン、開発、手作業による製作が行われています。
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