AI時代の親密さ:6人に1人が「AIに恋している」と回答、触覚技術が拓く新たな関係性

AI時代の親密さ:6人に1人が「AIに恋している」と回答、触覚技術が拓く新たな関係性

現代社会において、人々の関係性は多様化し、その親密さの形も変化しています。特にAIとの関係においては、新たな感情が芽生えるケースも見受けられます。Lovenseは、AIとの恋愛意識や推し活といった、人との新しい関係性に関する社会的な変化に着目した考察記事を2026年7月29日に公開しました。

日本では、AIを恋愛相手として受け入れる人が現れており、推し活やVTuberも日々の気持ちを支える存在となっています。画面の向こうに求められているのは、相手そのものだけでなく、自分で距離を決められる親密さかもしれません。本稿では、AIとの「結婚」が報じられた出来事を手がかりに、その背景と、触覚技術が果たし得る役割について考えます。

AIコンパニオンと触れ合う男性

「AIに恋している」が6人に1人

2026年5月の読売新聞の報道によると、名古屋市の41歳の会社員女性が、好きなゲームキャラクターをもとに生成AIで理想の「彼氏」をつくり、「結婚」を決めた事例が紹介されました。これは特別な例に見えるかもしれませんが、中央大学の山田昌弘教授が2026年2月に行った調査では、生成AIを私的に利用する人の約17%が、AIに「恋していると思うときがある」と回答しています。これは、およそ6人に1人がAIに対して恋愛感情を抱く可能性があることを示唆しています。

日本でのAIとの結婚事例と恋愛感情の調査結果

なぜ、これほど多くの人がAIに親密さを感じるのでしょうか。

自分で距離を決められる関係

人間関係には、相手の都合や感情が伴います。会う時間を調整したり、言葉を選んだり、時には拒絶されることもあります。親密さが増すほど、返信や気遣い、期待に応える負担も増えるかもしれません。

一方で、推しやAIとの関係では、自分で距離を決めやすいという特徴があります。必要なときに近づき、疲れたら離れることができるため、相手の機嫌や期待を背負い続けることなく、親密さを保てるのかもしれません。これは「人のいない関係」を求めているのではなく、より負担の少ない形で心のつながりを求めている姿と言えるでしょう。

内閣府が2025年12月に実施した「人々のつながりに関する基礎調査」では、孤独感が「ある」と答えた人が約4割に達しました。孤独は、人がいないときだけでなく、誰かといても自分のペースで話せず、弱さを見せられない場合に感じることもあります。推しやAIとの関係は、そうした孤独感を和らげる一助となっている可能性も考えられます。

画面の体験を、身体へつなぐLovenseエコシステム

AIは言葉や声を返し、キャラクターらしさを保って会話を続けられますが、その応答は基本的に画面の中で完結します。身体は、同じ場所に置かれたままです。文字を読み、声を聞き、映像を見ることはできますが、身体に届く反応は限られています。

Lovenseが提供する「AI Sync」は、この画面内の体験と身体感覚とのずれに対する一つの応答です。AI Syncは、AIとの恋愛そのものを扱う技術ではありませんが、画面の中で育つ親密さが身体感覚を置き去りにしないよう、触覚を加えることを目指しています。

AI Syncは、Lovenseエコシステムを構成する機能の一つとして、動画やライブ配信において映像をリアルタイムで読み取り、画面の動きに合わせて対応デバイスを動かします。また、メディア同期では、事前に作成されたスクリプトやLovense Patternsを用いて、音声や映像の進行に反応を合わせることも可能です。

ゲーム向けにはAPIやSDK、Unity、Unreal、Ren’Py用プラグインが用意されており、ゲーム内の出来事をデバイスの動きに変えることができます。ただし、すべてのゲームタイトルへ自動で対応するわけではなく、ゲーム側での組み込みが必要です。

Lovenseエコシステムには、離れたパートナーと操作を共有できるLovense Remote、音楽に合わせた反応、ユーザーが作成・共有するPatternsも含まれます。これらの技術は、遠距離の二人やコンテンツの視聴者、コミュニティが、画面の体験を本人が選んだ範囲で身体へ届けるための入口の一つとなります。

使う人が止められることの重要性

身体に働きかける技術においては、利便性よりも、利用者が安全に使えることが最も重要です。Lovenseエコシステムでは、使う本人がいつでも利用を開始し、いつでも停止できることを重視しています。接続情報や利用データも必要な範囲にとどめ、プライバシー保護に配慮しています。身体へ近づく技術だからこそ、利用者がいつでも距離を取り戻せる手段が不可欠なのです。

Lovenseエコシステムは、人間関係の代替や孤独を完全に解消する手段ではありません。しかし、自分に合った親密さへ近づく方法を増やす可能性を秘めていると言えるでしょう。

触感が加わった先に

AIに恋をした女性の事例では、主に文字と声が二人をつないでいました。触覚が加わったとしても、AIが人間になるわけではありません。それでも、画面の中で育まれた体験が身体へ届けば、相手を「感じる」手がかりは増えるでしょう。Lovenseエコシステムは、離れた相手とのやり取り、音楽、映像、ゲーム、共有されたPatternを、身体で感じる体験へとつなぎます。しかし、関係を相互的にしたり、孤独を消したりすることはできません。技術が新たな入口を増やしても、つながるかどうか、そしてどこで離れるかを決めるのは、常に使う人自身でなければならないのです。

Lovenseの公式サイトはこちら