トレンドは「見る」から「審査する」時代へ:即時消費は1割未満、SNSアルゴリズムが消費行動を抑制

日常的なトレンド接触と消費行動の乖離

調査によると、生活者の85.4%がほぼ毎日から週数回の頻度で日常的にトレンド情報に接触しており、その主な情報源はSNSが53.7%と最も多くを占めています。
しかし、これらの情報に触れても「いち早く取り入れる」と回答した層はわずか8.7%にとどまりました。最も多かったのは「話題になり始めてから自分に合うものを選ぶ」という回答で52.8%にのぼり、半数以上の生活者がトレンドを一度吟味してから取り入れる傾向にあることが示されています。

様々な情報源の割合を示した円グラフです。SNSが53.7%と最も多く、次いでネット記事・WEBマガジンが25.2%、テレビ番組が14.6%を占めています。インフルエンサー、家族・知人、その他のメディア(ラジオ、Podcast、雑誌など)がそれに続きます。

トレンド情報を聞いたり知ったりする主な情報源では、SNSが53.7%と過半数を占め、インターネット記事・WEBマガジンが25.2%、テレビ番組が14.6%と続いています。

このドーナツグラフは、ある行動や事柄の頻度に関する割合を示しています。「週に数回」が46.9%で最も多く、「ほぼ毎日」が38.5%と続きます。「月に数回」は11.7%、「年に数回」と「ほとんど触れない」はそれぞれ1.3%、「その他」は0.3%です。

トレンドへの接触頻度は「ほぼ毎日」が38.5%、「週に数回」が46.9%で、合わせて85.4%の人が日常的にトレンドに触れていることが分かります。

情報やトレンドへの関わり方を「超特急」「快速」「各駅停車」「ドライブ」「その他」の5タイプに分類した円グラフ。最も多いのは「快速」で52.8%を占め、話題になり始めてから自分に合うものを取り入れる傾向を示しています。

トレンドに対する反応速度では、「話題になり始めて自分に合うなら取り入れる(快速)」が52.8%と圧倒的に多く、即時消費を促す「いち早く情報キャッチ、予約の手間や行列もOK(超特急)」は8.7%にとどまっています。

アルゴリズムによる「トレンドの個別最適化」

生活者がトレンド情報を得る主要な場であるSNSでは、アルゴリズムによって表示内容が個々人の関心に合わせて最適化されています。この結果、トレンドは「全員に一律に届くもの」ではなく、「見えている人の中で成立するもの」へと変化しました。これにより、トレンドは一斉に広がるのではなく、関心の近い層から順に時間差で浸透していく構造に移行しています。

生活者が取り入れるトレンドジャンルで「食」が33.3%と最も多いのは、嗜好だけでなく、アルゴリズム環境における構造的要因が考えられます。食は美容、ライフスタイル、旅行など複数の関心領域と接点を持つため、異なる興味を持つユーザーのアルゴリズム上でも横断的に表示されやすいという特徴があります。

このドーナツグラフは、複数のカテゴリにおける割合を示しています。食が33.3%で最大、ファッションが22.3%で続き、エンタメが13.3%です。ライフスタイル・雑貨が10.0%、その他が9.1%、スポーツが8.4%、有名人・キャラクターが3.6%を占めています。

アルゴリズムがもたらす情報不信と消費行動の抑制

アルゴリズムによる情報の最適化は利便性を高める一方で、「情報の偏り」に対する不信感も生み出しています。
「SNSで複数アカウントをフォローしていたが、AIのような似通ったものもあり、一旦全部リリースした」「(あるジャンルのトレンドは)マーケティングにうんざりして取り入れていない」といった生活者の声も聞かれ、こうした背景から「情報は見るが、すぐには消費しない」という態度が一般化していると考えられます。

トレンドは「意思決定材料」へ

かつてトレンドは、消費を直接的に生み出す「消費そのもの」として機能していました。しかし、現代ではアルゴリズムによる構造的変化と生活者の心理的変化が相まって、トレンドは「消費するかどうかを見極めるための意思決定材料」へと役割を変えています。生活者はトレンドを通じて市場の動向を観察し、「自分にとって本当に価値があるか」を基準に選択するようになっています。

今後の方向性:「反・アルゴリズム消費」

今後支持されるトレンドは、アルゴリズムによって最適化された情報環境から距離を置く「反・アルゴリズム」的な価値を持つものとなるでしょう。
具体的には、以下の2つの消費傾向が強まると考えられます。

  • 意味で選ぶ消費: 「人気かどうかではなく、自分が好きになったかどうかで判断している」「(最近取り入れたトレンドは)アナログ系全般。レコード、レトロカメラなど、昔好きだったもの」といった声に代表されるように、「自分なりの意味」や「物語」と結びつくものが重視されます。

  • 体験で選ぶ消費: 「コーヒー豆を挽いて飲むように。(中略)ゴリゴリいわせるのが心地よく、筋力を使うので身体も目覚める気がします」という声のように、手触りや体験を伴う、効率では代替できないものが求められます。

アルゴリズムが提示する「正解」よりも、自分自身の感覚に基づいた選択が、より重要視される傾向が強まっています。

まとめ

トレンドはもはや「広がれば売れる」という単純なものではありません。85%の人が情報に接触しても、実際に行動に移すのは1割未満にとどまるように、生活者はトレンドを即座に消費するのではなく、自分にとっての価値を判断するための材料として捉えるようになっています。この変化は、トレンドが「納得した人から順に広がる現象」へと移行していることを示しています。

調査概要

  • 調査名: TREND LAB.「令和のトレンド距離感調査」

  • 調査対象: TREND LAB.読者・GLADD公式 Instagramフォロワー・一部のGLADD会員

  • 調査期間: 2026年4月4日〜4月12日

  • 調査方法: インターネットによる任意回答

  • 有効回答数: 309

  • 企画・運営: la belle vie inc.

    • 本調査データを引用する場合は出典(TREND LAB. / la belle vie株式会社)を明記ください。

TREND LAB.について

TREND LAB.(トレンドラボ)は、la belle vie株式会社が運営する「生活者のリアルな声をシェアする」プロジェクトです。情報が溢れ、正解が見えにくい時代において、消費の背景にある「気持ちの動き」に着目し、生活者のリアルな声を分析・発信しています。

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