地域に開かれたモデルハウス「連家」、国土交通大臣賞とグッドデザイン賞2025をW受賞

地域に開かれたモデルハウス「連家」が国土交通大臣賞とグッドデザイン賞をW受賞

福岡県朝倉市に佇む、築70年の精米所を現代の住まいへと再生したモデルハウス「連家(れんか)」が、2025年に開催された『第12回再築大賞』で最高賞である国土交通大臣賞を受賞しました。さらに、グッドデザイン賞2025にも選定され、JACK 全国リフォームアイデアコンテスト2025では準々グランプリに輝くなど、その革新的な取り組みが高く評価されています。

「地域に開かれたモデルハウス」というコンセプトを掲げる「連家」は、単なる住宅展示にとどまらず、地域に愛され、使い続けられる建築を目指しています。この理念を具現化する形で、2025年には朝倉エリアのフリーマガジン『ASAKURA.NOTE』を発行する地域編集会社「アサクラノート」が運営パートナーとして参画。建築の再生だけでなく、地域の人々や文化、カルチャーを発信する新たな拠点として、その役割を広げています。

モダンなリビングダイニングの様子

「連家」とは─新旧が連なる空間

「連家」は、福岡県朝倉市の中心部に建つ、築70年の精米所を改修した古民家リノベーションのモデルハウスです。長年地域の人々に親しまれてきた精米所の歴史と魅力を尊重しつつ、現代の暮らしに寄り添うモダンな住まいへと再構築されました。

「連家」の和風モダンな外観

元々の精米所は、精米を行う平屋部分と、倉庫として使われていた2階建て部分が連なる構造でした。このうち2階建て部分がモデルハウス(住宅)として改修され、平屋部分は地域に開かれたコミュニティスペースおよびテナントスペースとして整備されています。新旧が連続する空間であること、そして連棟の建物形状に加え、朝倉の名所である三連水車や美しい連山にちなんで「連家」と名付けられました。

「連家」の落ち着いた外観

コンセプト:「地域に開かれたモデルハウス」

「連家」プロジェクトの中心にあるのは、「地域に開かれたモデルハウス」という考え方です。多くのモデルハウスが数年で建て替えられる現状に対し、設計を手がけたraumus(ラウムス)は、建物が地域に愛され、長く使われ続けるための仕組みを設計に織り込みました。

具体的には、住宅機能を持つモデルハウスと、地域に開かれたコミュニティ・テナントスペースを二棟構成で連結。これらが相互に関係し合うことで、住宅単体ではなく、地域コミュニティの拠点としての機能を果たす建築が目指されました。コミュニティスペースには、かつての精米機や小屋組がそのまま残され、建物の歴史を肌で感じられる空間となっています。

歴史とモダンが融合したコミュニティスペースの内装

この「築古建築物のリノベーション」と「地域に開かれたコミュニティ機能」の組み合わせは、従来のモデルハウスが抱える課題に対する新たな解決策を提示しています。

木材とコンクリートを基調としたモダンな住宅の室内

デザイン・性能の特徴

既存の魅力を活かした空間構成

瓦屋根や迫力ある大きな丸太の梁といった建物の特徴を活かしながら、現代の暮らしやすさと感性を両立させています。広々とした土間、高い天井の広間、約4mのダイニングキッチン台、勾配天井の個室、そして2階に集約された水回りなど、機能性とデザインが融合した空間が広がっています。コミュニティスペースには精米機や既存の小屋組が残り、歴史を感じさせます。

木材の梁や柱が特徴的なリビングダイニング

木材と白色を基調としたモダンなキッチンとダイニング

地場の自然素材を使う

木材は場所によって異なる種類が使い分けられ、時とともに変化する風合いを楽しめます。壁には南九州特有のシラスを加えた100%自然素材の漆喰塗り壁が採用され、優れた調湿・消臭機能を実現。屋根には耐久性の高い既存の和瓦が再利用されています。

伝統的な太い梁と新しい木材が組み合わされた空間

現行法規同等の耐震性能とZEH相当の断熱性能

既存柱の内側にコンクリート基礎を打設し、新設の柱と既存の柱を緊結する「インナーフレーム」を採用することで、現行法規同等の耐震性能を確保しています。さらに、Low-Eガラス、高性能断熱材、全熱交換器、温熱床暖房などにより、ZEH Ready(断熱等級5)基準相当の省エネ性能を実現。「古民家は寒い・暑い」というイメージを覆す快適な温熱環境が整えられています。

木造建築の骨組み構造と耐震補強の図

地域編集会社「アサクラノート」が運営パートナーとして参画

2025年、朝倉エリアのローカルカルチャーを発掘・発信するフリーマガジン『ASAKURA.NOTE』を制作する地域編集会社「アサクラノート」が、「連家」のコミュニティスペースを活動拠点とし、運営パートナーとしてプロジェクトに加わりました。

『ASAKURA.NOTE』は、2022年に創刊されたフリーマガジンで、「地方(local)とストーリー(story)」をキーワードに、地域の文化やものづくり、人々を多角的に発信しています。このアサクラノートの参画により、「連家」は「地域を編集する」という新たな視点を得て、地域文化の発信拠点としてさらに活動を加速させています。

会議を行う人々の様子

主な受賞・掲載実績

「連家」は、その革新的なコンセプトとデザインにより、国内外で高い評価を受けています。

設計・施工

「連家」の設計は、福岡市を拠点とする建築設計事務所raumusの代表であり建築家の竹田真志氏が手がけました。施工は、創業134年を迎える福岡県朝倉市の株式会社古賀組が担当しています。

raumus代表 竹田真志氏のポートレート

株式会社古賀組 代表取締役社長 古賀佐三氏のポートレート

個別見学予約 受付中

「連家」では、写真や図面だけでは伝わりきらない、光の移ろいや季節ごとの温熱環境、そして古い建物が持つ独特の空気感を体感できる個別見学予約を受け付けています。リノベーションや耐震診断、補助金活用に関する相談、土地・建物探しからの相談も可能です。

  • 所在地: 〒838-1302 福岡県朝倉市宮野1919-3

  • アクセス: 西鉄バス「比良松中学校」から徒歩3分/博多・天神発の西鉄高速バス「朝倉インター」から徒歩5分/駐車場あり(8台)

  • 見学予約: 専用ウェブサイトのフォームまたは電話(0120-99-3955/受付9:00〜17:00)

  • 公式サイト

関連リンク

空間構成図

連家2階の間取り図

連家1階の間取り図