作品紹介
お堀のボート

佐賀市民に親しまれた「お堀のボート」は、作者も小学六年生の頃に乗ったことがあるそうです。かつて中央公園だったこの場所は、1977年の春に現在の駐車場へと姿を変えました。ボート乗り場はその後も存続しましたが、利用客の減少により1998年に閉鎖されました。1960年代から1970年代にかけては木製ボート、晩年には白い樹脂製ボートが使われていたようです。
中央大通りのアーケード

昭和の中央大通りは、現在よりも一層賑わいを見せていました。1959年にアーケードが設置された当時は、土橋より南側はまだ開通していませんでした。1964年の日祐開業、1965年8月の土橋以南開通、そして同年12月の佐賀玉屋移転を経て、現在の形が完成したといわれています。この絵には、1966年に撤去された「グリコの広告塔」が描かれており、土橋以南開通前後の情景を伝えています。このアーケードも、老朽化を理由に1986年に撤去されました。
東佐賀駅の跨道橋

東佐賀駅にあった跨道橋は、旧佐賀線が「貫通道路」と呼ばれた国道旧34号線を横断する名物駅でした。この周辺はかつて自動車関連の販売会社が多く、嘉瀬町に集中する以前は佐賀のモールタウンになり得たかもしれないと想像させます。作者が作画にあたり高架の色についてSNSで意見を募ったところ、赤系と緑系に分かれたそうです。近隣住民の証言や作者の記憶、そして絵の「映え」を考慮し、現在は「赤系説」が採用されていますが、緑系に塗られた時期があった可能性も調査が進められています。
片田江の歩道橋

片田江歩道橋は、佐賀県で最初に設置された歩道橋として1971年4月に渡り初めが行われました。この年は第二次ベビーブームの始まりとされ、人口増加や学童の増加、自家用車の増加に伴う事故の増加を考えると、その設置は当然のことだったでしょう。特にこの片田江の歩道橋は、規模においても佐賀県内でも有数だったといえます。しかし、老朽化や少子高齢化、災害時の危険性などから全国的に歩道橋の見直しが進む中、1999年に撤去されました。絵にちらりと見えるスーパー「トポス」は、ユニードの業態転換を経て1982年に開店し、1995年に閉店しています。
旧佐賀県警本部

国道264号線(通称「貫通道路」)を通るたびに、レンガ造りの旧佐賀県警本部が頼もしく凛々しく見えていたそうです。昭和の観光用絵はがきにも貫通道路の名物として写り込んでいたり、往時の佐賀で撮影された映画「張込み」にも登場するなど、佐賀の象徴的な建物でした。
佐賀駅の夕景

あの頃の夕暮れ時の、どこか急ぎ足な空気を思い出させる作品です。子ども時代には「早く家に帰らなければ叱られる」と、まるで追い立てられるような気持ちで走ったものです。それでも、親に守られ、不自由のない住まいと食事を与えられていた昭和の時間は、ゆったりとして温かいものだったと描写されています。
蒼天の佐賀駅

市街地へ出かける際にはバスを利用することが多く、駅は遠方の親戚を訪ねる際に使う場所という印象が強かったそうです。駅を日常的に利用するようになった今でも、あの頃改札をくぐる時に感じた「そわそわ」と「わくわく」が入り混じった気持ちが、ふわりと蘇るといいます。さらに、少しだけ“よそ行き”の服がはらんだタンスの匂いも一緒に思い出される、と語られています。
佐賀駅 1956年(昭和31年) 〜春〜

この年の経済白書には「もう戦後ではない」という言葉が記され、朝鮮戦争特需をきっかけに高度経済成長期へと向かう日本の姿が描かれています。映画では石原慎太郎原作・長門裕之と南田洋子主演の「太陽の季節」が大ヒットしました。富士重工のスクーター「ラビット」S61型あたりや、日本乗用車の礎となった「トヨペット・クラウン」が停まっているのが見えます。この頃の佐賀駅の名物は、全高18.7mと「機動戦士ガンダム」のガンダム(18m)よりも背の高かったグリコの広告塔でした。この塔は1958年の松竹映画「張込み」にも映り込んでいます。
佐賀駅 1975年(昭和50年)〜 冬 〜

翌1976年に「若楠国体」を控えた冬の情景です。この頃、道路整備も進み、1974年には「北部バイパス」が兵庫町から牛津まで全面開通し、1976年には「西部環状線」が完成しました。また、1964年から続いたベトナム戦争が終結し、サイゴンが陥落するなど、時代の大きな波が押し寄せる中で「沖縄海洋博」が開催されたのもこの年でした。土曜日の人気番組「Gメン’75」がこの年の5月に始まり、現在のスーパー戦隊シリーズの始まりである「秘密戦隊ゴレンジャー」も同年4月から放送開始されました。自動車も、輸送や移動手段としてだけでなく、第一次ベビーブーマーが免許取得世代となったことで個人の嗜好が反映され、公害問題対策も施されるなど、より社会性を帯びた存在となりました。この旧佐賀駅舎は、1976年2月に現在の場所から100m北側へ移転しています。
開催概要
「あの日のこと 田中むねよし水彩画展 〜失われた佐賀の景色〜」の開催概要は以下の通りです。
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開催日時: 2026年1月3日(土)〜2026年1月7日(水)
- 最終日は午後5時閉場
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開催場所: 佐賀玉屋 南館7階催場
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入場料: 無料
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店舗住所: 〒840-8580 佐賀県佐賀市中の小路 2番5号
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電話番号: 0952-24-1151
佐賀の懐かしい昭和の風景に触れることができる貴重な機会です。ぜひ足をお運びください。



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