若年層と中高年層で異なるソーシャルプロダクツ購買傾向を解明:「コト消費」と「プチ貢献」が鍵

ソーシャルプロダクツとは

ソーシャルプロダクツとは、社会的課題の解決につながる商品・サービスを指します。フェアトレード、オーガニック、エコ(環境配慮)、復興支援など、人や地球、地域社会に配慮し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する商品・サービスの総称です。

ソーシャルプロダクツの定義については、以下のリンクで詳細をご覧いただけます。
http://www.apsp.or.jp/socialproducts/

調査結果のポイント

1. 生活者の3割強がソーシャルプロダクツを購入、5割強が購入意向あり

2025年の調査結果では、いずれかのソーシャルプロダクツ(フェアトレード、オーガニック、エコ、寄付つき、地域や伝統に根ざしたもの、障害者支援、復興支援商品)を「現在購入している」と回答した生活者は32.7%でした。最も購入されているのは「エコ商品」(21.8%)、次いで「オーガニック商品」(14%)、「地域・伝統に根差した商品」(11.8%)が続きます。

将来的に購入したいという意向を持つ生活者は52.5%に上り、「復興支援商品」(32%)、「寄付つき商品」(30%)、「エコ商品」(29.3%)が高い関心を集めています。

フェアトレード商品とオーガニック商品の購入率・購入意向率の推移

エコ商品と寄付つき商品の購入率・購入意向率の推移

地域・伝統に根差した商品と障害者支援商品の購入率・購入意向率の推移

復興支援商品とソーシャルプロダクツ全体の購入率・購入意向率の推移

2021年から2025年の推移を見ると、購入率は購入意向率を下回っており、行動と意識のギャップが横ばい傾向にあることが分かります。全体的に購入率・購入意向率は減少傾向にある中で、「フェアトレード商品」と「寄付つき商品」の購入率はわずかに増加が見られました。

年代別に見ると、20代・30代ではフェアトレード商品、オーガニック商品、寄付つき商品など5ジャンルで高い購入率を示していますが、ソーシャルプロダクツ全体としての購入者の割合は50代・60代が最多でした。このことから、若年層では一部の生活者が多様なジャンルを購入する一方で、中高年層ではより幅広い生活者が特定のジャンルを購入する傾向があると推測できます。

年代別ソーシャルプロダクツ購入率

2. 若年層はソーシャルプロダクツを「コト消費」、中高年層は「モノ消費」

商品カテゴリー別の購入率では、「食品・飲料」(71.4%)が最も高く、次いで「日用雑貨」(28.6%)が続きました。年代別では、20代・30代が「ペット用品」「旅行」といった体験や娯楽に関連するカテゴリーで高い回答率を示しています。これに対し、40代以上は「食品・飲料」「日用雑貨」といった日用品の購入率が高い傾向にありました。

この結果は、若年層が家族や友人、ペットとの特別な時間といった「コト消費」においてソーシャルプロダクツを選び、中高年層が普段の買い物といった「モノ消費」において選ぶ実態を浮き彫りにしています。

年代別の商品カテゴリー別ソーシャルプロダクツ購入率

3. 若年層は「消費に対する責任感」から、中高年層は「プチ貢献」としてソーシャルプロダクツを購入

ソーシャルプロダクツの購入経験者に理由を尋ねたところ、上位3つは「社会的課題の解決につながると思うから」(38.8%)、「人や地球にやさしい取り組みに、共感できるから」(37.8%)、「気軽に社会貢献できるから」(35.2%)でした。

年代別では、20代が「消費者としての責任だと思うから」「家族・知人・世間が、購入しているから」「自分らしさが反映されると思うから」「デザインが洗練されているから」「品質が高いから」といった項目で突出して高い回答率を示しています。一方、40代・50代は「人や地球にやさしい取り組みに、共感できるから」「気軽に社会貢献できるから」の2項目が高い傾向にありました。

このことから、20代の若年層には、消費が社会に与える影響に責任感を持ち、周囲との価値観共有や自己表現の手段としてソーシャルプロダクツを選ぶ層が存在すると考えられます。彼らは社会性だけでなく、デザインや品質といった商品性も重視している可能性があります。中高年層は、人や地球にやさしい取り組みへの共感をきっかけに、気軽に社会貢献できる「プチ貢献」という感覚で購入していると推測されます。

年代別のソーシャルプロダクツ購入理由

4. 若年層は「関心が高く参加可能」な取り組み、中高年層は「商品価格に影響を及ぼさない」最小限の取り組みが購入意欲を喚起

どのような「人や地球にやさしい取り組み」であればソーシャルプロダクツを購入したいかという質問に対し、2025年の調査では「自分の関心が高い取り組み」(24.3%)、「地球環境や社会にとって、より深刻な問題の解決につながる取り組み」(19.7%)、「自分も参加可能な取り組み(ボランティアや寄付、SNSでの拡散など)」(18.7%)が上位を占めました。「いかなる取り組みでも、購入にはつながらない」と回答した生活者は約3割で、約7割の生活者は取り組みが購入意欲に好影響を与えると見ています。

年代別のソーシャルプロダクツ購入意欲を喚起する取り組み

年代別では、10代・20代が「自分の関心が高い取り組み」や「自分も参加可能な取り組み」で高い回答率を示し、コスト負担もある程度受け入れられる傾向にあります。対して40代・50代は「最小限の取り組み(商品の価格や品質に影響を与えない範囲の予算など)」の回答率が高く、コスト負担に敏感であることがうかがえます。この結果は、中高年層に対しては、価格に転嫁しすぎない工夫や、取り組みを通じた社会的価値の適切なコミュニケーションが重要であることを示唆しています。

まとめ:年代ごとの消費傾向の違い

今回の調査では、ソーシャルプロダクツの購入率・購入意向率が全体として横ばいか減少傾向にあるものの、依然として多くの生活者が関心を持っていることが明らかになりました。そして、年代によって異なる消費傾向が鮮明に浮かび上がっています。

若年層には、多様な種類のソーシャルプロダクツを購入する意識の高い層が一定数存在するようです。彼らは日用品だけでなく、体験や娯楽といった「コト消費」においてもソーシャルプロダクツを選んでいます。責任ある消費を志向し、周囲との価値観共有や自己表現として捉える傾向がうかがえ、関心のある社会問題解決への参加機会が購入意欲を高める可能性を秘めています。若年層は、自身の関心や周囲との関係の中で、ソーシャルプロダクツを「コト消費」として解釈していると言えるでしょう。

一方、中高年層は、購入するソーシャルプロダクツのジャンルやカテゴリーに偏りが見られるものの、購入者層自体は若年層よりも幅広い現状があります。彼らがよく購入するのは日用品であり、購入理由や意欲につながる要因としては「気軽な社会貢献」や「商品価格に影響を与えない最小限の取り組み」が挙げられます。中高年層は、日常生活の延長線上で、無理のない範囲において「プチ貢献」感覚でソーシャルプロダクツを購入していると解釈できます。

これらの年代ごとの消費傾向の違いは、ソーシャルプロダクツに関する意識と行動のギャップを埋める上で貴重なヒントとなるでしょう。

ソーシャルプロダクツ・アワード(SPA)について

APSPは、人や地球にやさしい商品を表彰する「ソーシャルプロダクツ・アワード(SPA)」を2012年より運営しています。第13回となるSPA2026では、「企業と社会課題を支援する/される関係ではなく、共創に変える取り組み」や「購入するだけで寄付や雇用創出につながる仕組み」など、今回の調査で見えた若年層・中高年層の消費傾向とも重なる観点が高く評価された計42の商品・サービスが選出されました。ぜひ参考・先進事例としてご覧ください。

SPAホームページ

本調査の概要

  • 調査名: 第15回「生活者の社会的意識・行動」に関する調査

  • 調査対象: 全国の10~60代の男女50人ずつ(計600人)

  • 調査期間: 2025年8月1日~8月2日

  • 調査方法: クロス・マーケティング「QiQUMO」を利用したインターネット調査

一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)について

APSPは、ソーシャルプロダクツの普及・推進を通じて、生活者や企業などと共に、持続可能な社会の実現を目指す非営利の組織です。

  • 名称: 一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)

  • 設立: 2012年7月

  • 所在地: 東京都中央区銀座5-12-5 白鶴ビル3F

  • 会長: 江口 泰広(学習院女子大学名誉教授)

  • URL: http://www.apsp.or.jp