直島新美術館、2026年度の新展示と多彩なプログラムを発表 ―「循環・回帰・再⽣」をシーズンテーマに―

直島新美術館、2026年度のシーズンテーマ「循環・回帰・再⽣」のもと新展示を発表

直島新美術館(館⻑:三⽊あき⼦)は、2026年度のシーズンテーマを「循環・回帰・再⽣」と定め、夏と冬に一部展示替えを行います。2026年6月7日(日)からは夏の展示が一般公開され、岡﨑乾二郎氏の作品展示、サニタス・プラディッタスニー氏の屋外作品設置、そして下道基行氏の「瀬戸内「 」資料館」プロジェクトのサテライト展示として緑川洋一氏の写真が紹介されます。さらに冬には、今津景氏とバグース・パンデガ氏による展覧会が予定されています。

直島新美術館公式ウェブサイト: https://benesse-artsite.jp/art/nnmoa.html

2026年6月7日(日)公開の夏の展示について

サニタス・プラディッタスニー《ザ・サウンド・オブ・ナオシマ》

サニタス・プラディッタスニー氏の作品《ザ・サウンド・オブ・ナオシマ》が、直島の自然に溶け込むように屋外に設置されます。「直島八十八箇所」への敬意と、禅の公案「隻手の声」から着想を得て制作されました。タイの伝統技法と直島の素材を組み合わせた瞑想的なストゥーパ(仏塔)が中心となり、鑑賞者をマインドフルネスの状態へと誘います。

サニタス・プラディッタスニー氏の作品イメージ

岡﨑乾二郎「端しき、ことの葉」展

岡﨑乾二郎氏の「端しき、ことの葉」展では、1990年代から直島で展示を続けてきた同氏の近年の最新作を含む、ベネッセアートサイト直島所蔵の作品群が紹介されます。「岡﨑乾二郎と直島」という時間軸、「言葉と絵画の関係」、そして「回帰」をキーワードに、時代を超えた作品を通じて、日常の断片が繋がり、記憶を呼び起こし、新たな認識を開く可能性について考察します。

岡﨑乾二郎氏の作品イメージ

下道基行「瀬戸内「 」資料館」プロジェクトのサテライト展示

下道基行氏の「瀬戸内「 」資料館」プロジェクトのサテライト展示として、岡山の写真家・緑川洋一氏による写真群が紹介されます。1930年代から2000年代初頭にかけて瀬戸内を撮影した緑川氏の作品の中から、1950年代に直島の製錬所で働く人々の力強い姿を記録した写真が展示されます。これらの写真は、美しい瀬戸内の風景だけでなく、近代化によって変化する島々の姿や、厳しい環境の中で生きる人々の様子を映し出しています。

夏の展示作家プロフィール

サニタス・プラディッタスニー

サニタス・プラディッタスニー氏のポートレート

1980年バンコク(タイ)生まれ、同地を拠点に活動しています。現代アート制作に加え、ランドスケープ・アーキテクチャー・デザインも手掛けています。信仰や宗教に関連する建築の形、質感、空虚な空間に関心を持ち、鑑賞者との相互作用を促す建築的・彫刻的作品で知られています。「アートは人々の意識を刺激するコミュニケーションの一形態である」という信念のもと、空間の文脈や素材の意味を深く研究し、仏教の「無常と空虚」の原則を反映した作品は、深い内省のための空間を提供し、鑑賞者が自分の内面と再びつながることを促します。バンコク・アート・ビエンナーレ(2018年)、タイランド・ビエンナーレ(2024年)等に参加しています。

岡﨑 乾二郎

岡﨑乾二郎氏のポートレート

1955年東京都生まれ。アーティスト、評論家として活動しています。絵画、彫刻、風景、建築など多岐にわたる作品を手がけ、1982年のパリ・ビエンナーレ招聘以来、数多くの国際展に出品してきました。総合地域づくりプロジェクト「灰塚アースワーク・プロジェクト」の企画制作、「なかつくに公園」(広島県庄原市)等のランドスケープデザイン、「ヴェネツィア・ビエンナーレ第8回建築展」(日本館ディレクター)、現代舞踊家トリシャ・ブラウンとのコラボレーション公演「I love my robots」など、常に先鋭的な芸術活動を展開しています。豊田市美術館、東京都現代美術館ほかで個展・企画展を多数開催し、2026年には第67回毎日芸術賞(美術Ⅰ部門)を受賞しました。批評活動でも高い評価を受け、芸術選奨文部科学大臣賞、毎日出版文化賞を受賞しています。

冬の新展示について

今津景+バグース・パンデガ「Currents without Anchors(錨なき流れ)」展

海をめぐる資源の移動、欲望の拡張、そしてそれに伴う災害と記憶を、「流れ(current)」「浄化と保存」「破壊と再生」といった概念を通して可視化を試みる展覧会です。過去・現在・未来や神話と史実が交差・重なり合う空間は、波のように変化する光、大量の流木や大画面の絵画、3Dプリンターによる壁面彫刻など多様な作品群と自然の素材が繋がり、呼吸をする「巨大な生命体」のようです。鑑賞者はその中で、私たちが生きる環境や世界の現状について深い思索に誘われます。(日程は確定次第発表されます)

今津景氏とバグース・パンデガ氏の展示イメージ

今津景氏とバグース・パンデガ氏の展示イメージ2

冬の展示作家プロフィール

今津 景

1980年山口県生まれ。バンドン(インドネシア)を拠点に活動しています。インターネット時代の膨大な画像アーカイブを掘り起こし、断片化したデジタル空間を考古学的に再構成する作家です。リサーチを基盤に3Dレンダリングやデジタルスケッチを用いて下絵を組み立て、CGIやUnreal Engine、3Dプリントも導入しつつ、直感と身体感覚に根ざした絵画を展開しています。2018年のインドネシア移住以降は、群島部の神話・口承と多層的な植民地史、日本の戦時関与を層状の領域として扱い、近年は東京オペラシティアートギャラリーやMuseum MACANでの個展を通じて、映像・彫刻・没入型インスタレーションへと表現を拡張しています。

バグース・パンデガ

今津景氏とバグース・パンデガ氏のポートレート

1985年ジャカルタ(インドネシア)生まれ。バンドン(インドネシア)を拠点に活動しています。16世紀の香辛料交易からパーム油、電池用ニッケルに至るまで、資源抽出の歴史と現在を主題とし、DIY/ハッカー的手法で身近なテクノロジーや植物、希土類鉱物、楽器を組み合わせた装置を制作しています。人の気配など超局所的な環境変化に応答し、音や運動を生む機械や化学反応を作動させるインスタレーションを発表。バンドン工科大学で修士号を取得し、近年はクンスターレ・バーゼルやスイス・インスティチュートで個展を開催するなど、活躍の場を広げています。

冬の展示替えまで継続展示される作品

以下の作家の作品は、冬の展示替えまで引き続きご鑑賞いただけます。

  • N・S・ハルシャ(多目的カフェスペース「&CAFE」:1階)

  • マルタ・アティエンサ、ヘリ・ドノ、ヘリ・ドノ&インディゲリラ、パナパン・ヨドマニー(ギャラリー1:1階)

  • ソ・ドホ(ギャラリー2:地下1階)

  • 村上隆、会田誠(ギャラリー3:地下2階)

  • 蔡國強(ギャラリー4:地下2階)

※展示アーティストは今後変更になる可能性がございます。

パブリック・プログラムについて

直島新美術館では、展覧会の企画・展示とともに、パブリック・プログラム等を通して、人々が繰り返し訪れ、島内外の多種多様な人々が出会う交流・連携の場となることを目指し、2026年も様々なプログラムを予定しています。2026年4月に予定している各種プログラムは以下の通りです。詳細は次回のリリースで発表されます。

※お申込み方法については、内容により異なります。詳しくは直島新美術館へお問い合わせください。
※毎週水曜日に実施しておりましたギャラリーツアーは、展示替え準備に伴い、しばらくの間休止されます。

トーク「時代のリアリティ―写真で振り返る日本現代史」

歴史書編集者の原真喜夫氏を講師にお迎えし、日本の戦前から現在までの流れを数多くの写真資料で振り返り、展示作品の背景にある時代のリアリティに迫ります。

  • 日時: 4月10日(金) 16:30~18:45(講義70分、質疑応答30分、交流会30分)予定

  • 会場: 直島新美術館 多目的カフェスペース「&CAFE」

  • 登壇者: 原真喜夫氏(「ザ・クロニクル:戦後日本の70年」編集者)

  • 参加費: 無料

  • 定員: 50名(予約制、先着順)

  • 詳細: https://benesse-artsite.jp/news/20260318-3446.html

ワークショップ《瀬戸内「漂泊 家族」写真館》出張写真スタジオ in 直島新美術館

アーティスト下道基行氏による、直島諸島の漂着物で作られたカメラを用いた町民限定の写真スタジオが、宮ノ浦から本村に出張します。写真の被写体になる体験に加え、漂着物カメラ内部の仕組みを学んだり、撮影をしたり、暗室内での現像の見学もできます。

トーク・パフォーマンス・ワークショップ スペシャル「ヘリ・ドノ」デー [日本語通訳あり]

インドネシアのアーティスト、ヘリ・ドノ氏と、大阪を拠点にワヤンを日本国内に広める活動を行っているマギカマメジカのメンバーである西田有里氏が、現在展示中の大型絵画作品《ヘリ・ドノ論の冒険旅行》について語り合います。絵画に描かれた様々な過去の作品やモチーフだけでなく、インドネシアの現代史や文化についても理解を深める機会となります。その他、インドネシアの伝統的な影絵芝居「ワヤン・クリ」のパフォーマンスやワークショップも実施されます。

  • 日時: 4月26日(日)

    • 13:00~14:30 ワークショップ

    • 15:00~15:30 パフォーマンス

    • 16:00~17:00 トーク(予定)

  • 会場: 直島新美術館 ギャラリー1(パフォーマンス、トーク)、多目的カフェスペース「&CAFE」(ワークショップ)

  • 登壇者: ヘリ・ドノ(アーティスト)、マギカマメジカ

  • 参加費: 無料

  • 詳細: https://benesse-artsite.jp/news/20260331-3475.html

展示替えに伴う休館

2026年5月18日(月)から6月6日(土)までの期間は、直島新美術館全エリア(&CAFE含む)が臨時休館となりますので、ご注意ください。

直島新美術館 基本情報

  • 所在地: 香川県香川郡直島町3299-73

  • 開館時間: 10:00 ~ 16:30(最終入館16:00)

  • 一般問い合わせ先: info-newmuseum@fukutake-artmuseum.jp

  • 休館日: 月曜日(ただし、祝日の場合開館、翌日休館)※不定休あり。最新情報はベネッセアートサイト直島ウェブサイト開館カレンダーにてご確認ください。

  • 駐車場: 一般車両20台、自転車15台程度(いずれも無料)

  • 施設URL: https://benesse-artsite.jp/art/nnmoa.html

チケットについて

  • 鑑賞料金: オンライン購入(日にち指定)1,500円/窓口購入1,700円/15歳以下無料

  • 新展示をご鑑賞いただける6月7日(日)以降のオンラインチケットは、2026年4月10日(金)10時より発売されます。

  • チケット販売: ベネッセアートサイト直島美術館予約サイト https://benesse-artsite.jp/general-information.html にて

ベネッセアートサイト直島について

「ベネッセアートサイト直島」は、直島・豊島(香川県)、犬島(岡山県)を舞台に、株式会社ベネッセコーポレーションと公益財団法人 福武財団が展開しているアート活動の総称です。瀬戸内海の豊かな自然と地域固有の文化の中に現代アートや建築を配し、唯一無二の場所を創り出すことを基本方針としています。訪れる人々がアート作品との出会いや瀬戸内の風景、地域の人々との触れ合いを通して、ベネッセコーポレーションの企業理念である「ベネッセ―よく生きる」とは何かについて深く考えるきっかけとなることを目指しています。また、活動を通じて地域の環境・文化・経済すべての面において社会貢献できるよう、現代アートと地域が共に成長し続ける関係を築くことを大切にしています。

ベネッセアートサイト直島の歴史: https://benesse-artsite.jp/about/history.html