国宝「動植綵絵」高精細複製品、東京国立博物館 表慶館で一般公開
国立文化財機構 文化財活用センターとキヤノン株式会社は、「文化財の高精細複製品の制作と活用に関する共同研究プロジェクト」の一環として、皇居三の丸尚蔵館が収蔵する国宝「動植綵絵」(伊藤若冲筆)の高精細複製品を制作しました。この完成した複製品は、2026年4月17日(金)から5月17日(日)まで、東京国立博物館 表慶館にて一般公開されます。

左から、【高精細複製品《動植綵絵》のうち:老松孔雀図[展示期間:4/17~5/1]、群鶏図[展示期間:4/17~5/1]、牡丹小禽図[展示期間:5/2~5/17]】 全て キヤノン株式会社制作(2026年)、皇居三の丸尚蔵館収蔵
共同研究プロジェクトによる「動植綵絵」高精細複製品の制作
文化財活用センターとキヤノンは、2018年10月より共同研究を進め、より多くの人々が文化財に親しみ、深い文化体験を得られる機会の提供を目指しています。これまでに18作品の高精細複製品を制作し、ガラスケースなしで細部まで鑑賞できる展示や、教育機関向けプログラム、映像と組み合わせた体験型展示など、オリジナルの文化財では難しい鑑賞体験を実現してきました。
今回複製品が制作された国宝「動植綵絵」は、江戸時代中期の画家・伊藤若冲が約10年をかけて完成させた、全30幅に及ぶ花鳥画の大作です。植物、鳥、昆虫、魚貝といった様々な生き物が瑞々しく描かれており、若冲の代表作として広く知られています。
複製品の制作には、特定非営利活動法人 京都文化協会とキヤノンが推進する「綴プロジェクト」の技術が用いられています。キヤノンの入力、画像処理、出力技術と、京都の伝統工芸の匠の技が融合することで、絵師の筆遣いや岩絵具の鮮やかな色彩など、オリジナルの文化財が忠実に再現されています。さらに、本作品のために新たに開発された絹本を使用することで、高い色再現性が可能となりました。
東京国立博物館 表慶館での一般公開
完成した複製品は、東京国立博物館 表慶館にて一般公開されます。表慶館で「動植綵絵」が展示されるのは、1926年の原本展示以来、およそ100年ぶりとなります。
会期中は、「動植綵絵」の高精細複製品が前期・後期に分けてそれぞれ15幅ずつ展示されます。また、2023年度に本プロジェクトで制作された国宝「唐獅子図屏風」(狩野永徳筆)の高精細複製品も併せて展示される予定です。
表慶館での展示概要
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イベント名: 皇居三の丸尚蔵館 グランドオープンプレイベント in表慶館 高精細複製 伊藤若冲「動植綵絵」 狩野永徳「唐獅子図屏風」
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会期: 2026年4月17日(金)~5月17日(日)
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前期:4月17日(金)~5月1日(金)
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後期:5月2日(土)~5月17日(日)
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会場: 東京国立博物館 表慶館 (東京都台東区上野公園13-9)
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開館時間: 9:30~17:00 (入館は閉館の30分前まで)
- 毎週金・土曜日、5月3日(日・祝)、4日(月・祝)、5日(火・祝)は20:00まで開館
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休館日: 月曜日 (ただし、4月27日(月)、5月4日(月・祝)は開館)
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入館料: 表慶館への入館は無料 (事前予約不要)
- ただし、東博コレクション展(平常展)または特別展の観覧券が必要です。
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主催: 皇居三の丸尚蔵館
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特別協力: 東京国立博物館、文化財活用センター、キヤノン株式会社、特定非営利活動法人 京都文化協会
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前期・後期の展示内容の詳細については、皇居三の丸尚蔵館のホームページをご確認ください。
文化財活用センターとキヤノンの新たなプロジェクト
文化財活用センターとキヤノンは、これまでの文化財高精細複製品制作・活用に関する取り組みをさらに発展させ、2026年4月より新たに「複製を用いた文化財の理解促進プロジェクト」を開始します。このプロジェクトでは、独立行政法人国立文化財機構の収蔵品について、「綴プロジェクト」の技術を活用して高精細複製品を制作するとともに、新しい活用方法の開発やモデル事業の実施に関する共同研究と実証実験が行われます。両者は今後も連携を強化し、より多くの人々が文化財に親しむ機会と、より深い文化体験を提供していくことでしょう。
「綴プロジェクト」について
「綴プロジェクト」は、キヤノンと京都文化協会が2007年から共同で推進している社会貢献活動です。日本古来の貴重な文化財の中には、海外に渡ったり国宝として厳重に保管されたりしているため、鑑賞の機会が限られているものが少なくありません。
このプロジェクトでは、キヤノンのイメージング技術と京都伝統工芸の匠の技を融合させ、オリジナルの文化財を忠実に再現した高精細複製品を制作しています。制作された複製品は、文化財ゆかりの社寺や自治体、博物館などへ寄贈され、一般公開や学校教育の現場など、多岐にわたる場面で活用されています。これまでに、葛飾北斎や俵屋宗達、尾形光琳の作品など、60作品を超える高精細複製品が生み出されてきました。
「綴プロジェクト」の詳細は、以下のホームページでご確認いただけます。
文化財活用センターについて
文化財活用センターは、2018年に国立文化財機構内に設立された、文化財活用のためのナショナルセンターです。「文化財を1000年先、2000年先の未来に伝えるために、すべての人びとが、考え、参加する社会をつくる」というビジョンを掲げ、「ひとりでも多くの人が文化財に親しむ機会をつくる」ことをミッションとして、様々な活動を展開しています。
文化財活用センターの関連情報は、以下のURLからご覧いただけます。
