「QUIET CLASSIC」展、WALL_alternativeで開催中:日本の精神性と伝統を現代の視点で再解釈

「QUIET CLASSIC」展、WALL_alternativeで開催中:日本の精神性と伝統を現代の視点で再解釈

東京・西麻布に位置する夜のオルタナティヴ・スペース「WALL_alternative」では、日本の伝統的な技法や精神に宿る静かな輝きを現代の視点から問い直す展覧会「QUIET CLASSIC」が開催されています。本展は、時を重ねて受け継がれてきた日本の精神性を、現代の視点から深く読み解くことを試みるものです。

ギャラリー空間

現代に息づく伝統の価値を問い直す

この展覧会では、先人たちが遺した日本の伝統的な技法や営みに着目し、現代的な視点と実験性を加えた4組の作家、福田周平氏、染谷聡氏、神谷遼氏&下山明彦氏、佐藤伸昭氏の作品が紹介されます。移り変わりの激しい現代において見過ごされがちな根源的な営みの価値を、改めて深く考察する機会となるでしょう。

展覧会の見どころ

佐藤伸昭氏による緻密な新作

入口正面の壁面では、佐藤伸昭氏による約2メートルに及ぶ新作が鑑賞者をお迎えします。編みかごの構造を緻密な手作業によって合板へと落とし込んだこの作品は、反復される編み目の構造が静かなリズムを生み出し、素材と手仕事が積み重ねてきた時間の層を空間に浮かび上がらせます。

佐藤伸昭作品

染谷聡氏の〈みしき〉と神谷遼氏&下山明彦氏の〈あの場所〉

階上では、染谷聡氏の作品群〈みしき〉が展示されています。枝や石などの収集物のために漆で制作された器を組み合わせた作品が広がり、会場に新たな風景を創り出します。

染谷聡作品

また、神谷遼氏&下山明彦氏による作品〈あの場所〉は、新作を中心に複数展示されています。個々の作品に向けられる視線を自然と研ぎ澄ませていくような、独特の視覚体験が生まれることでしょう。

神谷遼作品

福田周平氏の銀箔作品とTokyo Productのチェア

会場奥では、福田周平氏による異なる色味の銀箔作品が並べられています。時間の経過や設置環境の差異によって表面に現れる変化の違いを、ゆっくりと鑑賞することができます。

福田周平作品

作品の前には、Tokyo Productがデザインした熊本県産イグサのチェアが設えられており、腰を下ろして空間と作品の関係性を感じながらご覧いただけます。

Tokyo Product チェア

味覚でも体験する展覧会コンセプト

併設のバーでは、展覧会のコンセプトを味覚でも体験できる特別メニューが展開されています。「良いワインは素材から」を掲げる「シャルマンワイン」と山梨県のブランド魚「富士の介」によるワインペアリングが提供されるほか、京都を拠点に活動する〈7T+〉のキュレーションによる阿波番茶と台湾ジャスミン茶のジェラートと、それぞれに寄り添うお茶も期間限定で楽しめます。

シャルマンワイン
ジェラートとお茶

出展作家紹介

神谷遼 / Ryo Kamiya

2002年生まれ。東京藝術大学デザイン科に在学中、アートとデザインの境界に関心を持ち、デジタルメディアと人間の視覚の差異から生まれる「視覚的なバグ」をテーマに作品を制作しています。アートコレクティブ「Art corrective ALT」では、アートを用いたワークショップを通じて社会との関わりを深めています。
Instagram: https://www.instagram.com/yankami0122/

佐藤伸昭 / Nobuaki Sato

武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科を卒業後、東京を拠点に活動。素材の背景や文脈に注目し、構造や加工方法への多角的な視点から、物に宿る意味や関係性に新たな気づきを促す作品を制作しています。
Instagram: https://www.instagram.com/nobuakisato8/

染谷聡 / Satoshi Someya

1983年東京都生まれ。幼少期をインドネシアで過ごし、装飾行為に関心を持ちました。京都市立芸術大学大学院工芸科漆工専攻博士課程を修了後、漆を時間や文化、感覚を媒介する「メディア」として捉え、「装飾」を人と自然、歴史との交感を可能にする読み物として表現しています。2015年には京都市芸術新人賞を受賞しました。

福田周平 / Shuhei Fukuda

群馬県出身の現代アーティスト。日本画の研鑽を経て、日本の伝統的な素材と技法を基盤に銀箔を主な素材とし、現代的なアプローチを試みています。銀箔が自然に放置されることで生じる変色を、作家と素材の緩やかな関係性の表象と捉え、自然と人為のあわいに立ち現れる変化そのものを作品化することで、東洋的な自然観と美的感覚を探求しています。
Instagram: https://www.instagram.com/shuhei.199431/

Tokyo Product

デザイナー/アーティストの甲田ヨシアキ氏が設立。ジャンルを超えて国内外でデザインやアートディレクションを手がけています。2024年には世界初のイグサ縄を編んで制作した《IGUSA ROPE CHAIR》を発表。このチェアは、約12畳分の国産イグサを使用し、畳の上で過ごす心地よさを現代の生活様式や海外でも受け入れられるデザインを目指して制作されました。AIやデジタル社会とは対照的に、人の手仕事の結晶として、人間が本来持つ感性を静かに呼び覚ますことを目指しています。
Instagram: https://www.instagram.com/tokyo_product/

開催概要

  • 展覧会名: QUIET CLASSIC – Forms shaped by hands, time, and quiet belief.

  • 会期: 2026年3月11日(水)〜4月11日(土)

    • 日曜定休
  • 時間: 18:00-24:00

  • 会場: WALL_alternative(東京都港区西麻布4-2-4 1F)

  • 入場: 無料・予約不要

  • 詳細: https://avex.jp/wall/exhibition/778/

この機会に、WALL_alternativeで「QUIET CLASSIC」の静かで奥深い世界をぜひご体験ください。