プロローグ:大原家の古画コレクション
大原美術館を設立した七代目孫三郎は、西洋近代絵画の収集で知られる一方で、東洋の古美術を深く愛していました。備中ゆかりの画僧雪舟等楊の絶筆とされる国宝《山水図》や、浦上玉堂作品の一大コレクションなど、中国絵画収集の前提となる古画コレクションが紹介されます。

主な展示作品
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雪舟等楊《山水図》室町時代 16世紀(個人蔵、京都国立博物館寄託)国宝 ※展示期間:4月25日~5月24日
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浦上玉堂《山雨染衣図》江戸時代 19世紀(岡山県立美術館所蔵)重要文化財 ※会期中展示替えあり
第一章:大原家の中国絵画 古渡、中渡、新渡と来舶画人
日本に伝わる中国絵画は、請来時期によって古渡(中世)、中渡(近世)、新渡(近現代)に区分されますが、大原家のコレクションはこれら全てを網羅しています。東山御物として名高い国宝《宮女図》や、来舶画人である胡鉄梅が倉敷での宴席を描いた《謙受堂雅集図》(初公開)などが展示され、日本人が中国絵画に注いだ眼差しの変化をたどります。

主な展示作品
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「銭選」印《宮女図》元時代(13–14世紀)(個人蔵、京都国立博物館寄託)国宝 ※展示期間:5月9日~6月7日
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「用田」印《栗鼠図》元時代 14世紀(個人蔵)初公開
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仇英(款)《上林賦図》明時代 17世紀(大原芸術財団大原美術館所蔵)初公開
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胡鉄梅《謙受堂雅集図》清時代 1885年(個人蔵)初公開 ※会期中展示替えあり
第二章:大原孫三郎と呉昌碩コレクション
孫三郎とともに大原美術館の礎を築いた洋画家児島虎次郎は、中国の古文化を深く敬愛し、複数回中国を訪れました。孫三郎が多数所蔵する「中国最後の文人」と称される呉昌碩の作品群は、全て児島が現地で買い求めたものです。児島の目で選び抜かれた呉昌碩作品は、特別な輝きを放つコレクションとして紹介されます。

主な展示作品
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呉昌碩《倣沈周僧庵山水図》1912年(個人蔵)
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呉昌碩《牡丹玉蘭図》1913年(個人蔵)
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呉昌碩《墨梅図》1914年(個人蔵)
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王一亭《朱達磨図》1921年(個人蔵)
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児島虎次郎《菜果図》1922年(個人蔵)
第三章:大原總一郎と大原美術館の中国絵画
戦後の大原美術館を率いた八代目總一郎は、東洋文物の展示施設「東洋館」の新設を進めました。青春時代に児島の思想に触れ、戦後は京都大学の研究者たちから多くを学びました。国交断絶下でビニロンのプラント輸出を実現するなど、總一郎の中国への深い思いと文化理解がうかがえます。本章では、大原美術館に収蔵された中国絵画とともに、十数年ぶり、かつ修復後初公開となる《五牛図巻》が展示されます。

主な展示作品
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董源(款)《群峰霽雪図巻》明時代 15-16世紀(大原芸術財団 大原美術館所蔵)
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韓滉(款)《五牛図巻》(大原芸術財団 大原美術館所蔵)
開催概要
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会場:大原美術館 本館 5~7室(岡山県倉敷市中央1-1-15)
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会期:2026年4月25日(土)~同年6月7日(日)
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休館日:月曜日(ただし、4月27日、5月4日は開館)
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開館時間:9:00~17:00(入館締切 16:30)
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観覧料:大原美術館入館券(本館、工芸・東洋館、児島虎次郎記念館共通)
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一般:2,000円
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小学生・中学生・高校生または18歳未満:500円
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小学生未満:無料
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各種優待制度があります。
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主催:公益財団法人大原芸術財団 大原芸術研究所・大原美術館
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後援:大原美術館後援会
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監修:板倉聖哲(東京大学東洋文化研究所 教授)
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特別顧問:守安收(岡山県立美術館 館長)
詳細は大原美術館公式サイトをご覧ください。
https://www.ohara.or.jp/
