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【YUGEN Gallery】開廊4周年記念展〈後期〉 脳神経回路とスマートフォン——版画とデジタル時代の書が問う「不可視の痕跡」

YUGEN Gallery開廊4周年記念展〈後期〉「不可視の痕跡」

本展は、異なる表現手法である版画と書が、目に見えない時間や行為の層を見つめる試みです。版画は工程の積み重ねによって時間の重なりを定着させ、書は身体的な行為によって痕跡を刻みます。両者はそれぞれに「積み重ね」と「瞬間」を内包しながら、画面上に不可視の痕跡を立ち上げます。

植田爽介氏の制作:脳神経回路を軸に

植田氏の制作において、脳神経回路シリーズ《imagination Series》は重要な軸となっています。このシリーズでは、MRIおよびMRAによって測定された自身の脳のデータを基に、神経回路や血管構造をモチーフとして版画で再構築しています。

また、《imagination Series》の発展形である《imagine Series》も展示されます。こちらは動物の写真と製図用文房具の写真を組み合わせることで、有機的存在と無機的存在が交錯する不定形なフォルムを生み出す作品です。ここでも、異なる秩序が交差し、新たな構造が浮かび上がります。

植田爽介氏作品イメージ

田中岳舟氏の制作:媒体の変容と書の身体性

田中氏は、書が担ってきた「記録」や「伝達」という役割を、現代のメディア環境の中で問い直しています。

本展では、スマートフォンを媒介とした複数の作品を発表します。キーボードを想起させる画面を支持体に見立て、「タイプする痕跡」を書として残す作品は、スマートフォンの普及により「画面」が触れて操作する存在へと変化した現代において、画面の意味の変容を額上の痕跡として提示します。

さらに、スマートフォンを筆に見立て、空中に文字を書く行為をビデオで記録し、そこから抽出された画像を作品として定着させる試みも行われます。反復の中から選び取られる一枚は、書における身体性と決断の構造を、現代的な媒体を通して再考するものです。

田中岳舟氏作品イメージ

異なる方法論が交差する共通の問い

植田氏と田中氏の実践は、扱う素材も制作の起点も大きく異なります。しかし、両者が向き合っているのは、時間と身体、思考がどのように痕跡として定着するのかという共通の問いです。

植田氏は、自身の脳神経回路をモチーフに、思考や記憶が結び直され、循環し、再編成される過程を版画の工程によって重層的に構築します。版を重ねる行為は、時間を蓄積し、圧縮し、構造として画面に固定するプロセスでもあります。彼の作品において、時間は厚みを持った層として現れます。

一方、田中氏は、書という行為が現代の媒体環境の中でどのように変容しているのかを問い直します。文字を書く行為は、画面への入力や記録へと姿を変えましたが、最終的に作品として残るのは、選び取られた一瞬の身体的痕跡です。時間は反復のなかで蓄積されながらも、決断の一点へと凝縮されます。

この差異は単純な対立ではありません。書は一瞬の芸術と見なされがちですが、その一枚は幾度もの試行と反復のうえに成立しています。同様に、版画は工程の蓄積によって像を形成しますが、刷りや剥がしの局面には決定的な瞬間が存在します。

版画においても書においても、時間は「重ねられる」と同時に「切り取られる」ものです。植田氏の版画では、時間は主として層となって画面に沈殿し、決定の瞬間はその蓄積の臨界点として現れます。田中氏の書では、時間は主として一瞬へと収束しますが、その背後には見えない反復の層が横たわっています。

工程に分散する身体と、一点に集中する身体。持続としての時間と、凝縮としての時間。両者は時間の構造において異なる傾きを持ちながらも、目に見えない思考と身体の緊張を、作品という形へと定着させています。「不可視の痕跡」とは、重ねられた層であると同時に、選び取られた瞬間でもあるのです。

開催概要

  • タイトル: 不可視の痕跡

  • 期間: 2026年2月26日(木)〜3月22日(日)

  • 開館時間: 平日13:00〜19:00 土日祝日13:00〜20:00

    • 最終日のみ17:00終了

    • 入場は閉場30分前まで

    • 会期中無休

  • レセプション: 2026年2月28日(土)17:00〜20:00

  • 場所: YUGEN Gallery

  • 住所: 東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F

  • 入場料: 無料

詳細はギャラリー公式サイトをご覧ください。
ギャラリー公式サイト

作品販売について

展覧会開催と同時にYUGEN Gallery公式オンラインストアにて、作品の閲覧・ご購入が可能となります。

アーティスト・プロフィール

植田爽介/Sosuke Ueta

植田爽介氏

版画が持つ印刷による複数性や、絵画とデザイン両方の要素をイメージの起点とし、分野の横断を試みています。作品制作の過程においては、自身の原風景である瀬戸内の海景のように、人と自然が並列に共生する関係性について再考し、それを版画技法や複製技術におけるインダストリアルな側面、マテリアルごとに生じる視覚的な差異などを通してビジュアル化することを試みています。

巨視的な視点にさせるジオラマに見立てた小さな仮想都市から、空間全体を使った展示方法でミクロ化させる体感まで、鑑賞者の縮尺を揺さぶる平面・立体作品、インスタレーションを国内外で多数発表しています。主な個展やグループ展に「RE : habilitation」(藝大アートプラザ/東京/2024)、「satellite」(つくばエキスポセンター/茨城/2023)などがあります。令和3年度文化庁新進芸術家海外研修生など、受賞歴も豊富です。

田中岳舟 / Gakusyu Tanaka

田中岳舟氏

1990年福岡県出身。左利きをきっかけに書を始め、伝統書を学びながらも前衛書に影響を受け、現代の表現として書の精神、プロセス、概念から派生した「書から成るモノ」を探求しています。近年は、建築図面やスマートフォンカメラを起点に展開した作品を発表。これまでの主な展覧会に、ART SHODO EDGE(GALLERY SCENA.、2023年)、Planning#2(博多阪急、2024年)、GENGO展(田口美術、2024年)、Congentecton(IAF SHOP* 、2025年)などがあります。

YUGEN Galleryについて

YUGEN Galleryロゴ

YUGEN Galleryは、2022年2月に設立された、日本の現代アートを専門に扱うギャラリーです。東京・南青山と福岡・天神の2か所に拠点を持ち、運営を行っています。

ギャラリー名の「YUGEN」は、日本特有の美的概念である「幽玄」から名付けられており、その言葉が持つ「奥深さ」「崇高さ」「気品」「優雅さ」「艶やかさ」「壮麗さ」といった要素を持つ日本のアート作品の魅力を、より多くの人々に伝えたいという思いが込められています。

国内外で活躍する新進気鋭の現代アーティストを紹介し、ジャンルにとらわれない幅広い作品を展示しています。公式サイトでは日本語と英語の両方で作品のオンライン販売も行い、世界中の人々にアートを届けています。

ギャラリー概要

<YUGEN Gallery>

  • 住所: 東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F

  • 営業日: 展覧会開催期間のみ

  • 営業時間: 平日13時〜19時/土日祝13時〜20時

    • 展覧会により異なる場合があります。

<YUGEN Gallery FUKUOKA>

  • 住所: 福岡県福岡市中央区大名2-1-4 ステージ1西通り4F

  • 営業時間: 11時〜19時

  • 休業日: 毎週火曜日

    • 展示入替のための臨時休業となる場合があります。公式サイトおよび公式SNSをご確認ください。
  • 公式サイト

  • 公式SNS:

株式会社ジーンについて

株式会社ジーンロゴ

株式会社ジーンは、インターネット広告を活用したコンサルティングサービスを提供する「デジタルマーケティング事業」のほか、「アート‧メディア事業」、「ライフスタイル事業」を展開しています。

<デジタルマーケティング‧アドサービス事業>

  • 市場調査、競合調査など各種リサーチ

  • インターネット広告運用(検索、SNS、動画など)

  • SEO施策、アフェリエイト施策

  • クリエイティブ制作、システム開発

  • 各種コンサルティングサービス

  • ASPサービス「カチカチ

<アート‧メディア事業>

<ライフスタイル事業>

株式会社ジーン 企業概要

  • 代表者: 代表取締役 林田洋明

  • 資本金: 1億円(2023年1月現在/資本準備金含む)

  • 公式サイト

  • 公式SNS:

  • 所在地: 〒107-0062 東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル4F

  • 電話: 03-6380-6165

  • FAX: 03-6380-6215

  • 免許など: 古物商(美術品) 東京都公安委員会 第30331212827号、宅地建物取引業 国土交通大臣(1)第10616号、有料職業紹介事業 許可番号13-ユ-314999、特定募集情報等提供事業 51-募-001048

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