Ibex Japanの始動と「Polynodal Innovation」の提唱
2025年12月20日、Ibex Japanは日本での本格始動を記念し、東京・大阪の2都市でローンチイベントを開催しました。このイベントは、Ibex Japanが提唱する新しいイノベーションの概念「Polynodal Innovation（多点接続型イノベーション）」を体感する機会として位置づけられました。
Ibex Japanは、22カ国・30拠点以上で展開し、累計1,800社超への投資実績を持つグローバルアーリーステージVC Antlerのコーポレートイノベーション部門から誕生した、Full-Stack型のベンチャーキャピタルおよびグロースパートナーです。その独自のアプローチであるPolynodal Innovationは、先端技術、産業知見、国内外のスタートアップエコシステム、そして企業・投資家ネットワークを横断的に結びつけることで、事業創出から出資、グローバル展開までを一貫して支援することを目指します。
ローンチイベント：日本発イノベーションの未来を議論
東京・大阪の両都市で開催されたローンチイベントには、国内外のコーポレートエグゼクティブ、投資家、スタートアップ、研究者が集結しました。DeepTech、Web3、IPの商業化、そしてPolynodal Innovationを主要テーマとして、日本企業および日本発DeepTechスタートアップの次なる成長モデルについて活発な議論が交わされました。
特に大阪でのイベントでは、大阪府の吉村洋文知事より祝辞が寄せられ、Ibex Japanの取り組みを通じた関西発のイノベーションに対する大きな期待が表明されました。
Ibex Japanは、日本各地が有する産業基盤、研究資産、人材集積を起点とし、地域特性を活かした分散型イノベーションの創出を推進しています。ローンチイベントでは、各地域における注力領域を具体的に示すセッションを通じて、地域発のイノベーションをグローバルへと繋ぐIbex Japanのアプローチが紹介されました。
関西の注力領域：DeepTechイノベーションプラットフォーム
関西エリアでは、「Ibex Kansai DeepTech Innovation Platform」を中心に、量子、マテリアルサイエンス、バイオテクノロジー、次世代エネルギーといったDeepTech領域を重点分野としています。
大学・研究機関、スタートアップ、大企業が高密度に集積するこの地域を起点に、Ibex Japanは、グローバル市場を前提としたDeepTechスタートアップのPoC設計・実行、海外展開、CxO人材のマッチング、そして出資といった一気通貫のスケールアップ支援を提供します。これにより、研究成果や技術シーズを事業化フェーズへと繋ぎ、関西発のDeepTechスタートアップが世界市場で競争力を持つ存在へと成長するための実践的なプラットフォームを構築しています。
大阪開催のイベントでは、関西発DeepTechスタートアップが世界市場へスケールするための具体的な方策や、大企業がいかに最先端スタートアップと共創すべきかについて、新たなオペレーションモデルの観点から議論が展開されました。
東京の注力領域：Web3とIPによる新たな事業創出
東京では、「Ibex × Cardano Web3 Venture Builder Program」を通じて、IPトークン化やブロックチェーン技術を活用したWeb3領域に注力しています。
世界有数のコンテンツIPを有する日本において、これまでグローバル市場で十分に活用されてこなかったIPに対し、スマートコントラクトによるマイクロライセンシングやIPトークン化を通じて、利用・流通・収益化の仕組みを再設計します。これにより、世界中のクリエイターやスタートアップが活用できる事業基盤の構築を目指します。本プログラムはCardanoを基盤とし、Animoca BrandsをはじめとするIPトークン化・ブロックチェーン技術に関心を持つ様々な企業と連携しながら、最先端技術を保有する国内外スタートアップと共に、日本のIPが持つ無限の可能性を解き放ち、グローバル市場で新たな事業機会を創出していく方針です。
東京開催のイベントでは、IPとWeb3が切り拓く日本発のクリエイティブエコノミーの可能性を起点に、従来の成長モデルやオープンイノベーションが直面する限界を踏まえながら、その先にある新たな実装のあり方、すなわちPolynodal Innovationについて議論が深められました。
今後の展望：グローバルイノベーションコリドーの構築
Ibex Japanは今後、「Ibex Kansai Innovation Platform」および「Cardano × Web3 Venture Builder Program」をはじめとする様々なイノベーションプロジェクトを本格的に展開していきます。
また、済州創造経済革新センターとAntler Ibexは、グローバル・オープンイノベーション推進に向けた戦略的業務協約を締結しました。この連携を通じて、エネルギー、Climate Tech、バイオ、モビリティ、AIなどの分野におけるスタートアップの共同発掘・育成、PoC連携、海外展開支援、フォローオン投資を進める計画です。本連携を皮切りに、Ibex Japanは、日本と世界のイノベーション拠点を結ぶ「コリドー」を段階的に構築し、地域に根ざしたイノベーションをグローバルに循環させるネットワークを形成していく構えです。
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