環境省の方針転換を受け、どうぶつ基金が「ノネコ」「ノイヌ」のリスト除外を求め意見書と公開質問状を提出

環境省の方針転換と残る課題

検討会において、「ノネコ」から「イエネコ」へ、また「ノイヌ」から「イヌ」への表記変更は見送られる方向となりました。これは、多くの方々が声を上げ続けた成果と言えるでしょう。全国から寄せられた7万筆を超える署名は、環境省の判断に影響を与えた大きな民意として受け止められています。

しかし、どうぶつ基金がこの検討会を傍聴して見えてきたのは、依然として根深い課題の存在でした。

専門家も認める矛盾と現実

これまでに開催された検討会では、専門家や環境省から以下のような懸念が示されています。

  • 「ノネコ」と「ノラネコ」、飼い猫の区別が困難であること
    山にいる猫も、町にいる猫も、家庭から逃げ出した猫も、人に捨てられた猫も、命としての本質的な違いはありません。これは犬にも共通する認識です。複数の委員から、「実態としてノネコとノラネコは区別できないこと」「猫は猫であって線引きが難しい部分は確かにある」といった発言が出ており、「ある個体がノラネコなのか飼い猫なのかを一概に判別できない状況等があり、外来種対策としての捕獲を推進するうえでの問題がある」との発言も確認されています。現場で明確に区別することは現実的に不可能であると、検討会自身が認めている状況です。

  • 「ノネコ」「ノイヌ」だけではリストが機能しないという指摘
    ある委員は『リストには生物名である「イエネコ」「イヌ」と記載すべきであり、この提案が受け入れられないことは許容できない』と発言し、別の委員からは、『「ノネコ」しか掲載しないのではリストを作る意義が損なわれる』と指摘されています。さらに、第5回検討会(令和7年10月23日)では、前述の委員より「ノネコ」という名称が鳥獣保護管理法上の概念であり外来種対策にはなじまないこと、人に依存しない「ノネコ」は非常に限定された場所にしか生息していないこと、そして猫問題の主役は「ノラネコ」であり、これが含まれないことが最大の問題であると指摘されました。その上で、「ノネコ」と掲載することでノラネコを除外してしまっては、対策の実効性が失われる旨が述べられています。

青空を背景に壁の上で体を伸ばしている猫

このように、立場や主張は異なるものの、「ノネコとノラネコ、飼い猫は区別できない」「『ノネコ』『ノイヌ』の表記ではリストが機能しない」という事実認識は、検討会の誰もが共有している現実です。

どうぶつ基金の変わらぬ願い:すべての命を守るために

犬や猫は、どこで生きていようとも、すべて動物愛護管理法で守られるべき「愛護動物」です。どうぶつ基金の立場は一貫しており、「ノネコ」「ノイヌ」も含め、これらを外来種リストから完全に除外すべきだと考えています。この根深い課題を曖昧なまま終わらせないため、どうぶつ基金は環境省に対して、意見書と12項目にわたる公開質問状を提出しました。

緑色の目が印象的な黒猫

今回の「イエネコ、イヌ指定の見送り」はあくまで通過点であり、命の線引きに怯えることのない未来をつくるため、どうぶつ基金はこれからも諦めずに環境省へ働きかけを続けていくとのことです。

引き続き署名活動へのご協力をお願いします

どうぶつ基金では、皆さまの「声」が未来を変える一番の力であると考え、Change.orgでオンライン署名を引き続き行っています。集まった声は、環境省への働きかけに活用されますので、引き続きご協力をお願いいたします。

公益財団法人どうぶつ基金について

公益財団法人どうぶつ基金のロゴマーク

公益財団法人どうぶつ基金は、1988年の創設以来、猫をはじめとする動物の福祉と適正管理に一貫して取り組んでいます。全国598の自治体(行政)と協働し、「さくらねこ無料不妊手術事業(TNR)」を実施。これまでに44万頭を超える野良猫や多頭飼育崩壊の猫に無料不妊手術を行ってきました。環境省とも動物愛護管理の分野で連携し、これまでに35を超える自治体から表彰状や感謝状を受けています。

  • 名称:公益財団法人どうぶつ基金(Animal Action Fund)

  • 住所:兵庫県芦屋市奥池南町71-7

  • 設立:1988年6月

  • 理事長:佐上 邦久

  • 公式サイトhttps://www.doubutukikin.or.jp

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