勘違い1:「水だけなら、たくさん飲めば安心」は本当?
夏の水分補給で最も多い勘違いの一つに、「水なら、たくさん飲んでも大丈夫」という考えがあります。
普段の生活でこまめに水を飲むことは非常に大切ですが、炎天下での作業や激しい運動、発熱、下痢などで大量の汗をかいているにもかかわらず、水だけを大量に飲み続けることには注意が必要です。
汗をかくと、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も一緒に失われます。その状態で水だけを大量に補給すると、血液中のナトリウム濃度が薄まり、「低ナトリウム血症」を引き起こす可能性があります。
低ナトリウム血症の症状としては、頭痛、だるさ、吐き気、ぼんやりするといったものがあり、重症化すると意識障害やけいれんにつながることもあります。
ここで重要なのは、「水が悪い」ということではありません。大量に汗をかいた時には、水分と同時に失われた塩分や電解質も補う必要がある、ということです。
勘違い2:「スポーツドリンクなら安心」は思い込みかもしれません
もう一つのよくある勘違いは、「スポーツドリンクを飲んでいれば安心」という考えです。
スポーツドリンクは、運動時や大量に汗をかいた際に、水分と糖分、電解質を効率よく補給できるため、非常に有用な飲み物です。状況によっては体への吸収を助ける効果も期待できます。
しかし、日常生活の中で水代わりに飲み続けると、糖分の過剰摂取につながることがあります。
特に以下のような方は注意が必要です。
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糖尿病のある方
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血糖値が高めの方
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肥満が気になる方
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甘い飲み物を日常的に飲むお子さん
暑いからといってスポーツドリンクや甘い飲み物を習慣的に摂取し続けると、血糖値の急上昇や体重増加を招く可能性があります。また、糖尿病の方は、強いのどの渇きが血糖値上昇のサインであることもあります。その状態で甘い飲み物を重ねて飲むことは、さらなる血糖値の上昇という悪循環につながるかもしれません。
そのため、スポーツドリンクは「いつでも飲んでよい飲み物」ではなく、「必要な場面で活用する飲み物」として捉えることが大切です。

勘違い3:「のどが渇いてから飲む」では遅いこともあります
3つ目の勘違いは、「のどが渇いたら飲めば大丈夫」という考えです。
若い方でも、仕事や部活動などで忙しくしていると、水分補給を後回しにしてしまうことがあります。また、高齢者の方では、加齢により暑さやのどの渇きを感じにくくなる傾向があります。体内の水分量も減少しやすいため、気づいたときには脱水が進んでいるケースも少なくありません。
冷房の効いた室内にいても安心はできません。汗だけでなく、呼吸や尿などによって体からは常に水分が少しずつ失われています。
したがって、水分補給は「のどが渇いたから飲む」のではなく、「のどが渇く前に飲む」習慣を身につけることが重要です。
正しい水分補給のポイント:「量・質・タイミング」
では、夏の水分補給はどのように考えればよいのでしょうか。大切なのは「量」「質」「タイミング」の3つのポイントです。
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量:一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯程度をこまめに飲むのが基本です。
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質:日常生活で汗をあまりかかない場合は、水や麦茶で十分です。
一方で、屋外での作業、スポーツや部活動、発熱、下痢、食事が十分に取れない時、大量に汗をかいた時には、水分だけでなく塩分や電解質も意識して補給する必要があります。
経口補水液は脱水時には有用ですが、塩分や糖分を含むため、日常的に水代わりに飲むべきではありません。また、高血圧、心臓病、腎臓病、糖尿病などの持病がある方は、使用方法について必ず医師や薬剤師に相談してください。 -
タイミング:生活の節目で飲む習慣をつくるのがおすすめです。
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起床後
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朝食時
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外出前
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帰宅後
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入浴前後
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就寝前
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あらかじめ飲むタイミングを決めておくことで、飲み忘れを防ぎやすくなります。ただし、夜間頻尿がある方は、就寝直前に飲みすぎると睡眠の妨げになることがありますので、日中から夕方までにこまめに水分を補給するよう工夫しましょう。

尿の色も体からの大切なサイン
水分不足を判断する目安の一つとして、尿の色があります。日中も濃い黄色の尿が続く、尿量が少ない、口が乾く、立ちくらみがある、頭が重い、足がつる、といった症状がある場合は、脱水のサインかもしれません。
ただし、朝一番の尿は濃くなりやすいことや、ビタミン剤や薬の影響で色が変わることもあるため、尿の色だけで判断せず、体調全体と合わせて確認することが大切です。
特に注意していただきたい方
次のような方は、脱水や熱中症のリスクが高まるため、特に注意が必要です。
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高齢者
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乳幼児
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持病のある方
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屋外で働く方
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スポーツや部活動を行う方
心臓病や腎臓病などで水分や塩分の制限を受けている方は、自己判断で水分や塩分を増やさず、必ず主治医に相談してください。
正しい一杯が、夏の体を守ります
水分補給は、「たくさん飲めば安心」という単純なものではありません。その時の体の状態に合わせて、「何を」「どのくらい」「いつ飲むか」を考えることが大切です。
水を飲むことは、体をいたわること。汗をかいた後に塩分や電解質を意識することは、頑張った体への思いやりです。甘い飲み物を選びすぎないことは、将来の血管や健康を守ることにもつながります。
毎日の水分補給は、何気ない習慣のようでいて、夏を元気に過ごすための大切な健康管理の一つです。今日の一杯を、ただ喉を潤すためだけではなく、自分自身や大切な家族の健康を守る一杯として見直してみてはいかがでしょうか。
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