北海道紋別市で自動運転バスの実証運行が開始、観光と地域交通の未来へ向けた一歩

背景と目的

紋別市では、人口減少や高齢化、そして公共交通の運転手不足が深刻な課題となっています。これにより、既存の公共交通サービスの維持が難しくなりつつあります。また、豊かな観光資源に恵まれ、年間を通じて多くの観光客が訪れる一方で、公共交通による観光地間の移動が不便であるため、観光客の周遊行動が限定されるという課題も抱えていました。

こうした状況を受け、紋別市は主要観光地へのアクセス向上や、市民および観光客双方の移動利便性向上を目指し、公共交通の維持・高度化に向けた検討を進めています。今回の実証運行は、観光シーズンにおける移動手段の確保と、将来的な地域交通のあり方を探るための重要な一歩と位置づけられています。

実証運行を通じて得られるデータや利用者の反応は、公共交通としての継続性や、地域の特性に応じた交通モデルを検討するための貴重な情報となるでしょう。

実証運行の概要

今回の実証では、紋別市の中心部からオホーツク紋別空港までを結ぶ空港連絡路線に、ガリヤ地区などの主要観光地を組み合わせた周遊ルートで自動運転バスが運行されます。これにより、観光客と地域住民の双方の移動ニーズに対応する運行形態が検証されます。

安全で安定した運行を支えるため、車両から取得されるカメラ映像や車両情報は、NTTドコモビジネスが提供する「5Gワイド」を活用して遠隔監視拠点へリアルタイムに伝送されます。これにより、運行中の車両は常にモニタリングされ、万全の遠隔監視体制が構築されています。

検証は以下の観点で行われます。

  • 実際の地域環境下における自動運転バスの安全性および安定性

  • 観光シーズンにおける移動手段としての有効性

  • 利用者の受容性や利便性に関する評価

  • 将来的な公共交通への展開に向けた課題の整理

自動運転バスの運行詳細

実証運行の詳細は以下の通りです。

  • 日時: 2026年7月27日(月)~8月9日(日)

  • 運行時間:

    • 紋別ターミナル発: 9時20分(オホーツク流氷公園行)、11時30分(オホーツク紋別空港行)、14時30分(オホーツク流氷公園行)

    • オホーツク流氷公園発: 10時10分(紋別バスターミナル行)、15時20分(紋別バスターミナル行)

    • オホーツク紋別空港発: 12時50分(紋別バスターミナル行)

  • 料金: 無料

  • お申し込み方法: 事前予約制

バス走行ルート
バスの走行ルートは、オホーツク紋別空港から主要観光地(カニの爪、流氷公園など)を経由し、紋別バスターミナルを結ぶ周遊型ルートです。乗車人数には限りがあるため、満席の際はご容赦ください。

各者の役割

本実証において、各参加者は以下の役割を担います。

  • NTTドコモビジネス: 本業務の全体統括、実証/実装計画の策定およびネットワーク環境の調査・整備

  • 紋別市: 全体統括(実施主体)

  • 北紋バス株式会社: 実証運行、遠隔監視員の派遣、ルート選定および実証/実装計画支援

  • 先進モビリティ株式会社: 実証運行・管理、自動運転車両・自動運転システムの提供、ルート選定および実証・実装計画支援

今後の展開

今回の実証事業で得られた知見をもとに、NTTドコモビジネス、紋別市、先進モビリティは、紋別市における公共交通の高度化や、観光振興と連携した新たな移動サービスの可能性について、関係者と協力しながら検討を進めていく予定です。将来的には、令和10年度(2028年度)の自動運転レベル4の実装を目指しています。

NTTコミュニケーションズ株式会社は、2025年7月1日に「NTTドコモビジネス株式会社」へ社名変更しました。企業と地域が持続的に成長できる社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として、新たな価値を創造し、豊かな社会の実現を目指しています。

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補足情報

  • 地域未来交付金(地域未来推進型): 持続可能で魅力的な地域共創を目的とし、地方公共団体が主体となって実施する取り組みを支援する国の交付金です。

  • 5Gワイド: NTTドコモビジネスが提供するモバイルネットワークサービスで、混雑エリアや時間帯においても安定した通信の維持と通信速度の向上が図れます。

  • 自動運転レベル4: 特定の運行条件のもとで、車両が自動的に運転を行い、運転者が乗車しなくても運行可能な自動運転技術レベルを指します。