高齢者に潜む熱中症のリスク
熱中症は、日常生活の中でも発症する身近な健康リスクの一つです。特に高齢者は、熱中症による救急搬送者の約6割を占めると報告されており¹、屋内で発症することが多く、重症化しやすい傾向にあります。加齢に伴い、暑さや喉の渇きを感じにくくなったり、体温調節機能が低下したりするため、自覚症状がほとんどないまま熱中症を発症・重症化するケースも少なくありません。このため、正しい知識の啓発に加え、本人が熱中症のサインに気づき、早期の行動につながる対策が強く求められています。
FACEDUO「熱中症対策VR」で疑似体験を通じた理解を促進
「熱中症対策VR」は、30年以上にわたり熱中症対策の啓発に取り組んできた大塚製薬の知見を活かし、VRによる疑似体験を通じて高齢者やその周囲の方々が熱中症対策への理解を深められるよう開発されました。このプログラムは、熱中症サインの理解と認識の再構築を促す2つのコンテンツで構成されています。熱中症のサインや加齢による身体機能の変化への理解を深めることで、適切な判断と対応を促し、高齢者自身の熱中症対策に向けた行動変容を後押しすることを目指します。
詳しい情報はFACEDUO「熱中症対策VR」のウェブサイトで確認できます。
https://www.faceduo.jp/heatstroke/
コンテンツ① サインの段階的理解 ―「熱中症のサインを知ろう」篇
このコンテンツでは、日常生活で起こりうる場面を想定し、熱中症が重症化した状況から時間を巻き戻し、中等症・軽症の段階へと遡りながら症状の進行を体験します。だるさ、めまい、こむら返りといった熱中症のサインが重症化につながることを、当事者の視点で疑似体験できます。また、各段階に応じた初動対応を学ぶことで、「気づく」だけでなく「対応できる」視点を養い、早期の気づきと対応につながる理解を深めます。

コンテンツ② 認識の再構築 ―「年齢とともに変わる熱中症対策」篇
一人暮らしの高齢者の日常を舞台に、対話形式で熱中症リスクを確認するコンテンツです。高齢になると、暑さや喉の渇きを感じにくくなるほか、筋肉量の減少により体内の水分保持力も低下します。こうした身体の変化を踏まえ、「暑くない」「まだ大丈夫」といった主観的な感覚と実際の身体状態のズレを、当事者の視点で疑似体験します。さらに、室内や夜間に潜む環境リスク、エアコン使用への心理的抵抗など、見落とされやすい要因への理解を深め、行動につながる気づきを促します。

医学監修者からの期待
日本医科大学大学院医学研究科 救急医学分野 教授であり、日本医科大学付属病院 高度救命救急センター 部長の横堀 將司先生は、このプログラムについて次のようにコメントしています。「気候変動の進行に伴い、熱中症のリスクは年々高まっており、とりわけ高齢化が急速に進む日本においては、看過できない深刻な健康課題となっています。熱中症対策の重要性は、言葉や文字だけでは十分に伝わりにくい側面があります。VR体験を通じて、身体の変化や危険の兆候を実感として理解することで、早期の気づきが促され、結果として適切な行動につながることを期待しています。」

FACEDUO(フェイスデュオ)について
「FACEDUO」は、人とテクノロジーで社会課題に対する解決策を提案するVRトレーニングプログラムです。現在、社会生活場面を教材にVRで練習できる「ソーシャルスキルトレーニング(SST)支援プログラム」や、ひきこもり者のご家族に社会参加を促す際のコミュニケーションポイントを学ぶ「ひきこもり家族支援プログラム」、認知症の方のご家族が介護を行う際の具体的な対応を学ぶ「認知症ケア支援VR」、高齢者の日常に潜む小さなフレイルの兆しを学ぶ「フレイル予防支援VR」など、計6つのプログラムが提供されています。
詳細はFACEDUOのウェブサイトをご覧ください。
https://www.faceduo.jp/

FACEDUOに関するお問い合わせは、自治体や医療機関、企業で導入を検討されている方は以下のリンクよりお願いいたします。
https://www.faceduo.jp/form/contact
大塚製薬の熱中症対策への取り組み
大塚製薬は、大塚グループの第4次中期経営計画において「地球環境」を注力する社会課題の一つとして掲げています。気候変動による猛暑日や熱帯夜の増加に伴い、体調管理や暑熱対策といった健康課題への対策の重要性が増しています。
熱中症対策においては、30年以上にわたり、スポーツ、学校、暑熱環境下の職場など、幅広いシーンと年代を対象に、水分・電解質補給の重要性を伝える啓発活動を実施してきました。全国47都道府県の800以上の自治体と健康に関する包括的な連携協定を締結しているほか、2023年には環境省との間で熱中症対策推進に関する連携協定を締結するなど、様々なステークホルダーと協働して取り組みを進めています。その他にも、自治体・学校・企業等を対象とした「熱中症対策アンバサダー®」講座の主催や、小学校・中学校・高校の教職員向け「大塚製薬の教材・資料集」の提供を通じて、正しい情報を広く伝えるための仕組みづくりを行っています。
大塚製薬は、“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”の企業理念のもと、人々の健康維持・増進に貢献してまいります。
大塚製薬の詳細はコーポレートサイトをご覧ください。
https://www.otsuka.co.jp/
¹ 総務省消防庁報道発表資料 令和7年5月~9月の熱中症による救急搬送状況(令和7年10月29日)
