広島の海の未来を育む謎解きイベント、中高生が企画・運営
一般社団法人瀬戸内プロジェクトin広島とTOPPAN株式会社は、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環として、2026年2月14日(土)と15日(日)に広島城上段にて「高校生連携 謎解きイベント」を開催しました。
このイベントは、広島の海洋ごみ問題や水産業の現状と課題を中高生自身が深く学び、その知識を小学生に伝えるための謎解き教材の作成とイベント運営に挑戦するという、約5か月にわたる取り組みの集大成です。31名の中高生(広島大学附属高校、近畿大学附属広島高等学校・中学校 福山校、愛媛県立松山西中等教育学校、なぎさ高校の生徒)が参加しました。

広島の海について深く学ぶインプット授業
イベント開催に先立ち、2025年10月18日(土)から19日(日)にかけて、参加学生を対象としたインプット授業が広島県立総合体育館中会議室で行われました。広島県環境局環境保全課、広島県漁業協同組合連合会、環境保健協会から講師を迎え、多角的な視点から広島の海の現状と課題が伝えられました。
授業内容のハイライト
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海岸漂着ごみ対策(環境保全課:樽谷先生)
広島県では、産官学民が連携する「GSHIP」を軸に、海洋ごみ削減に向けた「流出抑制」「流出防止」「回収」の3本柱で対策を推進しています。スマートごみ箱の設置やシーカヤックを用いた清掃活動、瀬戸内4県合同での清掃活動(計26tのごみを回収)など、技術と市民参加を組み合わせた取り組みが紹介されました。 -
広島の水産業と牡蠣養殖(水産課:後藤先生)
全国1位の生産量を誇る広島の牡蠣養殖は、地引式から筏式垂下養殖へと進化し、通年生産が実現しています。ホタテ貝を用いた天然採苗や、環境負荷をかけながら強い個体を選別する「抑制管理」といった特徴が説明されました。また、古くなった牡蠣筏(竹)をチップ化し防草材へ再利用するなど、循環型水産業への取り組みも紹介されました。 -
豊かな海・きれいな海・海洋プラスチック(広島県漁業協同組合連合会:渡邉専務理事)
広島の海を支える栄養塩が不足している現状や、海洋プラスチック対策として漁業者による清掃活動支援、酢酸性などの「生分解性パイプ」の検討、30箇所の漁協での「高耐久性フロート」導入といった具体的な取り組みが共有されました。 -
清掃活動への関心を高めるコツ(環境保健協会:吉井先生)
ごみ問題への関心を高めるための伝え方として、「見せる、触らせる、聴かせる、嗅がせる、食べさせる」といった五感の活用と、「褒める、のせる、自分の言葉にさせる」といったコミュニケーションの重要性が伝えられました。授業の最後には、学んだ内容を「6W+2Hシート」で整理する実践も行われました。

中高生が謎解きを通じて知識をアウトプット
インプット授業で得た知識をもとに、中高生たちは学びを言語化し、他者に伝えるための「謎解き制作」に挑戦しました。単なる知識の習得に留まらず、内容を深く理解し、問題として昇華させるプロセスに約3時間を費やし、各班独自の謎解きを完成させました。
各班が設定した謎解きのテーマは以下の通りです。
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A班:海での代替素材を使った取り組み
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B班:優しさを含む生分解性プラスチック
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C班:持続可能な水産業
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D班:ごみの循環(身近なものと牡蠣関連)
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E班:瀬戸内海のごみ問題
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F班:山と海のつながりについて
完成した謎解きコンテンツは、2026年2月14日・15日に開催された「広島城オイスターフェス2026」にて、小学生向けの無料体験イベントとして実際に運用されました。中高生は運営スタッフとしても参加し、ヒントパネルの前でイベント参加者に積極的に声掛けを行い、海洋ごみ問題について主体的に発信していました。製作された謎解きパンフレット(教材)は800部すべて配布され、そのうち591名が謎解きをクリアしました。この体験が、参加した中高生にとって今後の環境活動や社会貢献への大きな糧となることが期待されます。

参加者からの声
イベントに参加した中高生からは、「牡蠣養殖でごみが出ていることを知らなかった。この謎解きと教材でもっと多くの人にも知ってほしい」「謎解きに集中しすぎたかもしれないが、案内する時には海洋ごみの問題についても教えるように心がけた」といった感想が寄せられました。
謎解きを体験した小学生からは、「牡蠣の問題があると知らなかった。自分としてはごみの分別をしっかりしたい」「謎を解くのが難しかったけど、楽しかった」という声が聞かれました。
団体概要とプロジェクトについて
一般社団法人瀬戸内プロジェクトin広島
身近な「瀬戸内海」をフィールドに、未来へ美しい瀬戸内海を引き継ぐための活動を行っています。
https://hiroshima.uminohi.jp/about/
CHANGE FOR THE BLUE
国民一人ひとりが海洋ごみ問題を自分ごととして捉え、「これ以上、海にごみを出さない」社会全体の意識向上を目指し、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として2018年11月から推進されているプロジェクトです。

日本財団「海と日本プロジェクト」
海が直面する環境悪化などの現状を「自分ごと」として捉え、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げるため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。




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