調査概要と背景
SNSは、現代の日本人にとって情報収集、娯楽、コミュニケーションの不可欠な手段となっています。しかし、どのSNSがどれくらいの頻度で利用され、情報接触がどこに集中しているのか、といった具体的な行動実態は十分に共有されていないのが現状です。特に日本では複数のSNSを併用する傾向が強く、海外の主流プラットフォームや利用スタイルがそのまま当てはまらないケースも少なくありません。
hotice株式会社は、この認識のギャップを埋め、日本市場を理解するための基礎データを提供することを目的に本調査を実施しました。
調査は2025年12月22日にインターネットを通じて実施され、日本国内在住の一般ユーザー528名から有効回答を得ています。
詳細な調査結果はhotice株式会社のブログで確認できます。
日本人が利用しているSNSの種類
まず、日本人が現在どのようなSNSを利用しているかを複数回答形式で尋ねたところ、利用率の全体像が明らかになりました。

最も利用率が高かったのはYouTubeで85.61%(452人)、次いでLINEが76.89%(406人)でした。この結果から、日本では動画視聴系とメッセージング系のSNSが広く普及していることがうかがえます。X(旧Twitter)が59.85%(316人)、TikTokが58.14%(307人)、Instagramが51.89%(274人)と続き、複数の主要SNSがほぼ同水準で併用されている点が特徴的です。
一方で、海外で情報収集や議論の場として利用頻度が高いとされるRedditやQuoraはそれぞれ3.60%(19人)、3.03%(16人)にとどまり、ビジネス用途のLinkedInも3.60%(19人)と低い水準でした。このことから、日本人のSNS利用は特定のプラットフォームに集約されるのではなく、用途に応じて複数のSNSを使い分ける傾向が強いことが見て取れます。
最も日常的に使われているSNSはYouTube
次に、「日常の中で最も時間を使っているSNSは何か」という問いに対し、回答はYouTubeに集中しました。

YouTubeが37.72%(195人)と最も多く選ばれ、日本人の情報接触や娯楽の中心が動画にあることが浮き彫りになりました。X(旧Twitter)が17.99%(93人)、LINEが17.60%(91人)と続き、速報性の高い情報取得や日常的なコミュニケーションがこれに次ぐ位置を占めています。TikTok(13.73%、71人)やInstagram(12.19%、63人)も利用率は高いものの、「最もよく使うSNS」としてはYouTubeやX、LINEほど集中していません。海外で日常的に使われるWhatsAppやWeChatなどは0%であり、日本では「主軸のSNS」としては選ばれていないことが分かります。この結果は、日本人のSNS利用が広く併用される一方で、日常的な接触はごく限られたSNSに集中している構造を示唆しています。
SNSの利用頻度:「ほぼ毎日、1日に何度も」が7割以上
SNSがどれほど日常に組み込まれているかを示す利用頻度については、非常に高い結果となりました。

最も多かったのは、「ほぼ毎日、1日に何度も利用している」で71.37%(369人)でした。これに「ほぼ毎日、1日1回程度」の16.44%(85人)を加えると、毎日SNSを利用している人は合計で87.81%に達します。このことから、日本人のSNS利用は日常行動として深く定着していると言えるでしょう。一方で、「週に数回」(7.35%)や「ほとんど利用しない」(2.51%)といった層も一定数存在し、全員が同じ温度感でSNSに接しているわけではないことも示されています。
利用目的:娯楽・暇つぶしが中心
日本人がSNSをどのような目的で利用しているか尋ねたところ、娯楽としての側面が強く現れました。

最も多かったのは「娯楽・暇つぶし(動画・投稿を見る)」で75.24%(389人)でした。次いで「情報収集(ニュース・商品・トレンドなど)」が68.28%(353人)と続き、娯楽と情報収集が並行して行われていることが分かります。「友人・知人との交流」は39.85%(206人)で、メッセージングやコメントを通じたコミュニケーションも一定の比重を占めますが、閲覧中心の使い方と比べると割合は低めです。発信・自己表現や仕事・ビジネス目的での利用は2割未満にとどまり、日本ではSNSが「見る」「消費する」目的が中心であることが示されています。
商品・サービスとの接触:多くの人が「知る段階」でSNSを活用
SNSが日常化する中で、商品やサービスを知る機会があるかという問いには、多くの人が肯定的に回答しました。

「ときどきある」が49.32%(255人)と最も多く、「よくある」の35.78%(185人)と合わせると、SNSで商品やサービスを知ることがある人は85.10%に達します。この結果から、多くの日本人にとってSNSが主要な情報接触の入口となっていることが明らかになりました。この設問が「購入したかどうか」ではなく「知ったかどうか」を問うている点に注目すると、能動的に探すというよりも、閲覧や娯楽の延長線上で偶発的に商品情報に触れるケースが多いと推測されます。
商品・サービスへの影響力:YouTubeが最も高い
商品やサービスの認知・興味に最も影響を受けやすいSNSを尋ねたところ、ここでもYouTubeがトップでした。

YouTubeが35.20%(182人)と最も高く、商品やサービスへの関心を高める場としても中心的な役割を担っていることが分かります。TikTok(17.99%、93人)、X(旧Twitter)(17.21%、89人)、Instagram(19.54%、101人)がほぼ同水準で続き、短尺動画、速報性の高い投稿、ビジュアル中心の発信といった異なる特性を持つSNSがそれぞれ影響力を持っていることが示されました。一方で、LINEは5.22%(27人)にとどまり、日常的な利用率は高いものの、商品・サービスへの興味喚起という点では、動画や投稿を閲覧するSNSほどの影響力は持っていないことがうかがえます。
日本人のSNS利用は「使い分け」が前提
最後に、日本人自身がSNSとの向き合い方をどう捉えているかを確認しました。

最も多かったのは「複数のSNSを使い分けている」で46.03%(238人)でした。日本人の約半数が、用途や場面に応じてSNSを切り替える前提で利用していることが分かります。次に「必要なときだけ使う」(25.34%、131人)、「1つのSNSを中心に使っている」(23.02%、119人)が続き、常にSNSに接続し続けるというよりは、目的に応じて距離を調整している人も少なくないようです。この結果から、日本人のSNS利用が単一プラットフォームへの依存ではなく、YouTube、X、Instagram、TikTokなど、それぞれ役割の異なるSNSを横断的に使いこなす「分散型」の利用が前提になっていることが明らかになりました。
まとめ
hotice株式会社が実施した今回の調査により、日本人のSNS利用は、動画視聴が中心となるYouTubeを筆頭に、複数のプラットフォームを日常的に使い分け、娯楽や情報収集の場として活用されている実態が浮き彫りになりました。また、商品やサービスとの接触もSNSが主要な入口となっており、その影響力はプラットフォームによって大きく異なることが示されています。日本市場における効果的なコミュニケーション戦略を考える上で、この「分散型」の利用実態を理解することが不可欠であると言えるでしょう。
