2025年度 朝日賞受賞者
妹島 和世氏 (せじま・かずよ) 69歳 建築家
妹島氏は、透明性に富み、人々が集う開かれた建築の実現に尽力されてきました。金沢21世紀美術館やルーブル美術館ランス分館など、数々の国際的な建築を手がけ、プリツカー建築賞をはじめとする多くの賞を受賞。その研ぎ澄まされた美意識と、環境に開かれた空間を創り出す手腕は、国際的にも高く評価されています。
吉田 裕氏 (よしだ・ゆたか) 71歳 歴史学者

吉田氏は、「アジア・太平洋戦争」の実態解明と戦争体験の継承に多大な貢献をしてきました。著書「日本軍兵士」では、旧日本軍が兵站や軍事医療を軽視した結果、多くの兵士が餓死や病死で命を落とした状況を克明に描き、幅広い読者層に戦争の現実を伝えています。
永長 直人氏 (ながおさ・なおと) 67歳 理化学研究所プログラムディレクター

永長氏は、物性物理学において、量子物質における「創発電磁気学」という概念を提唱し、その理論体系を構築しました。この理論により、従来の枠組みでは説明が困難だった現象が解明され、新たな現象の予測も可能になりました。特に、磁場をかけずに電子のスピンに流れが生じる「スピンホール効果」の予測は、「スピントロニクス」と「トポロジカル物質」という2つの分野の発展に大きく貢献しています。
原 昌宏氏 (はら・まさひろ) 68歳 (株)デンソーウェーブ 主席技師

原氏は、読み取りやすく大容量の情報を扱える新しい二次元コード「QRコード」の開発を主導しました。独自の「切り出しシンボル」パターンにより、高速な読み取りと汚れ・破損への耐性を実現。特許が無償開放されたこともあり、1994年の誕生以来、産業用途だけでなく、キャッシュレス決済や電子チケットなど、私たちの日常生活に広く普及し、社会や産業の発展に世界的な貢献を果たしています。
贈呈式について

贈呈式は、2026年1月29日(木)に東京都内で開催される予定です。この式典では、「朝日スポーツ賞」や「大佛次郎賞」など、他の顕彰も同時に行われます。受賞者には、正賞として佐藤忠良氏作のブロンズ像と、副賞として1件につき500万円が贈られます。
朝日賞について
朝日賞は1929年(昭和4年)に朝日新聞創刊50周年記念事業として創設されました。学術、芸術などの分野で傑出した業績を挙げ、日本の文化、社会の発展、向上に多大な貢献をした個人または団体に贈られます。原則として年度賞であり、毎年1月から12月までの業績が対象となりますが、長年にわたる業績に対しても贈られることがあります。
1992年(平成4年)からは公益財団法人朝日新聞文化財団が授賞事業を引き継ぎ、その歴史の中で、ノーベル賞や文化勲章を受章された方も多く輩出しています。
朝日賞に関する詳細情報は、以下のリンクよりご確認いただけます。



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