マンガ原画の魅力を次世代へ 「マンガ・アート・ミュージアム」第2弾が再始動
コミックオン株式会社が運営する日本現代マンガ・バーチャル美術館「マンガ・アート・ミュージアム」は、2025年12月22日より第2弾の展示を再始動します。今回の展示では、『JIN-仁-』で知られる村上もとか氏、『宮本から君へ』の新井英樹氏、『ゆりあ先生の赤い糸』の入江喜和氏、『ナチュン』の都留泰作氏の4名の作家が新たに加わります。

「マンガ・アート・ミュージアム」は、1980年代から日本のマンガ黄金時代を築いた作家たちのカラーおよびモノクロ原画を無料で閲覧できるデジタル美術館です。近年、マンガ制作がデジタル化の主流となり、紙とペンによる原稿が消滅しつつある現状において、貴重なマンガ原画のデジタル保存と、その芸術的価値を世界に発信することを目指しています。
生の原画が持つ迫力と魅力
「マンガ・アート・ミュージアム」館長の熊田正史氏は、マンガ原画が持つ独自の魅力について語っています。コミック誌や単行本で見る絵と、実際の原画では全く異なる迫力があるといいます。キャラクターの感情を表現するペンタッチ、丁寧に削られたスクリーントーンによる陰影、そして多色で描かれたカラー原画の色彩は、印刷物では失われがちな細部の表現に満ちています。
この美術館は、粗悪な紙に印刷されることでその魅力が損なわれてきたマンガ原画が持つ本来の迫力と魅力に触れる機会を提供し、マンガをアートとして鑑賞する新たな視点を提案しています。
文化遺産としてのマンガ原画の保存
明治期に浮世絵がアートとして認識されずに散逸した事例を引き合いに出し、マンガ原画を日本の貴重な文化遺産としてデジタルで永久保存することの重要性が強調されています。このミュージアムは、マンガ原画を次世代へとつなぎ、世界のマンガファンにアートとしてのマンガを再発見してもらうことを大きな目的の一つとしています。
今回の第2期展では、これまでの『土佐の一本釣り』の青柳裕介氏、『鉄人ガンマ』の山本康人氏、『胸騒ぎの放課後』の村生ミオ氏、『ぼのぼの』のいがらしみきお氏、『ギャラリーフェイク』の細野不二彦氏、『神童』のさそうあきら氏、『ぼっけもん』のいわしげ孝氏に加え、今回の4作家を含めた計16人のマンガ家による代表作から厳選された約600点の原画が展示されます。
第2弾参加作家の紹介
村上もとか氏
1951年東京都生まれ。1972年に『週刊少年ジャンプ』でデビュー後、『週刊少年サンデー』で活躍。「六三四の剣」以降は青年誌に移行し、「龍-RON-」「JIN-仁-」などのヒット作を多数発表しました。「JIN-仁-」はテレビドラマ化され高視聴率を記録しています。講談社漫画賞、小学館漫画賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、手塚治虫文化賞など、数々の賞を受賞しています。

新井英樹氏
大学卒業後、1年間の会社員生活を経てマンガ家を目指し、1989年「8月の光」でアフタヌーン四季賞大賞を受賞。1990年に「宮本から君へ」で連載デビューし、1992年には同作で小学館漫画賞を受賞しました。その後、「愛しのアイリーン」「ザ・ワールド・イズ・マイン」「キーチ‼︎」などの作品を発表し、緻密で繊細な画柄とエネルギーに満ちた物語で多くの熱狂的なファンを擁しています。

入江喜和氏
1988年、小池一夫劇画村塾でマンガ制作を開始し、同年「月刊アフタヌーン」四季賞を受賞。1991年「モーニング」で連載デビューしました。連載第2作「のんちゃんのり弁」はテレビドラマ化されています。「おかめ日和」「たそがれたかこ」「ゆりあ先生の赤い糸」などを発表し、「ゆりあ先生の赤い糸」は講談社漫画賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しました。多様な登場人物による群像劇が特徴です。

都留泰作氏
1968年生まれ。生物学や文化人類学の研究を行う傍ら、月刊アフタヌーン四季賞で佳作を受賞し、マンガ家としてデビューしました。現在、「ういちの島」(新潮社/くらげバンチ)、「竜女戦記」(平凡社)を連載中です。代表作に「ムシヌユン」「ナチュン」などがあります。

「マンガ・アート・ミュージアム」の詳細は、以下の公式サイトで確認できます。



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