“より視える化”セミナー2026開催、世界初の画像鮮明化SoC「LISr-RISA®」を発表
2026年7月31日に開催された「“より視える化”セミナー2026 ~Build into the future with LISr~」にて、株式会社ロジック・アンド・デザインは、世界初となるISP(Image Signal Processor)内蔵の画像鮮明化SoC(System-on-a-Chip)「LISr-RISA®」(リサ・リサ)を発表しました。200名を超える企業関係者やメディアが集結し、この革新的な技術に大きな注目が集まりました。
株式会社ロジック・アンド・デザインが開発した画像鮮明化技術「LISr®」(リサ)は、AIのように色や形を想像で描くのではなく、レンズを通った微弱な光の情報を独自のアルゴリズムで正確に引き出すことを特徴としています。暗所や逆光、悪天候といった視認性の低い環境でも、わずかな情報をリアルタイムで鮮明化し、「事実」を瞬時に見える化する技術です。


そして今回、この技術を15mm角という小型チップに実装した「LISr-RISA®」が完成しました。この小型化により、ドローン、ロボット、車載機器、医療機器など、これまで実装が難しかった多様な機器への搭載が可能となり、社会課題の解決に新たな可能性を広げます。

小型化と多機能化
「LISr-RISA®」は、画像を2次元の数値データとして捉え、画素ごとの周辺情報からコントラストを最適化することで、わずか0.004秒という高速処理を実現しています。AIによる予測や補完、外部情報の追加は一切行わず、元々そこにあった情報を正確に引き出すことに特化しています。
チップには、ノイズ低減、鮮鋭化(解像度の復元)、色彩補正、オートフォーカスなど、鮮明化以外の機能も搭載されており、これらすべてが1つのチップで実現されています。これにより、低コスト化と省電力化も同時に達成されています。
センサー直下処理の利点
小型化の大きな利点の一つは、センサーの直下で画像処理を行えるようになったことです。従来のようにケーブルを介して伝送してから鮮明化するのではなく、センサー直下で処理することで、伝送時に生じる画質や情報量の低下を抑え、より高品位な映像を届けられるようになりました。
多彩な分野での活用事例
セミナーでは、「LISr-RISA®」が社会に与えるインパクトについて、具体的な応用範囲とパートナー企業からの活用事例が紹介されました。
幅広い応用範囲
「LISr-RISA®」は、以下のような分野での活用が期待されています。
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インフラ監視(橋・トンネル・港湾・鉄道): 夜間や悪天候下での腐食、漏水、変形などの異常を早期に発見し、遠隔監視や省人化に貢献します。
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FA(ファクトリーオートメーション): ピンホールやクラックといった微細な欠陥も可視化し、AIに入力する画像品質を改善して検査精度を向上させます。
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モビリティ: 夜間や逆光、雨天時でも歩行者や障害物、道路境界の認識を安定させ、ドライバー監視での眠気検知精度向上にもつながります。
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防衛: 識別できる距離を延伸し、夜間監視能力を強化します。ドローンの飛行性能を保ちながら画像鮮明化が可能です。
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医療: 内視鏡や腹腔鏡手術での視認性を高め、AI診断の精度向上や医師の疲労軽減に寄与します。
パートナー企業からの声
「LISr-RISA®」の実用化にいち早く取り組んできた3社のパートナー企業が、それぞれの現場での活用事例とこの技術への期待を語りました。
株式会社ユピテル:AI時代に必要とされる画像鮮明化カメラ
ドライブレコーダーの開発を手がける株式会社ユピテルは、「LISr-RISA®」の構想を知り、自社の技術の「次の一手」となると直感したそうです。約2年前から試作機による検証を重ね、「LISr®」の持つ可能性をさまざまな条件下の映像で実証してきました。



現在、4K・30fps処理に対応する次期プロトタイプを開発中であり、このカメラを世界中に広めていきたいという意欲を示しました。
双葉電子工業株式会社:産業用ドローンにおける活用事例
産業用ドローンを開発・製造する双葉電子工業株式会社は、ドローンに搭載するカメラの重要性を強調しました。「LISr®」は、天候に左右される点検・監視用カメラの課題を解決し、法律で定められた「目視外飛行」の承認要件を満たすための低コストな選択肢となる可能性を秘めていると述べました。

今後は、産業用ドローンへの実装を進め、さらなる産業用途への展開を目指していくとのことです。
株式会社水龍堂:海洋調査における期待と展望
水中ロボットによる海洋調査機器を開発する株式会社水龍堂は、深刻な人手不足が課題となる水中インフラ点検の現状に触れました。水中では光が濁りに吸収され、特に赤色の光が失われるため、深く進むほど緑がかった景色になるという課題がありました。
同社はこれまで5社ほどの画像鮮明化技術を試しましたが、求めるレベルのデータは得られませんでした。しかし、ロジック・アンド・デザインの技術と出会い、「遠くまで見える」ことと「正確な色情報の復元」の両立を実現できたと語りました。水中3次元測量技術「フォトグラメトリ」への応用により、錆やひび割れの状態を正確に復元し、専門家でなくても劣化状況が直感的に分かるようになることを期待しています。


この技術を武器に、水中インフラ点検の「当たり前」を作っていくことが、水龍堂の使命だと述べています。
開発に込めた情熱と未来への展望
株式会社ロジック・アンド・デザインの代表取締役である佐藤公明氏は、取締役副社長の小林氏との出会いから約10年、そして会社設立以来の挑戦の道のりを振り返りました。当時、小林氏が50代、佐藤氏が還暦を超えていたことから、同社は「シルバーベンチャー」として、日本の縮図のような会社になったと語りました。半導体不足や円安といった逆風の中でも開発を続け、今回発表するプロジェクトを本格的に始動させました。
サンワテクノス株式会社の代表取締役会長である田中裕之氏も、「LISr-RISA®」の技術に大きな可能性を感じ、出資と販売面での協力を進めてきたことを明かしました。今回のチップ化により「鮮明化カメラ」という具体的な製品として提供できるようになったことは大きな前進であり、AIとは異なるアプローチながらAIとの親和性も高いこの技術で、新しい市場を共に創出していきたいと期待を寄せました。
佐藤氏は、開発は完了し、今後は製造と販売の段階に入ると述べ、日本発で世界と戦える高付加価値製品の普及への支援を呼びかけました。

関連リンク
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株式会社ロジック・アンド・デザイン: https://www.lad.co.jp/
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東亜建設工業株式会社(水龍堂事例引用元): https://www.toa-const.co.jp/company/release/2023/230420.html
