ファッション情報源に新たな潮流:SNS疲れからAI活用へ、重視される「最適解」

ファッション情報源の移り変わり:AIが新たな選択肢に

過去5年間で、ファッション情報収集メディアは大きく変化しました。「現在よく使うメディア」と「5年ほど前によく使っていたメディア」を比較すると、SNSは33.1%から49.3%へ16.2ポイント増、動画コンテンツは30.1%から42.2%へ12.1ポイント増と、著しく伸長しています。一方で、ファッション雑誌は41.5%から34.2%へと7.3ポイント減少し、紙媒体の地位低下が明確に示されました。

注目すべきは、5年前には存在しなかったAI(ChatGPT・Geminiなど)が、現在では17.1%の人が情報収集に活用している点です。これにより、AIが新たな情報源として急速にその存在感を高めていることがわかります。また、ECサイトのレビュー・口コミも28.8%から33.6%へと伸長しており、実際の購買者の声への信頼が着実に広がっている様子がうかがえます。

ファッション情報収集メディアの5年間での変化

雑誌離れと移行先の実態

ファッション雑誌を参考にする頻度について尋ねたところ、「大きく減った」(22.6%)と「やや減った」(27.5%)を合わせた50.1%の人が、参考頻度の低下を回答しました。これは、「変わらない」(33.6%)や「増えた」(7.1%)を大きく上回っており、雑誌離れが多くの人々の間で進んでいる実態を示しています。

雑誌を参考にしなくなった308名を対象に、その移行先を尋ねると、「動画コンテンツ」(50.0%)、「SNS」(46.4%)、「ECサイトのレビュー」(42.2%)が上位を占めました。この結果から、視覚的でリアルタイム性の高いデジタル情報源への全面的な移行が進んでいることが見て取れます。

雑誌参考頻度の変化

雑誌からの主な移行先

SNS疲れの広がりとその理由

SNSでのファッション情報収集に関して、「疲れ・うんざり感・限界」を感じることがあるかという問いには、「よくある」(12.5%)と「たまにある」(34.7%)を合わせた47.2%の人がSNS疲れを経験していることが明らかになりました。

SNS疲れを感じる290名にその理由を尋ねると、最も多かったのは「情報が多すぎて自分に合うものが見つけにくい」(61.7%)でした。次いで、「広告・PRが多すぎて信頼できない」(47.2%)、「インフルエンサーへの信頼度が下がった」(44.1%)が続きます。これらの結果は、情報の「量」と「信頼性」がSNS疲れの根本的な原因となっており、SNSが拡大するほど「自分に合う情報」が見つけにくくなるという構造的な課題が浮き彫りになったと言えるでしょう。

SNSでのファッション情報収集に「疲れ」を感じるか

SNS疲れの理由

SNS疲れがAI利用を加速

SNSでのファッション情報収集に疲れを感じた290名を対象に、その後の情報収集の変化を尋ねたところ、「AIを使うことが増えた」(37.6%)が最多となりました。この結果から、SNS疲れを感じた人々が次なる情報源としてAIを最も選択していることがわかります。

また、ファッション情報の収集にAI(ChatGPT・Geminiなど)を使う頻度が1年前と比べてどうなったかという質問では、「やや増えた」(22.5%)と「大きく増えた」(9.9%)を合わせた32.4%の人がAI利用を拡大していることが示されました。特に、SNS疲れを感じる層ではAI利用増加率が49.3%に達し、疲れを感じない層の20.6%と比較して2.4倍の差が生じています。このことは、SNS疲れがAIへの移行を強力に後押ししていることを示唆しています。

SNS疲れをきっかけとした情報収集の変化

AI利用頻度の変化

SNS疲れの有無別のAI利用頻度比較

価値観の転換:「最適解」を求める時代へ

ファッション情報を収集する主な目的について尋ねたところ、「自分に合う最適な服やコーディネートを見つけるため」が46.4%で首位となりました。これに「購入の判断材料として活用するため」(35.7%)、「失敗しないための情報収集として」(28.5%)が続き、上位3項目すべてが「自分にとっての正解を得る」という実用的な目的で占められています。一方で、「憧れの人やスタイルを参考にするため」はわずか12.2%にとどまり、ファッション情報収集の重心が「見て楽しむ」から「選んで使う」へと大きく移行していることが確認されました。

また、情報観の変化を問うと、全体の23.1%が「憧れや流行よりも自分に合う最適解を重視するようになった」と回答しており、70代以上では40.0%に達しています。さらに、情報収集の変化としては、「SNSで憧れや流行を参考にするようになった」(13.5%)に対し、「SNSよりも信頼できる情報源を探すようになった」(9.1%)と「AIなどを活用し最適解を求めるようになった」(8.5%)を合わせた17.6%が、脱SNS型の情報行動へとシフトしている状況が明らかになりました。これは、「最適解を得るための手段選び」がすでに始まっていることを示唆していると言えるでしょう。

ファッション情報を収集する主な目的

これらの調査結果から、ファッションに関する情報収集行動は、「雑誌からSNSへ」という過去の大きな変化にとどまらず、「SNSからAI・公式・ECレビューへ」という第三の波を迎えていると捉えられます。この変化の本質は、単なる情報源の置き換えではなく、人々がファッション情報に求めるものが「憧れを見る・流行を追う」から「自分に合う最適解を得る」へと根本的に変化していることにあると考えられます。

SNS疲れを感じながらも利用を続ける現状は、まだ最適解を届けられる情報源が十分に成熟していないことを意味しているのかもしれません。AIへの移行はその解決策の一つとして台頭していますが、その利用意向はまだ限定的であり、人々の期待に応えられる信頼性や使いやすさの確立が今後の課題となるでしょう。

調査概要

  • 調査主体:オンワードホールディングス コーポレートコミュニケーション室

  • 調査方法:インターネットアンケート

  • 調査システム:knowns

  • 調査対象:全国の20代から70代の男女614名

  • 調査期間:2026年6月22日(月)

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