調査背景:訪日客の世代構成とSNSの影響力
国土交通省の2024年年次報告書によると、訪日外国人観光客の約65%をZ世代(15~28歳)とミレニアル世代(29~44歳)が占めています。これらの世代は個人旅行での国内消費を担い、ファミリー旅行においても購買決定に大きな影響力を持つため、彼らの関心や動向を把握することは、日本製品の海外展開や国内経済活性化の重要な手がかりとなります。

また、観光庁のデータでは、訪日旅行客の平均80%以上、Z世代では90%以上が旅行先での買い物決定にSNSを活用していることが示されています。特に、Journal of Emerging Trends in New Researchの調査では、メークアップ化粧品カテゴリーにおいてSNSの影響力が80%と圧倒的に高いことが明らかになっており、SNSを通じた情報発信が購買行動に極めて大きな影響を与えていることが分かります。

調査概要
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調査対象: 20代~50代の日本好きの外国人男女176名(Instagram、TikTok、YouTube、RED、Facebookで情報配信を行うナノ~マイクロインフルエンサー)
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対象者の国籍: オーストラリア、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、ポーランド、スロバキア、US、チリ、メキシコ、UK、カナダ、ジャマイカ、スリランカ、シンガポール、中国、韓国、台湾、香港、マレーシア、タイ、インド、パキスタン、フィリピン、インドネシア、ベトナム(計26か国)
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調査時期: 2025年6月~7月
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調査方法: インターネット調査
調査結果:海外に知らせるべき日本製品は「プチプラメーク品」
設問1「日本の商品で『これはもっと海外に知られるべき』と思うものがあれば教えてください」の結果、1位には化粧品が選ばれ、高級スキンケア製品とプチプラメークアップ製品が同率でトップとなりました。「プチプラ」とは、「プチ(小さい)」と「プライス(価格)」を組み合わせた言葉で、日本では500円~2,000円程度の価格帯でドラッグストアや量販店で購入できるリップ、マスカラ、ファンデーションなどのメーク品を指します。

設問2「『これはもっと海外に知られるべき』と思うものの商品名やブランドを教えてください」では、コスメに詳しいインフルエンサーから、CANMAKE(キャンメイク)、CEZANNE(セザンヌ)、ヒロインメイクが多数選ばれました。具体的な人気アイテムは以下の通りです。
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1位 CANMAKE(キャンメイク・井田ラボラトリーズ)
- 人気アイテム:グロウフルチーク、マシュマロフィニッシュパウダー

- 人気アイテム:グロウフルチーク、マシュマロフィニッシュパウダー
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2位 CEZANNE(セザンヌ・井田ラボラトリーズ)
- 人気アイテム:皮脂テカリ防止下地、ニュアンスオンアイシャドウ

- 人気アイテム:皮脂テカリ防止下地、ニュアンスオンアイシャドウ
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3位 ヒロインメイク(伊勢半ホールディングス)
- 人気アイテム:ロング&カールマスカラ アドバンストフィルム、スムースリキッドアイライナースーパーキープ

- 人気アイテム:ロング&カールマスカラ アドバンストフィルム、スムースリキッドアイライナースーパーキープ
調査考察:プチプラメーク品が選ばれる理由
選ばれたメークアップ製品は、国内では「プチプラ」と呼ばれる手頃な価格帯で、ドラッグストアや量販店で手軽に入手できるブランドでした。この選択には、価格と購入のしやすさに加えて、以下の二つの共通項が影響していると考えられます。
1. 高品質の日本の老舗メーカー発
CANMAKE・CEZANNEを運営する株式会社井田ラボラトリーズは創業百年、ヒロインメイクの株式会社伊勢半は創業二百年と、いずれも日本の化粧品業界を牽引してきた老舗企業です。長年の研究開発へのこだわりは、「落ちにくい」「肌なじみがいい」といった消費者のニーズに応える製品づくりに活かされています。これらのジャパンブランドは、アジアでの海外展開では関税によりやや高級品として位置づけられることもあり、訪日時に手頃な価格で購入できることが、旅行客の購買意欲を刺激していると言えるでしょう。

2. カジュアルメークに合う自然な発色
海外製品がセクシーさや健康美を重視し、日焼け肌やはっきりとした色使いを提案する傾向にあるのに対し、日本製品は透明感のある肌をベースに、可愛らしく柔らかい色使いを重視しています。ベージュやライトブラウンといったナチュラルなカラーバリエーションが豊富で、このような薄めの発色や繊細な色展開が、ナチュラルメイクを好むアジアのZ世代やミレニアル世代の若い訪日客の心をつかみ、普段使いのメイクアイテムとして歓迎されていると分析されています。
SNS動画が日本のメークアップ化粧品を世界に広める
今回の調査から、メークアップカテゴリーにおけるSNSの影響力の高さが改めて証明されました。「PEPPER LIKES」は、日本好きのコスメに詳しい海外インフルエンサーによる動画配信が、日本のメークアップ製品の魅力を訪日客に伝え、購買に貢献すると推測しています。
1. メイク変身動画への関心の高さ
外国人は、TikTokの短い変身メーク動画や「Get Ready With Me」といった化粧コンテンツ、Instagramのリールでのビフォーアフター動画、YouTubeでのメークチュートリアルなどを好んで視聴する傾向があります。意外性があり、劇的な変化を遂げる動画ほど共感を呼び、バイラル動画となることが多いです。インフルエンサーは、撮影現場で多くの製品や色味を紹介し、メークテクニックを披露する際に、憧れの日本ブランド製品を使用することで、視聴者の好感度を高めていると言います。

2. メーク動画配信後の高い製品購入率
海外の調査会社によるSNSのメーク動画配信後の製品購入率の調査では、TikTokが89%、Instagramが70%、YouTubeが45%という結果が出ています。これは、メーク動画視聴者の約68%が、インフルエンサーが使用したコスメを購入していることを示しています。

実際、カナダ人のインフルエンサーがCANMAKEの製品を使って西洋の顔から和顔へ変身する動画を公開したところ、1回の配信で14.5万回再生、2.4万件のCANMAKE製品のシェアという大きな反響がありました。効果的なSNS配信は、製品への高い転換率に繋がると言えるでしょう。
PEPPER LIKESの取り組み
「PEPPER LIKES」は、訪日上位国のインフルエンサーマーケティングを通じて、事業者様の製品やブランドの知名度向上を支援しています。オンライン上で顧客接点を構築し、消費者の来訪や購買に繋げていくことを目指しています。
訪日観光客がフォローするインフルエンサーのSNSを介し、訪日前の購入決定タイミングから顧客を確実に追跡します。輸出も視野に入れ、事業者様の経済活動に寄り添い、日本の国際的競争力を高める後押しをしていきたいと考えています。
「PEPPER LIKES」の詳細については、以下のURLをご覧ください。

PEPPER LIKES活用事例
ある化粧品ブランドがアニメキャラクターのアイシャドウを発売した際、中国・英語圏のアニメや日本文化に関心を持つインフルエンサー6名を起用しました。商品無償提供のみで平均3万フォロワーのインフルエンサーから応募があり、「ラメ入りプルプル質感や推しキャラクターのイメージメイク、和柄のパッケージも楽しめる」といったポジティブな投稿がなされました。これに対し、「日本にはこんな商品が実在するの!?」という驚きの声や購入方法を問う声が殺到し、新製品のロケットスタートに繋がったとのことです。



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