石井佳苗さんが語る映画の第一印象
トークイベントは、映画本編の上映前にシアター7にて実施されました。司会はライター・編集者の小柳帝さんが務め、雑誌『BRUTUS』での取材がきっかけとなり、今回のトークショーが実現したとのことです。ステージには「アン シェーカー」シリーズの椅子が並べられ、お二人は実際に着席して対談されました。

事前に映画を鑑賞した石井さんは、まず「びっくりしました」と率直な感想を述べました。シェーカー家具について深く学んできた石井さんでさえ、教祖アン・リーの人物像についてはほとんど知らなかったといいます。映画で描かれるアンのイギリス時代は、既存の書籍ではあまり触れられていない壮絶な人生であり、「胸が締め付けられるようだった」と振り返られました。同時に、この苦難の連続こそが、アンがユートピア的なコミュニティを築こうとした原動力になったと理解できたと語り、作品への深い共感を示されました。

「アン シェーカー」シリーズ誕生の背景
石井さんは、ザ・コンランショップと共同で、シェーカー家具を現代的に再解釈した「アン シェーカー」シリーズの開発に携わっています。当時の社長である中原慎一郎氏とのやり取りの中で新しい家具の構想が持ち上がり、その際に真っ先にシェーカー家具が頭に浮かんだそうです。
シェーカー教徒の「デザイン性ではなく、シンプルで機能的」という哲学は、ザ・コンランショップの創設者テレンス・コンラン氏が掲げる「プレーン、シンプル、ユースフル」という理念と深く共鳴しました。この共鳴から、現代の暮らしに合うシェーカースタイルを目指した家具づくりが始まり、福岡県大川市の家具産地を訪れ、広松木工との共同開発を経て現在のシリーズが誕生しました。
ハンコックシェーカービレッジ訪問記
トークイベントの後半では、石井さんが昨年訪れたアメリカの歴史的シェーカー集落「ハンコックシェーカービレッジ」の写真を交えながら、現地で感じた“秩序ある暮らし”の美しさについて語られました。

自給自足の農場で生まれたばかりの子豚に出会い癒されたエピソードや、男女別に部屋が分かれた寄宿舎、装飾の一切ない白い食器が整然と並ぶ食堂、そしてどの部屋にも設置された「ペグ・レール」の機能美について説明がありました。生活の隅々にまで秩序と合理性が行き届いていた様子がうかがえます。
生活道具も手作りで、籠やほうきに至るまで自らの手でつくり、整え、掛け、片づけるという日常の積み重ねが、暮らしそのものの美しさにつながっていたと石井さんは語ります。石井さんは、「秩序を守ることが美しく暮らすことにつながる」というシェーカーの教えが、現代の情報過多な社会において多くの人の憧れを集める理由だと感じたそうです。
観客へのメッセージと映画の見どころ
最後に、石井さんから映画鑑賞に訪れる方々へメッセージが送られました。「アンの強さと情熱に驚き、心を動かされるはずです。また、美術や衣装にも注目してほしい」と述べ、衣装が時代背景に合わせて草木染めと手縫いで制作されるなど、細部にわたるこだわりが紹介されました。俳優の背後に映し出されるインテリアや生活道具も含め、隅々まで見どころが詰まっていると締めくくられました。
期間限定の特別展示も開催中
109シネマズプレミアム新宿の10階メインラウンジでは、5月27日(水)から6月18日(木)までの期間限定で、「アン シェーカー」シリーズの家具と作品の特別展示が実施されています。

劇中の世界観と共鳴するシェーカーの思想やデザインを、実際の家具を通して体感できる内容です。展示されているベンチには実際に座ることもでき、映画鑑賞と合わせてシェーカーの美意識に触れる貴重な機会となっています。

35mmフィルム上映と上映情報
本作は、109シネマズプレミアム新宿にて35mmフィルムでの上映も行われます。同館のシアター8にはフィルム上映設備が備えられており、作品の質感や空気感をより豊かに味わえる上映環境が提供されています。シェーカーの時代背景を丁寧に描いた本作にとって、フィルム上映は作品の魅力を一層引き立てるものとなるでしょう。
上映劇場は以下の通りです。
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109シネマズプレミアム新宿
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109シネマズ二子玉川
- ※109シネマズ二子玉川では35mmフィルム上映はございません。
作品概要
『アン・リー/はじまりの物語』は、モナ・ファストヴォールド監督による作品で、アマンダ・セイフライド、ルイス・プルマン、トーマシン・マッケンジーらが出演しています。

かつて性差や人種を超えた人間の平等を唱え、数々の受難にも耐えながら史上最大のユートピアを築いた女性、アン・リーの生涯を描いています。“シェーカースタイル”として今なお世界に影響を与え続ける彼女の人生に何があったのか、アマンダ・セイフライドとアカデミー賞受賞『ブルータリスト』のチームが贈るミュージカルドラマとして、異次元の興奮と感動を誘う“はじまり”の物語です。
登壇者プロフィール
石井佳苗氏(インテリアスタイリスト)
東京生まれ。株式会社カッシーナ・イクスシーに10年間勤務後、独立。インテリアを軸に、衣・食・住を横断するライフスタイル提案を行っています。雑誌、広告、テレビCMのスタイリング、住宅メーカーのモデルルームやカタログのディレクション、ショップVMD、講演活動、インテリアアイテムをセレクトしたポップアップショップの企画・開催などを通じて、暮らしの楽しさや豊かさを提案。著書に『Love Customizer』、『Heima 住まいの感覚を磨く9つのキーワード』など多数。2020年からはオンライン講座「Heima Home Design Lesson」を主宰し、国内外の受講者に向けて住まいづくりの楽しさと自分らしい暮らしのあり方を伝えています。
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Instagram: @kanaeishii_lc
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オンライン講座: https://www.heimalesson.com/
小柳帝氏(ライター・編集者)
1963年福岡県生まれ。主な編・著書に「モンド・ミュージック」「ひとり」「ROVAのフレンチカルチャーA to Z」、「小柳帝のバビロンノート 映画についての覚書1〜4」。主な翻訳書に「ぼくの伯父さん」「ジェーン・バーキン日記」。その他、映画パンフレットへの寄稿、CD・DVD等の解説多数。フランス語教室ROVAを主宰し、2026年春に27周年を迎えました。
109シネマズプレミアム新宿について
109シネマズプレミアム新宿は、東京都新宿区に2023年4月14日(金)に開業した「東急歌舞伎町タワー」9F・10Fに位置する「109シネマズ」の新ブランドです。全席が一般的なシネコンの最大約2.3倍の大きさのプレミアムシートで、全シアターには坂本龍一氏が監修した、極限までリアルな音を追求した音響システム「SAION-SR EDITION-」が搭載されています。

また、上映1時間前からチケット購入者のみが利用できるラウンジが設けられ、ポップコーンとドリンクが鑑賞前おかわり自由の「WELCOME CONCESSION」、ジャパニーズウイスキーやこだわりのフードを揃えた「THE BAR」も楽しめます。

ここにしかない上質な鑑賞環境とおもてなしを提供し、これまでの常識を覆す“感性を開く映画館”として、非日常世界への没入体験をお届けします。
関連リンク
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109シネマズプレミアム新宿HP: https://109cinemas.net/premiumshinjuku/
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109シネマズプレミアム新宿X: https://x.com/109_PREMIUM_SJ
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109シネマズプレミアム新宿Instagram: https://www.instagram.com/109cinemas_premium/
