八戸市とALGO ARTIS 市営バス運行の効率化に向けた検証プロジェクトを開始

プロジェクトの背景:八戸市が直面する課題

八戸市では、人口減少や燃料費の高騰、そして慢性的なバス運転士不足といった厳しい状況に直面しています。このような中で、市民の生活を支える市営バスの役割は非常に重要であり、限られた資源の中で効率的かつ持続的な運行体制を確立することが喫緊の課題となっています。

これまでの八戸市では、路線再編やデマンド交通の導入など、様々な改善策が講じられてきました。しかし、八戸市営バスは96系統もの路線を抱え、平日だけでも105の仕業を組む必要があるため、ダイヤおよび運転士の仕業作成業務は極めて複雑です。法令や労働協定、多岐にわたる運行系統といった多くの制約条件を考慮する必要があり、業務の属人化や非効率性が大きな負担となっていました。

特定の便を減便した場合に、それが仕業全体にどのような影響を与えるかを事前に把握することが難しく、試行錯誤を繰り返しながらの検討が常態化していました。結果として、ダイヤ改正や仕業作成には数ヶ月を要することも珍しくなく、この計画業務が事業運営におけるボトルネックとなっていたのです。

AIによる業務改善の可能性を検証

こうした課題に対し、本プロジェクトでは、社会インフラの計画DXに長年携わってきたALGO ARTISのアルゴリズム構築に関する知見が活用されます。AI技術を導入することで、担当者がこれまで以上に多くのダイヤパターンを検討できる環境を整備し、作成時間の短縮と運行コスト見直しの可能性を探ります。

ALGO ARTISは、丁寧なヒアリングを通じて、これまで明文化されていなかった運行ルールや条件を深く理解し、それをアルゴリズムに落とし込むための提案を行っています。

AIによる業務効率化の比較図

期待される効果

本検証プロジェクトを通じて、以下のような効果が期待されています。

  • 不要な減便を抑制しつつ、より合理的なダイヤ見直しが可能となること。

  • ダイヤ作成時に仕業全体への影響を確認しながら検討を進められること。

  • 複数のダイヤパターンを短時間で比較・検討できる可能性が広がること。

  • ダイヤ・仕業作成業務の属人化が緩和され、若手職員でも取り組みやすい業務環境が実現すること。

これまでの検討段階では、数ヶ月を要していたダイヤ改正の検討作業が、AIが提示する複数の案を比較検討することで、1日〜数日程度で改正案を作成できる見込みが立っています。本プロジェクトでは、このような業務効率化の効果が実際の運用現場でどこまで再現・拡張できるかを検証していくことになります。

関係者のコメント

八戸市 コメント

「八戸市では、路線再編に向けたデータ分析や可視化を進め、関係者間の協議・検討体制を整えてきました。しかし、路線再編に不可欠な仕業の組み換え作業は、多くの制約条件が絡む複雑な業務であり、属人化が大きな課題でした。ALGO ARTISの皆様には、丁寧なヒアリングを通じて運行ルールや条件を理解いただき、アルゴリズムへの落とし込みを提案いただいています。このシステムにより多様なシミュレーションが可能となり、地域の“移動の足”を守るため、関係者がより前向きな議論を進められることを期待しています。」

株式会社ALGO ARTIS 代表取締役社長:永田 健太郎 コメント

「公共交通は、地域の“移動の足”として社会を支える重要な基盤です。八戸市が抱える複雑なダイヤ・仕業作成業務に対し、アルゴリズムの力でどこまで支援できるのか。『社会基盤の最適化』というビジョンを掲げる私たちALGO ARTISにとって、その可能性を検証できることに大きな意義を感じています。現場にしっかりと立脚しながら、地域課題の解決に貢献してまいります。」