地域コミュニティの温かい光
近年、地域における人々のつながりが希薄になることが全国的な課題となっています。デジタル化の進展や多様なライフスタイルにより、地域で自然に交流する機会が減少し、街との一体感を感じにくい状況が見受けられます。
こうした背景の中、地域コミュニティ「深井ファン!」は、「街に関わる人たちが小さな行動から地域の魅力を育てる」ことを目指し活動しています。今回のイルミネーションは、コロナ禍で地域行事が中止され、街の活気が失われかけた際に、「それでも街を明るくしたい」という有志の想いから始まりました。
廃油が彩る循環の光
「飲食店の廃油が街の光になる」というテーマのもと、今回のプロジェクトでは、地域の飲食店6店舗から集められた約30リットルの廃食用油が使用されました。この廃油は、植田油脂株式会社の協力によりバイオディーゼル燃料(B5)へと再生され、イルミネーションの発電実証に活用されました。
普段は廃棄される油がエネルギーとして再活用されることで、環境への配慮と地域参加型の街づくりが同時に実現されました。この光は単なる装飾ではなく、地域の飲食店、住民、事業者など、多くの人々の協力によって生まれた「街の循環」を象徴するものです。

飲食店と地域の連帯
現代の郊外にある多くの飲食店は、原材料費の高騰や人手不足、急激な環境変化といった厳しい現実に直面しています。こうした状況下で、飲食店は単なる食事を提供する場に留まらず、地域の人々が集い、文化や交流が生まれる拠点としての役割も担っています。
今回のイルミネーションは、郊外の飲食店が孤立するのではなく、地域全体で連帯し、共に街を盛り上げていくという選択を示した象徴的なプロジェクトとなりました。


堺発の地域循環モデルへ
今回の取り組みは、隣接する中百舌鳥エリアで進められている「中百舌鳥イルミネーション」の循環型イルミネーション活動とも連携しています。深井と中百舌鳥、それぞれの地域で生まれた活動が結びつき、廃油を地域資源として活用する循環モデルを堺市全体へと広げていくことが目指されています。
小さな試みではありますが、これらの活動は点ではなく、線としてつながり始めています。

今後の展望と担当者の想い
今回の実証を踏まえ、「深井イルミネーション」は2026年12月にも再点灯が予定されています。今後は、参加店舗数や廃油の回収量をさらに拡大し、持続可能な地域循環モデルとして発展させていく計画です。
深井イルミネーション管理組合の副代表である杉野原 佑治氏は、このプロジェクトに込めた想いを次のように語っています。

「デジタル化が進む現代において、人と人、お店とお店のつながりが弱まりつつある課題に挑戦しています。どれだけ便利になっても、街の温度は“人のつながり”の上に成り立っています。廃油を活用し、地域のつながりを『目に見える光』で表現している『目黒川みんなのイルミネーション』の取り組みに深く感銘を受け、今回の開催を決意しました。元気に活動している姿を発信し、参画店舗や地域住民の皆さまに喜んでいただくこと。それこそが、私たちができる“ささやかな恩返し”ではないかと考えています。」
「深井ファン!」は、今後も地域資源を活かした取り組みを通じて、人と街が自然につながる持続可能な地域コミュニティの形成を目指していきます。
詳細については、深井ファン!公式サイトをご覧ください。
