家族の一員である猫と安心して暮らすために
猫は今や、かけがえのない家族の一員です。しかし、猫との触れ合いの中で、人が思いがけない病気にかかる可能性があることをご存じでしょうか。その代表的なものの一つが「猫ひっかき病」です。
「猫ひっかき病」は、猫にひっかかれたり咬まれたりすること、あるいはノミなどを介して、バルトネラ・ヘンセレ菌に感染することで発症します。主な症状はリンパ節の腫れや発熱で、日本では年間約1万人の患者がいると推定されています。特に小さなお子さんが罹患するケースが多く、原因不明の体調不良に悩まされることも少なくありません。
診断の課題と迅速検査キット開発への挑戦
山口大学大学院医学系研究科病態検査学講座は、約30年にわたりこの病気の血清検査を行ってきた国内の主要な研究機関です。しかし、現在の検査方法は専門性が高く、結果が出るまでに多くの時間と労力を要します。そのため、診断が確定するまでの間、患者さんやそのご家族は「なぜ熱が下がらないのか」「重い病気ではないか」といった不安を抱えながら日々を過ごさなければならないという課題があります。
この課題を解決するため、研究チームは現在、医療現場でインフルエンザ検査のように15分から30分程度で診断できる「迅速検査キット」の開発を進めています。このキットが実用化されれば、早期診断と早期治療が可能となり、猫と人がより安心して共に暮らせる社会の実現に繋がると期待されています。
クラウドファンディングで開発資金を募集中
迅速検査キットの実用化に向けた研究資金を募るため、クラウドファンディングが実施されています。2026年1月19日より開始され、2月18日時点で目標金額の60%に到達していますが、さらなる資金が必要です。
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プロジェクト名:猫と安心して暮らしたい!猫ひっかき病検査キット開発に支援を!
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実施期間:2026年3月18日(水)23:00まで
プロジェクトメンバーには、病態検査学講座の常岡英弘特命教授をはじめ、微生物学講座の坂本啓教授、眼科学講座の木村和博教授、共同獣医学部の度会雅久教授、医学部保健学科長の山本健教授、基礎検査学講座の西川潤教授、病態検査学講座の大津山賢一郎講師が名を連ねています。
猫ひっかき病の研究に関する詳細は、以下の山口大学のウェブサイトで確認できます。
猫ひっかき病研究について
市民公開講座の動画も公開
2026年1月31日には市民公開講座「猫ひっかき病って知っちょる?」が開催されました。常岡英弘特命教授と大津山賢一郎講師が登壇し、病気の予防法や開発中のキットについて対談形式で解説を行いました。当日の様子や分かりやすくまとめたダイジェスト動画が、YouTubeショートおよび大学ウェブサイトにて順次公開されています。



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