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東日本大震災から15年:災害への備え、年代や暮らし方で意識と実態に差が明らかに

災害への不安、障害者が最も高く、若年層は低い傾向

日常的に不安に感じている災害として、どの調査対象者でも「地震」がトップに挙げられました。次いで「停電」「断水」といったライフラインの停止、そして「台風」「暴風雨」が続きます。特に「障害のある方」は最も不安度が高く、次いで「70代高齢者」が高い傾向を示しました。一方で、「20~60代」では年代が下がるにつれて不安度が低くなり、20代では「地震」に対する不安も49%にとどまる結果となっています。

日常的に不安に思っている自然災害やライフライン事故(年代別)

「障害のある方」や「70代高齢者」からは、避難の困難さや家族への負担を懸念する声が聞かれました。

ヘルパーさんや介助者が来れなくなって孤立し、一人では逃げられないから不安。(下肢障害/30代女性)
自分の体を支えるのに精一杯で、家族の支えになれるのか、家族の重荷にならないか不安。(上肢障害/50代男性)
負傷した場合、自分の健康状態でどこまで自分自身で行動できるか不安。(70代男性)
高層マンションなのでどのように避難すればよいか。足腰が痛く階段での上り下りが難しい。(70代女性)

障害のある方と70代高齢者の声

また、過去に災害経験が少ない若年層からは、「災害を自分ごと」として捉えきれないという意見も出ています。

災害が起こった時、どんな事で困るのかなと、あまりイメージが湧かない。どこか他人ごとのように感じてしまう。(20代女性)

若年層の声

若年層と単身者の備え不足が顕著に

「自然災害やライフラインの事故に備えて、日頃から備えている」と回答した割合は、70代で58%、60代で53%と高齢層では半数を超えているのに対し、20~30代では40%にとどまり、若年層ほど対策が後回しになっている実態が浮き彫りになりました。

自然災害やライフラインの事故に備えての日頃からの準備(年代別)

また、同居者の有無で比較すると、「全く備えていない」割合は、家族同居者の13%に対し、単身者では31%と、単身者の備え不足が顕著でした。

自然災害やライフラインの事故に備えての日頃からの準備(同居者の有無別)

備蓄品では「水(ペットボトル等)」が最も多く備えられていますが、20~30代ではわずか38%に留まり、70代の69%と比較すると大きな差があります。その他の備蓄品についても、若年層の準備不足が課題であることが示されています。

日頃から備えているもの(対象者別)

備えられない理由:「面倒」「わからない」「お金がない」

「あまり備えていない」「全く備えていない」と回答した人々に備えられない理由を尋ねたところ、最も多かったのは「面倒で後回しにしている」が38%でした。次いで「何を備えればいいかわからない」が33%、「金銭的余裕がない」が31%と続きます。これは、家庭で何を備えるべきか、備えがない場合にどう困るのかを具体的にイメージできていない状況を示唆しています。

災害に備えていない理由

若年層や単身者からは、「誰かが助けてくれる」という「公助」への期待が見受けられました。

コンビニもあるし、モバイル充電器があれば、会社や避難所が何とかしてくれる。(単身/20代男性)
天災は、こうしておけば大丈夫という確証はないため、誰かに助けてもらえる環境に身を置いた方が安心。(単身/30代女性)

若年層・単身者の「公助」への期待

一方で、「障害のある方」からは、障害の特性による備えの難しさも語られています。

大型の電動車いすでマンション住まいなので、災害時は身動きが取れなくなると思うので、どう備えていいかわからない。(下肢障害/30代女性)
PTSD(心的外傷後ストレス障害)により、たくさんの人がいるところで知らない人と過ごすことが苦痛になるため不安しかないし、どこまでの備えが必要かわからない。(精神障害/30代女性)

障害特性が阻む「備え」の難しさ

「在宅避難」を想定し、「自分ごと」として考える

自宅が安全な場合は、避難所ではなく自宅で避難生活を続ける「在宅避難」が推奨される自治体もあります。在宅避難には、自分自身で生活を支える「自助」の考え方が非常に重要です。家から出られなくなった時、水や電気が使えなくなった時に、落ち着いて生活を続けられるかを「自分ごと」として考えることが大切です。

配慮が必要な方々への周囲の協力「共助」

災害時に配慮が必要な高齢の方と障害のある方に「災害を乗り越えられると思うか」を尋ねたところ、70代高齢者の79%が「大きな問題はなく乗り越えられる」「多少の不便はあるが乗り越えられる」と回答しました。一方、障害のある方では47%にとどまり、36%が「乗り越えられず、多くの困難を感じる」と強い不安を抱えています。

自然災害やライフラインの事故が起きた時の「乗り越え」意識

高齢の方や障害のある方の「乗り越え意識」には、個人の備えだけでなく、周囲からの支援や配慮が得られるか、普段と異なる環境に対応できるかどうかが大きく影響しているようです。非常時には、隣近所の声かけやちょっとした手助けが安心感につながります。家族だけでなく、地域や職場での「共助」の意識を高めることも重要です。

今日から始める「自分と大切な人を守る」災害への備え

災害リスクは気候変動やインフラの老朽化により増しています。未経験だと日常の便利さの中で災害を「他人ごと」と感じがちですが、まずは自分と家族の暮らしが災害でどう影響を受けるかを想像することから始めましょう。

  1. 災害を「自分ごと」として捉えること
  2. 自分でできる備え(自助)を進めること

    • 水や食料、照明、衛生用品、薬、情報を得る手段など、優先順位を決めて少しずつ揃えることが現実的です。単身者や若年層は備えが遅れがちなので、まずは「これだけは」の必需品リストを作ることをおすすめします。
    • 周囲への配慮と協力(共助)を深めること

    • 高齢の方や障害のある方、妊娠中の方や乳幼児のいる家庭などは、個人の備えだけでなく、周囲の手助けが必要になる場面があります。地域での連絡網や助け合い、職場や学校での支援体制を整えることが不可欠です。日頃から「助けが必要な人はいないか」を意識して声をかけ合う習慣を持ちましょう。

備えは一人ひとり異なり、これで完璧といったこともありません。少しずつ、身近なところから始めることが命と暮らしを守る第一歩です。自分のため、家族のため、そして周囲の人のために、今日からできる小さな行動を始めていくことが大切です。

詳しい調査結果は「My Kaoくらしラボ」にて公開されています。

My Kao くらしラボ 防災MAP

また、花王は災害時に備える情報として「そなえーる」サイトを2025年11月にリニューアルしました。いざという時に役立つ防災の基礎知識や避難生活に役立つ情報が紹介されています。

そなえ~る 災害時に備える情報

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