忘れられた巨匠・椋尾篁の功績を未来へ繋ぐ
日本アニメーション史において、その名を深く刻んだ美術監督、椋尾篁(むくお・たかむら/1938–1992)氏。彼が手がけた背景美術は、『銀河鉄道999』『母をたずねて三千里』『幻魔大戦』など、多くの作品に詩情豊かな世界観をもたらしました。その全貌を紹介する展覧会「椋尾篁:アニメ背景美術の先駆者」が、2026年春、椋尾氏の故郷である長崎県佐世保市にて開催されることになりました。
この展覧会は、椋尾氏が遺した手描きの背景画、美術設定、スケッチなど約100点を通じて、日本アニメーションの表現の進化とその美術的価値を再評価するものです。企画を手がける映像ワークショップ合同会社は、展覧会開催に向けた準備費の一部を支えるため、2025年12月25日よりクラウドファンディングを開始しました。

展覧会概要
椋尾篁:アニメ背景美術の先駆者
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会期: 2026年4月25日(土)−5月24日(日)火曜休館(5月5日は開館)
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会場: 佐世保市博物館島瀬美術センター(〒857-0806長崎県佐世保市島瀬町6-22)
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入場料(予定): 大人1,200円、学生600円、中学生以下無料
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主催: 椋尾篁作品展実行委員会
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企画: 明貫紘子
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協力: 有限会社ムクオスタジオ、椋尾圭子、三川内陶磁器工業協同組合、MUKUO Takamura Project、映像ワークショップ合同会社

展示予定作品
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『母をたずねて三千里』高畑勲監督(1976)
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『銀河鉄道999』りんたろう監督(1979)
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『がんばれ元気』りんたろう監督(1980)
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『さよなら銀河鉄道999:アンドロメダ終着駅』りんたろう監督(1981)
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『悪魔くん:ようこそ悪魔ランドへ!!』佐藤順一監督(1990)
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『セロ弾きのゴーシュ』高畑勲監督(1982)
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『幻魔大戦』りんたろう監督(1983)
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『火の鳥 鳳凰編』りんたろう監督(1986)
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『迷宮物語:工事中止命令』大友克洋監督(1987) ほか
歴史に埋もれた巨匠の再評価と地方活性化
椋尾篁氏は1970年代から1990年代にかけて、動画と同様の存在感を持つ「物語を語る背景美術」を追求し、日本のアニメ表現に大きな影響を与えました。本展では、美術監督として参加した代表作を中心に、作品世界がどのように構築されていったのかを深く掘り下げます。アニメ史、美術史の両面から再評価されつつある椋尾氏の仕事を、生まれ故郷である長崎県佐世保市から発信し、文化財による地方創生へと繋げる点も本展の大きな特徴です。
椋尾篁氏について
男鹿和雄氏や山本二三氏など、後の美術監督たちに多大な影響を与えた巨匠です。1938年に長崎県佐世保市三川内(みかわち)に生まれ、美大で油絵を学んだ後、テレビアニメ『鉄腕アトム』の背景を手がけたことを機にアニメーションの世界へ。54歳という若さで亡くなるまでの短い生涯の中で、高畑勲監督やりんたろう監督といった日本を代表するアニメ監督とともに、『銀河鉄道999』や『火の鳥』などの劇場作品、『母をたずねて三千里』『悪魔くん』など多くのテレビシリーズを手がけ、アニメーションの成長期において第一線で活躍しました。
緻密な描写、詩情あふれる風景構成、そして作品世界への深い理解によって、「背景美術」という分野における多様な表現を切り拓き、多くのアニメーターや美術監督、さらには監督たちにも影響を与えました。

リサーチとアーカイブの取り組み
本展の企画者である映像ワークショップ合同会社(代表:明貫紘子氏)は、「眠っている文化・芸術資源を掘り起こし、次世代の創造性につなげる」を理念に掲げ、映像制作や資料のアーカイブ構築に取り組んでいます。代表の明貫氏は、メディアアートを専門とするアーキビスト/キュレーターとして、2011年より日本アニメの背景美術の研究を続けてきました。
- 映像ワークショップ合同会社のプロジェクト詳細: https://www.eizo.ws/projects/anime
2024年には徳間記念アニメーション文化財団の助成を受け、椋尾篁氏の仕事に関する調査とアーカイブに着手。2025年3月には論文「椋尾篁の背景美術―りんたろう監督作品を中心に―」を提出し、高い評価を得ています。
- 論文「椋尾篁の背景美術―りんたろう監督作品を中心に―」: https://www.ghibli-museum.jp/docs/2024-2025kiyoubessatu.pdf
映像ワークショップ合同会社および代表の明貫紘子氏は、2025年 Forbes JAPAN NEXT100「世界を救う希望」にも選出されており、その取り組みは国内外で注目を集めています。

クラウドファンディングについて
椋尾氏の出身地である長崎県佐世保市で、地元の有志とともに企画される本展は、2026年春の開催に向け、約60日間のクラウドファンディングを実施します。支援金は展覧会の開催費用に充てられる予定です。本プロジェクトは、展覧会の実現だけでなく、現在は歴史に埋もれている椋尾篁氏の世界を蘇らせ、次世代へ継承するためのファンコミュニティ形成、さらには全国、そして世界への巡回展も目指しています。

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期間: 2025年12月25日〜2026年2月27日
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プラットフォーム: Motion Gallery
クラウドファンディングのリターン
展覧会に足を運べる方も、遠方にお住まいの方も楽しめるよう、様々なリターンが用意されています。
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チケットに展覧会DM、ポスターを添えて
展覧会チケット4枚に展覧会DM、ポスターが添えられたプランです。『銀河鉄道999』シリーズで松本零士氏の世界観を表現した椋尾篁氏の背景画と美術設定が、展覧会メインビジュアルに使用されています。
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山本鷹生さんと巡るオンライン・ギャラリーツアー
長崎が生んだもう一人の美術監督、山本二三氏のご子息である山本鷹生氏(山本二三美術館副館長)をゲストに迎え、長崎出身の二人の巨匠の話を交えたオンラインギャラリーツアーが実施されます。
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クラファン限定プレミアムな複製画
『幻魔大戦』の背景美術ソルグラフ(キービジュアル)をはじめ、国内屈指の色の再現性を誇る山田写真製版所による「ソルグラフ印刷」を用いたハイクオリティな複製画が全6種類用意されています。これらはクラウドファンディング限定品です。
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椋尾篁氏の叔父であり三川内の名工・中里末太郎氏のデッドストック品
佐世保市三川内の歴史あるやきもの、三川内焼が届くプランも。薄手白磁成形焼成技術で長崎県無形文化財保持者に指定された中里末太郎氏による、薄さ1.5mmの繊細なデミタスカップ(2点セット)が20セット限定で提供されます。
プロジェクト公式ウェブサイト・SNS
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ウェブサイト:https://www.eizo.ws/mukuo
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X(旧Twitter):@mukuo_project
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Instagram:@mukuo_takamura_project



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