津山建築祭の主な見どころ
メイン会場:津山洋学資料館
津山建築祭のメイン会場の一つは、岡山県津山市にある津山洋学資料館でした。この資料館は、幕末から明治にかけての洋学の歩みを紹介する日本で唯一の施設で、津山藩ゆかりの洋学者たちの功績を貴重な資料とともに伝えています。

著名な専門家による講演
会期中には、建築界の第一線で活躍する専門家による講演が行われました。
倉方俊輔氏(建築史家・大阪公立大学教授)
「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(イケフェス大阪)」の実行委員も務める倉方俊輔氏からは、津山と世界的な建築家ル・コルビュジエとの意外なつながりについて語られました。ル・コルビュジエの弟子である吉阪隆正氏は、津山藩士で蘭学者である箕作阮甫の子孫にあたり、この吉阪隆正に師事した建築家が津山洋学資料館を設計したという、歴史の深いつながりが紹介されました。

稲葉なおと氏(紀行作家)
紀行作家の稲葉なおと氏は、新刊『ものがたりの街 津山』のテーマに沿って講演を行いました。平安時代から現代まで、菅原道真からB’zの稲葉浩志まで、津山を彩る54の物語を通じて、津山の建築と人々の魅力が語られました。

シンポジウムの開催と新たな拠点
竹山聖氏(日本建築設計学会 名誉会長・建築家)をはじめ、遠藤秀平氏(同会長・建築家)、加藤道夫氏(東京大学名誉教授)、山本昇氏(津山街デザイン創造研究所所長)らが登壇し、津山の建築の歴史と未来について深く議論するシンポジウムが開催されました。このシンポジウムの成果として、津山の建築文化を未来へ発信する拠点となる「津山現代建築研究所」の開設が決定し、現在その準備室が設置されています。
映画『キセキが、はじまる。』で紹介
大谷健太郎監督の最新映画『キセキが、はじまる。』には、津山建築祭2025のシンポジウム風景が登場しています。この映画は、東京から津山を訪れた若手映画監督が、地域の人々との交流を通じて現代と過去を結びつけるヒューマンストーリーです。映画内では、箕作阮甫の子孫でル・コルビュジエの弟子である吉阪隆正も紹介されています。

映画のロケ地として、津山市城東街並み保存地区にある美都津山庵別邸や津山洋学資料館などが使用されました。


書籍『ものがたりの街 津山』も刊行
本建築祭の開催中には、紀行作家 稲葉なおと氏による書籍『ものがたりの街 津山』が刊行されました。この書籍は、平安時代から現代までの津山の歴史を、建築と関わりの深い人物たちを通して紐解く歴史・建築紀行です。菅原道真からB’zの稲葉浩志氏まで、54の物語がカラー写真とともに紹介されており、掲載された二次元コードからは声優・井上和彦氏による「語り」も楽しめます。津山の歴史、人物、そして建築文化を知るためのガイドブックとして活用されました。
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著者:稲葉なおと
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出版社:Echelle-1(エシェル・アン)
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書籍の詳細はこちら:https://www.maps.co.jp/monogatari/
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津山での常設販売所:美都津山庵 本館(〒708-0834 岡山県津山市中之町8-1)
開催概要
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イベント名:津山建築祭2025
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開催日時:2025年10月11日(土)~12月7日(日)
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会場:津山洋学資料館、PORT ART&DESIGN TSUYAMA、GREENable HIRUZEN、奈義町現代美術館
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主催:津山建築祭実行委員会
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公式サイト:https://tsuyama-af.jp/
津山建築祭実行委員会は、実行委員長である倉方俊輔氏(建築史家・大阪公立大学教授)をはじめ、遠藤秀平氏(建築家・日本建築設計学会会長)、川西敦史氏(建築家・岡山大学准教授)、林陽一郎氏(建築家・N.A.A.D主宰)、山本昇氏(津山街デザイン創造研究所所長)、下山智久氏(下山設計所長)、清水保弘氏(Wstyle.8 代表)、下田泰也氏(Echelle-1 代表)といった多彩なメンバーで構成されました。



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