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物質調律家・山崎タクマ氏、渋谷で個展開催 – 他者の心臓音から生まれた新作を発表

新作《PromPlant(R) HeartBeat_Fumi Hashimoto_2026》を発表

本展では、山崎氏が2023年より継続しているアートプロジェクト《PromPlant(R)》の最新作《PromPlant(R) HeartBeat_Fumi Hashimoto_2026》が初公開されます。

PromPlant(R) HeartBeat_Fumi Hashimoto_2026

《PromPlant(R)》は、生成AIを用いて、これまでに出会ったことのない植物の姿や形を可視化・探求することから始まったプロジェクトです。この活動は、今治タオルを製造する老舗メーカーである渡辺パイル織物株式会社とのコラボレーションへと展開し、表現の手法やあり方そのものを問い直す試みへと発展してきました。

《PromPlant(R) HeartBeat》シリーズは、2025年に発表されました。自身の心臓の音という、現実世界に確かに知覚できる現象を生成AIのプロンプトとして用い、植物の姿を生成する試みとして制作されています。

今回の新作《PromPlant(R) HeartBeat_Fumi Hashimoto_2026》では、初めて自分以外の心臓の音を用いて制作が行われました。制作の背景には、ニューヨークで発表された《PromPlant(R) HeartBeat》シリーズの作品を見た方からの連絡がありました。その方はがんを患い、命の尊さを考える時間を過ごされており、心音の波形から植物を派生させる作品のコンセプトに深く共感されたとのことです。

この出会いが山崎氏の心を動かし、その方の心臓の音を用いて植物の姿を生成するプロジェクトへとつながりました。本作は、ある心臓がこの地球上に確かに鼓動しているという事実を、言葉を持たない植物の姿に変換し、作品の中に留めたものです。なお、本作は展示終了後、心臓の音の提供者本人へ贈られる予定であり、販売は行われません。

その他の出展作品

Bio-Vide(バイオ・バイド)

Bio-Vide(バイオ・バイド)

養豚場や屠畜場のリサーチを基に、生命感と物質感の境界を問う山崎氏の代表作です。魚皮や牛骨などの素材を経て、現在は落ち葉を中心とした作品群(特許取得)を展開し、“有生性”を感じさせる現象・質感・造形を探求しています。このプロジェクトは山崎氏が23歳の時に生まれ、「生物の観るべきもの」を意図しており、家畜保健衛生士の父親の影響を強く受けているとされています。Lexus Design Award受賞作品であり、ミラノサローネにも招待展示されました。

音色鉛筆で描く世界 – Sound of Drawing(サウンド・オブ・ドローイング)

音色鉛筆で描く世界 - Sound of Drawing(サウンド・オブ・ドローイング)

全盲の方との共同ワークショップから生まれた、「音を聴くための文具」です。紙と鉛筆の摩擦音を増幅するアナログシステムを開発することで、視覚に頼らない創造行為を実現しています。nendoの佐藤オオキ氏から高い評価を受け、コクヨデザインアワード史上初のグランプリ・オーディエンス賞をダブル受賞しました。

Anima-Code(アニマコード)

Anima-Code(アニマコード)

SNS利用者が死を迎えた後に残される「データの在り方」について問いかける作品です。QRコードを刻印したハンコ型プロダクトを用い、データアクセスに身体性や感情の「道」を伴わせる設計がなされています。透明素材からできたそのハンコは桐箱に収められ、「未来のお墓」の形を示唆しています。A’Design Award(イタリア)ブロンズ、DFAアジアデザイン賞ブロンズ、K-Design Award(韓国)を受賞しました。「QRコード」はデンソーウェーブの商標登録です。

Humanoid Camera / HC-jizo(TM) #13(ヒューマノイドカメラ/ジゾー #13)

Humanoid Camera / HC-jizo(TM) #13

カメラメーカー勤務時代に構想していた自律撮影型カメラを彫刻的に昇華した作品です。マイク部は「耳」のように大きく、パン方向の回転軸は「首」のようにくびれており、「頭」が存在する生き物のような明確なボディデザインとなっています。工業製品としては実現が困難だったこの構想を、祈りと感情を受け止める「jizo(地蔵)」という名で造形化しました。2022年に発表された作品です。

O3 Cosmic Memory(オースリー・コズミックメモリー)

O3 Cosmic Memory(オースリー・コズミックメモリー)

静かに輝く光の彫刻です。実際に成層圏に到達した株式会社岩谷技研のガス気球膜素材を用いて制作されました。その膜素材を「宇宙の入り口」に触れた記憶を宿す貴重なマテリアルと捉え、標本のように保管・鑑賞するための照明彫刻として再構築しています。2025年6月発表の作品です。

PromPlant(R) – Immersion Textile(プロンプラント・イマージョンテキスタイル)

PromPlant(R) - Immersion Textile

生成AIに用いる「プロンプト」を、盆栽における人間の「治具(ジグ)」と捉えた視点から生まれたプロジェクトです。まだ出会ったことのない未知の植物の姿を生成・デザインし、その形態から柄を作成しました。今治タオルを製造する老舗メーカーである渡辺パイル織物株式会社とのコラボレーションにより、ジャカード織りによるテキスタイルを制作。タオルの象徴であるパイルをあえて持たない構造にすることで、高い耐久性と独自の質感を両立した新たなテキスタイル表現「イマージョンテキスタイル」を考案しました。2023年の個展「ものづくりは感動と共に」にて発表された作品です。

PromPlant(R) – HeartBeat Series(プロンプラント・ハートビート シリーズ)

PromPlant(R) - HeartBeat Series

PromPlant(R)のシリーズで、2025年にニューヨークの個展で発表されました。自身の心臓音を録音し、その波形をプロンプトとして植物の姿を生成。複製の象徴として用いたシルクスクリーンの道具を、あえて一点もの絵画の構成要素として取り込みました。本作は15点の新作群として発表されています。

展示タイトル「WORKWORKWORK」に込められた想い

本展のタイトル「WORKWORKWORK」には、作品(WORK)、仕事(WORK)、そしてワクワク(WORK)という三つの意味が込められています。山崎氏は、お子様が生まれてから「楽しむこと」の重要性を改めて感じたことが、この展示タイトルに影響を与えていると語っています。山崎氏は、制作を暮らしや日常における哲学の延長と捉え、それを仕事として切り分ける考えを持たない作家です。そのため、展示期間中に会場で別の制作を行うことも少なくないとのことです。

会場は、作品を鑑賞するだけの場ではなく、椅子やテーブルが設けられ、来場者が座り、考え、会話を交わし、あるいは仕事をすることも許容できる空間として構成されます。2023年に開催された初個展「ものづくりは感動と共に」では、来場者がくつろげるように座れる構成とし、来場者全員にコーヒーを振る舞うなど(※展示時点ではコーヒー断ちをされています)、芸術の権威性を主張したり、緊張を強いる場ではなく、心が安心と共に解放されることそのものを贅沢な時間とする姿勢を示してきました。山崎氏は、「他者を緊張・萎縮させるのは二流がやることだ」と語り、権威性や威圧感を主張する場では、人間は無意識に肩に力が入り、思想や考え方は本当の意味で豊かに交わりにくくなると考えています。

そのため、山崎氏は自身が不在で作品だけが置かれている展示は行いません。会場空間のあり方や空気の質を他者に委ねる展示はせず、空間のオペレーションそのものを自らの作品の一部として捉えています。本展では2日間にわたり、両日ともシャンパンと軽食が無料で振る舞われる予定です。展示空間そのものが、作品と同様に体験され、人間同士の思想が自然に交わり、認知世界が広がっていくための場として設計されています。

展示会情報

  • 展示タイトル:WORKWORKWORK(ワークワークワーク)

  • アーティスト:山崎タクマ(Takuma Yamazaki)

  • 会期

    • 2026年2月7日(土) 16:00-20:00(17:00-19:00 シャンパンと軽食)

    • 2026年2月8日(日) 11:00-19:00(17:00-19:00 シャンパンと軽食)

  • 会場:SLOTH

    • 〒150-0041 東京都渋谷区神南1-14-7 ワイズ神南ビル 2F

協力企業

  • 株式会社岩谷技研: 誰でも気軽に宇宙遊覧に出かけられる技術を開発し、幼児から年配者まであらゆる人々を「宇宙の入り口」である成層圏へと導くことを目指しています。

  • 渡辺パイル織物株式会社: 創業60年以上の歴史を持つ今治のタオルメーカーで、「素材の良さを最大限に活かすものづくり」を理念に掲げ、上質なタオルを世界に発信しています。

  • SPACEAGENT株式会社: 航空宇宙部品及び医療機器部品の加工マネジメント、加工設計、筐体設計、部品調達を手がけ、宇宙産業と医療産業を支える国際的な製造加工集団を目指しています。

  • ふつか印刷: シルクスクリーン印刷の技術を中心に、各地でワークショップや作品制作・発表を行う印刷会社です。丁寧な手仕事による高品質な仕上がりを追求し、印刷の可能性を広げています。

山崎タクマ氏 プロフィール

1990年北海道生まれ。物質調律家/インダストリアル・プロダクトデザイナー。キヤノン株式会社にて一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラなどの本体デザインを担当した後、TAKUMA YAMAZAKI DESIGN合同会社の経営に集中するため独立。独立後1年間で5製品の提案・モデリング・設計・量産対応を行い、デザインした製品がベストセラーNo.1を記録しました。20代でレクサス デザインアワード、コクヨ デザインアワード、iF デザインアワードなど、国内外の大規模デザインアワードを多数受賞。現在は宇宙デザイン開発や防衛に関わり、宇宙船のデザインやスペースコロニーの実現、デザインによる日本国の強化に向けて尽力しています。また、物質調律の道を極めるため作家としても活動し、0.01mmの設計・デザイン世界とアート領域を横断する中で「industrial Artistry」を提唱。2025年にはニューヨークのギャラリーと契約し、マンハッタンにて個展「industrial Artistry」を開催、作品の取引実績があります。

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